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被曝させ続ける大人たちへの問いかけ――福島の子どもたちが菅首相に手紙

2011年9月2日4:05PM

子どもたちの思い。(撮影/田中龍作)

 福島の子どもたちの声を政府に届けよう――と、福島県の小中学生四人が一七日、国会内で原子力災害対策本部や文部科学省の担当者に、約四〇通の子どもたちの手紙を手渡した。うち四通を公開するが、原発事故の最大の被害者である子どもたちの問いかけは、いまだに彼らを被曝させ続けている大人たちへの告発でもある。

 席上、子どもたちは避難させてくれるよう求めたが、官僚たちは冷たく拒否した。

—————————————-

「なんで?

 ……お母さんはインターネットでいろいろ調べて、放射能がとてもきけんだと言って、ここにいてはいけないといいました。でも、私はすいそうがく部でフルートをがんばっていたので、『転校したくない!』と言いました。でも、毎日外に出るときは、ぼうし・めがね・マスク・手ぶくろをしなければならず外しゅつをなかなかできないし学校では、校庭で遊んではいけないと言われ、私もここにいてはいけないと思うようになりました。でもお友達とわかれたり、すいそうがく部ができなくなるのはつらくてなみだがこぼれました。

 お友達はまだ、福島にいます。いろいろなじじょうがあってひなんすることができません。だからお友達がしんぱいです。こんなことになってしまった、原発が大きらいです。早く原発をなくして福島をきれいにしてみんながもどれるようにしてください。お願いします。

5年生 K・Y」

「菅そう理大じんへ

 僕は、しょう来サッカー日本だい表になりたいです。でも今の福島ではいっぱい練習できません。いつになったらほうしゃのうは、なくなりますか。僕は、大人になれますか? 早く外であそびたいです。家ぞくがはなれてくらすのもいやです。友だちとはなれるのもいやです。どうか僕たちをたすけてください。

3年生 S・R」

「わたしはふつうの子供を産めますか? 何さいまで生きられますか?

 なんで、わたしだけ、転校しないといけないんですか、毎日長そで、長ズボン、マスク、ボウシでとても暑い日もいっています。外でも遊べません。まども、去年のようにはあけられません。わたしのお母さんは、いつも、ニュースを見るかパソコンをしています。わたしは二学期から転校します。あと7日間しか、学校にいれません。とってもいやでとってもかなしいです。

 TVでは、福島市南向台は安全ですといっているけど、じっさいに、こうえん会にいくと、いろいろな人があぶないと言っています。他の県の人達も、福島の子供、わたしたちを福島県からにがそうと、いろいろなプロジェクトを考えてくれています。なぜ福島市は、ひなんにならないのですか。(匿名)」

「わたしの夢は去年と全くちがいます。

・放射能をなくしてほしいです。

・ひなんくいきにしてほしいです。

・平和な国にもどってほしいです。

・ふつうの子供を産みたいです。

・長生きしたいです。

・本当にだいじょうぶと思っているのかを知りたいです。

・もう、じしんの国、日本に、げんぱつをなくしてほしいです。

・ひなんしている人を元気づけたいです。

・みんなが自然のえがおでみんなを元気にしたです。

・日本中のみんなの力を合わせてふっこうしたいです。

・放射線がなくなって、外で、犬をかいたいです。

・しゅくはくくんれんに今の学校の仲間といきたいです。

 お願いします。わたしたちを守ってください。

5年生 K・M」

(8月26日号)

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