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「なぜ検定で盗用を見抜けないのか」――教職員ら50人、文科省交渉

2011年8月30日9:55AM

 学校での「君が代」強制や教育委員会による不当処分撤回の裁判を闘っている全国の教職員と、これを支援する保護者ら市民約五〇人が八月一二日、衆院第二議員会館で文部科学省交渉を行なった。

 まず、「つくる会」系の自由社歴史教科書が、東京書籍版の年表をほぼ全て盗用していた問題は六月一三日、市民団体の教科書ネットが記者会見で公表してから二カ月もたつ。市民側が「なぜ文科省は盗用を検定で見抜けなかったのか」と追及すると、教科書課の鈴木宏幸課長補佐は「検定制度は内容の適否を審査するものであり、著作権等、権利関係まで審査できるものではない」としつつ、「検定では盗用に気付きませんでした」と、教科書課や教科書調査官の瑕疵を認めた。

 次に、大阪府の橋下徹知事率いる府議会「大阪維新の会」の賛成多数で六月三日に可決された「学校行事での君が代斉唱時、教職員は起立により斉唱を行うものとする」という条例について、市民側が「違憲・違法であり差し止め措置を採るべき」と要求。初等中等教育企画課の篠田智志課長補佐は「この条例は一般的規範であり義務付けではない。教育委員会から疑義が出れば、文科省として相談に応じる」と開き直った。

 続いて教育課程課の黒沼一郎課長補佐が「国旗国歌はあくまでも教育指導上の課題として指導を進めていくが、指導を受け入れたくない生徒がいたら仕方がない」と政府見解に沿い発言。東京の市民らが「多くの都立高校校長が君が代不起立の生徒がいたらマイクを使い数回起立を促せ、という卒業式等の進行表を作っており強制がひどい。高石邦男・元事務次官が始めた文科省による卒業式等の国旗国歌全国調査が元凶だ」と反論すると、黒沼氏は「実施率が一〇〇%になったので、調査は数年前やめた」と答えるに留まった。

 翌一三日、約一五〇人が参加した全国学習討論集会では、これまでは「教育委員会が学校の教育課程に関することを管理・執行する」とした地方教育行政法第二三条を {根拠} に各教委が学校に介入してきたが、橋下知事は同法第二五条の「条例に基づく首長の管理・執行権」を利用し政治介入してきており要警戒、との指摘が出た。

(永野厚男・教育ライター、8月19日号)

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