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“野宿者排除条例”に怒りのデモ

2011年8月18日1:38PM

私物のゴミ扱いに怒れる人が結集した。(写真/渡辺つむぎ)

「江東区は追い出しをやめろ! 仕事を奪うな!」とシュプレヒコールが響いた。7月13日、東京・同区にある公園から出発した「野宿者排除とアルミ缶・古紙回収禁止条例に反対するデモin江東」に集まった野宿者や支援者のデモが、区役所職員や通行人の耳目を集めた。

区内の竪川河川敷公園では住居や仕事を失った野宿者約60人が、テントや小屋を建てて暮らしている。同区はこのエリアに河川敷の改修工事を名目にして、撤去にのり出した。これに対して当事者は、「一方的な警告、問答無用の排除だ」「私物をゴミ扱いするな」と申し入れ・交渉を続けてきたが、工事は徐々に進み、8月にも30人近い仲間が生活するエリアに迫る。

江東区では墨田区と同様、2009年にアルミ缶・古紙回収禁止条例が施行され、野宿者の収入源が奪われる危機に瀕している。少年たちの嫌がらせもあり、負傷者も出た。こうした状況に「もう我慢も限界だ」と、江東区では初めての野宿者デモが実現。竪川の仲間を中心に、山谷、隅田川、渋谷、三鷹、三多摩など各地の野宿者・支援者80人が集まり、沿道の人々に訴えた。デモ終了後、区の「水辺と緑の課」課長が出向いて青空団交が持たれたが、納得のいく回答はなく工事の本格着工を前に緊張が高まっている。

江東区だけではない。「震災後」の自治体行政の人権感覚が問われているのだ。

(藤田五郎、7月22日号)

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