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国労組合員の採用差別事件が終結――JR、最後まで雇用の責任取らず

2011年7月19日2:23PM

 最高裁で昨年、金銭和解が成立し、JRへの雇用問題が最後の課題となっていたJR採用差別事件は、JRが採用を強硬に拒否したため、大部分を占める国労組合員が六月下旬、これ以上の闘争継続を諦めた。一九八七年の国鉄分割・民営化の際、所属組合を理由にJRに採用されず、最終的に旧国鉄(国鉄清算事業団)から一〇四七人が解雇された戦後最大の不当労働行為事件は、国鉄を実質的に引き継いだJRの責任は問われないまま終結することになった。

 この事件をめぐっては二〇一〇年四月、民主、社民、国民新の連立三与党(当時)と公明党が政治解決に向け①旧国鉄の法人格を継承した独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構に解雇撤回などを求めた原告に一人平均二二〇〇万円を支払う、②政府はJRに雇用を要請し、JR以外の雇用でも努力すること、で合意に達した。これに基づき同年六月、最高裁で和解が成立。同機構が国労組合員ら九〇四人に総額一九九億円の解決金を支払い、決着した。

 こうした政治解決のための交渉を担ってきたのは、〇二年に同機構に対して解雇撤回を求めて提訴した約三〇〇人の原告団を支援してきた国鉄闘争共闘会議(二瓶久勝議長)。最高裁での和解後も二瓶議長が与党への働きかけを行なったが民主党の動きは鈍く、今月になってようやく重い腰を上げた。民主、国民新、社民の三党は一〇日、国土交通省に一八四人の採用希望者についてJRが雇用で協力するよう要請。同省は一三日にJR七社へ三党の意向を伝えた。

 しかし、JRの態度は頑なで、要請を受けると同時に「すでに解決済みで採用を考慮する余地はない」との見解を国交省に提出。その後、水面下の交渉でもJR側は国鉄改革に反対した当事者に反省や陳謝を求めるなど強硬な態度は変わらなかったという。

 この結果、交渉は決裂。二三日に四つの原告団と共闘会議、国労などの四者四団体が集まり、二瓶議長が経過を報告した。五八人の全動労争議団は闘争を続けるが、それ以外は闘争の終結を了承した。二瓶議長は「これ以上やっても展望がなく、当事者も高齢化しており、第二の人生のためにもいつまでも長引かせるわけにはいかない」と苦渋の決断を語った。

(荒木健次・ジャーナリスト、7月1日号)

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