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【香港】最大の電力会社・中電控股――「CO2排出削減のため原発必要」

2011年6月19日7:28PM

「二酸化炭素(CO2)の排出削減目標を達成するには、原子力発電を推進するしかない」

 香港最大の電力会社、中電控股(CLPホールディングス)のマイケル・カドーリエ会長は五月一二日の株主総会で、香港政府などに向けてこう訴えた。

 香港政府は二〇一〇年九月、二〇年を目処に、域内総生産(GDP)に占めるCO2排出量を表す炭素強度を〇五年比で五〇~六〇%削減する計画を発表している。その通りに実行するには「原子力発電に頼らざるを得ない」とカドーリエ会長が “警告”した形だ。

 香港政府は二〇年には発電量に占める原発の割合を五〇%に高める計画だったが、福島第一原発の事故を受けて原発の安全性に対する懸念が高まっており、今後の対応が注目される。目標が達成できればCO2の年間排出量は〇五年の四二〇〇万トンから二八〇〇~三四〇〇万トンまで減るという。

 中電控股の要求に対し、グリーンピース香港は同日、株主総会会場の前で「原発への投資は未来を賭けの対象にするようなもの」と書いた横断幕を掲げて批判し、香港政府の計画に協力しないよう求めた。

 中電控股は「香港のエネルギー戦略は自社で決められるわけではない」と反論したが、グリーンピースは「電力会社は自社の見解に基づく専門的な見解を持つべきであり、無責任だ」としている。

 中電控股は世界各地で発電会社の買収や投資を進めている。豪州ニューサウスウェールズ州最大のエナジー・オーストラリアを昨年一二月に買収したほか、三菱商事などと共同でタイに建設中の世界最大級の太陽光発電所(発電容量七三メガワット)が年末に稼動する見通し。インドで手がける風力発電所も年内に運転を始める予定だという。

 一方、広東省陽江市の陽江原子力発電所の権益一七%の取得を昨年決めていたものの、中国の国務院(内閣)が福島第一原発の事故後、国内での新規原発建設計画の承認を凍結しているため、出資を見送るべきか検討を続けている。

 同原発は発電容量一〇〇万キロワットの原子炉を計六基設置する予定だ。第一期の四基が一三年に稼動する見通しで、完成後は中国最大の原発となる。

(志村宏忠・ジャーナリスト、6月3日号)

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