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エイベックス松浦社長が訴えた人気ブロガー山本一郎氏の発言

2010年8月23日3:13PM

  エイベックス・グループ・ホールディングス(株)と同社の松浦勝人社長が人気ブロガーの山本一郎氏に対して『日経新聞』朝刊への謝罪広告掲載、同社と松浦氏へ損害賠償五〇万円ずつの支払いを求めた訴訟の第一回口頭弁論が七月二二日、東京地裁で開かれた。

 NHKが放送記念日の三月二二日に放映したメディア特番に対し、ネット・メディア界の有名人がツッコミを入れるという番組が「ニコニコ動画」と「ユーストリーム」で配信された。出演者は、津田大介、堀江貴文、上杉隆、小飼弾、山本の各氏。そして飛び入りでニワンゴ会長の川上量生氏が参加した。これを偶然視聴していた松浦氏が、放送中に知人である川上氏の携帯に電話したところ、電話越しに山本氏が「シャブ野郎」と連呼したのだ。

 事態はツイッター上に飛び火。松浦氏が「面識もないのにいきなり『しゃ“◯野郎』はひどいなあぁ。完璧、名誉毀損成立かなぁ……」「あれは、うちの法務と広報に任せて僕たちは……普通にしてましょ」とつぶやくと、山本氏が謝罪の言葉をつぶやいた。

 そして約四カ月後、“つぶやき” は”弁論” となった。約一万人のユーザーが視聴するなか毀損された名誉に対し損害賠償せよ、というのがその主張だ。

 エイベックスと薬と言えば、同事務所に所属していた押尾学被告の事件が記憶に新しい。事件では、元社員のマネージャーも逮捕されている。また松浦氏本人にも薬疑惑が囁かれたことがあり、五年ほど前には右翼が街宣をかけたこともあった。これを踏まえ山本氏も、「世の評価を口にしたまで。ましてや会社については何も触れてはいない。飲酒が前提の放送で、泥酔して不適切な発言をしてしまったが、ツイッターで謝意は伝わっているはず」と、当惑の色を隠さない。「根拠のない疑惑」という同社の主張からは、薬に敏感になっている様子が窺える。

 同社は、昨期連結決算で営業利益約一四%減。本業のCDの売り上げが不調だが、松浦氏の役員報酬は二億四九〇〇万円と、大盤振る舞い。自らのブログでの謝罪を和解案として提示する山本氏に対し、どう出るかが注目される。

(横関寿寛・ジャーナリスト)

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