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「民法改正」政党アンケート 民主“公約”から削除で開き直り?

宮本有紀|2010年7月2日10:14AM

参院選挙を前に、各地で市民団体が民法改正に関する政党アンケートを実施している。東京ではmネット・民法改正情報ネットワークが六月二三日、結果を発表した。
同ネットの坂本洋子氏は極めて重要な点として「今回初めて夫婦別姓に反対すると公約を掲げた政党が三党(自民、国民新、たちあがれ日本)あったこと、民主党が公約に掲げていないこと」を挙げた。
民主は「見直すべき民法の規定」に政策集(INDEX2009)の項目を挙げているので同党事務局に「政策集は生きているのか」と問うと「政策としては生きている」と言う。では公約に掲げていないのはなぜかと問うと「マニフェストに載せていないから」。しかし前回は、マニフェストには載せていなかったがアンケートでは「公約に掲げている」と答えている。
「今回は政策集を出しておらず、公約はマニフェストのみ。そこには重点的な政策公約を示した。野党のとき以上に責任があるので多岐にわたる公約は載せられない。今回残念ながら民法改正は載らなかった」(同党事務局)とのこと。
民法改正の優先順位は「従来と変わらない」と言うが、どう見てもトーンダウンだ。公約に掲げていないと各議員の個人裁量ということにならないかと聞くと「各議員に強制はしない。また、民法改正に賛成であることが党所属の必須の条件ではない」と半ば開き直りのような返答だった。
政党と同様に、と言っていいのか、返答が変化した議員がいる。仙台の「別姓を考える会」が今回、宮城選挙区候補者に送った公開質問状に民主党の桜井充候補は、「選択的夫婦別姓の法制化に反対」で、理由は「子供がかわいそう」と回答。だが、二〇〇四年時は「賛成」で「アイデンティティに深く関わる自分の姓を自ら選択できない状況は個人の尊重、男女平等という観点から見直しを検討すべき」とある。
同議員秘書の山本修氏は「六年前は誰が書いたのかわからない。忙しくて、桜井とコミュニケーションがとれなかったのでは」と言う。つまり今回の回答が本来の考えで、「現行制度に問題があることは認めるが、選択肢が別姓だけというのは狭い。例えば二人で新しく姓をつくり、夫婦と子どもが同じ姓になるならいい」そうだ。「別姓を考える会」の樋口典子氏は「前回は嘘をついたことになる。自分の名前で意見を出すのに確認しないのは、言葉を軽んじている証拠」とあきれた。先述の坂本氏も「前原誠司氏が『麻生首相はやるやる詐欺だ』と責めていたが、民主党こそ『やるやる詐欺』では」と憤る。
政治家は政策を集票の道具にせず、自らの言葉に責任を持つべきだ。

(宮本有紀・編集部)

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