編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

平和運動の智恵を引き継ぐ

 8月30日のデモは小社でも個人的に参加した人が多いようだ。先週号の高田健さんの記事と30日の国会前の大規模抗議運動のシールズなどのスピーチを受け、強く印象に残ったことは、50年を超える平和運動へのリスペクトとそれを引き継ぐ意志がおそらく初めて明確に提示されたことだ。平和運動の智恵を引き継いでいく行為は合理的だと私は考えている。なぜか日本社会はロスジェネ、U30だと常に若い世代が上の世代に古いとダメ出しをして、新しい改革案が提示されてメディアや社会はそれを拡散し消費してきた。このような世代の類型は一つの概念にすぎず、現場から乖離していないだろうか。まさに足元の首都圏ほど高度成長を担った地方からの移住者が多く高齢化が深刻に進んでいるのだ。違いや差異を消費する姿勢に慣れ親しんでしまってはいるが、違いを強化することは正しく考えることにとってマイナスにも働く。自分はあなたと違うというよりも、自分はあなたと同じですという可能性と迷いを傍らに置きたい。