編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

身が引き締まる

 厚生年金受給世帯で平均月5万5000円、30年間で2000万円収入が不足するという金融審議会市場WG報告書の数字が波紋をよんでいる。そんなに貯金できないよ、と個人的にはため息。

 6月10日、テレビ中継された参院決算委員会総括質疑でのやりとりだ。小池晃議員(共産)が問いただすと、背広のボタンをかけながら安倍晋三首相が答弁に立つ。首相:「……平均値を果たして出すことに意味があるのかどうかということも議論しなければいけないわけでございまして……」。苦し紛れに数字自体を陳腐化する。小池議員:「平均の数字を出してきたのは政府ですよ。……だからあなたたちの議論に基づいて私は指摘をしているんですよ」。呆れて問い返す小池議員。その姿を隣席から見上げ、同意するかのように小さく頷いているのは、あの西田昌司議員(自民)じゃないか。

 小池議員によると不足分は教養娯楽費と交際費。平均値で前者は月2万5000円。本誌の毎月の購読料は……。身が引き締まる。