編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

当たり前のおかしさを言い続ける

 集団的自衛権行使容認の閣議決定は明白に違憲である。
 そのため政府解釈を土台にする安保法案は違憲となる。 
 よって、安保法案には反対し、白紙撤回を求めることは道理である。
 当たり前のことを毎週繰り返し言い続ける行為は苦行であるが、現代日本で暮らす私の義務だと心得ている。とはいえ、さまざまな形で安保法案反対の声が広がっている現状には希望を感じ、ほっとする(但し「希望」「絶望」「堕落」については本号の森達也原稿に共感している)。いずれにせよ、おかしなことはおかしいと言い続け、路傍の道理からは学んでいきたい。
 分野は違えど原発にかんして当たり前のおかしさを40年間言い続けてきた人々が特集されている原子力資料情報室だ。論理的に考え、至った答えを発言する。独りになっても言い続ける。それが信じるという行動だろう。独善とは違う。先週、安保法制に反対する9143筆の創価学会員の署名を持って公明党本部に独り日参した天野達志さんも同じであろう。