編集長コラム「金曜日から」 編集長のコラムを公開しています。

電通は、21世紀を節目に新社屋建設と株式上場という“大事業”をした。

編集長後記

 野党時代の安倍晋三に献金をしていた大手広告代理店の電通は成田豊体制の下、21世紀を節目に新社屋建設と株式上場という“大事業”をした。その結果、株価をにらんで短期的な成果を求められるようになり、怪しげな面が消えて仕事が小粒になったと、電通OBが複雑な感情を吐露していたことを思い出す。上場会社になり資本主義を強めた結果だから皮肉である。

 久米宏がキャスターを務めた大型ニュース番組「ニュースステーション」は電通が広告枠を買い取って始めた。これは業界では美談であり、久米は2004年3月、番組の最終回に電通に謝辞を述べた。その際、次のようにも語っている。〈僕、この民間放送は大好きというか、愛していると言ってもいいんです。なぜかというと日本の民間放送は、戦後すべて生まれました。日本の民間放送は戦争を知りません。国民を戦争に向かってミスリードしたという過去は、民間放送にはありません。これからも、そういうことがないことを祈っております〉
(平井康嗣)