週刊金曜日 編集後記

1349号

▼もうすぐ総選挙。大きな争点の一つとして選択的夫婦別姓制度の導入に賛成か反対かを問われる時代になった。かつては個別アンケートをとると、当時の民主党内にも「反対」と答える候補者がいたが、現在は党として賛成していないのは自民党のみ。ただ、国政選挙でも都議会選挙でも、この件についてのアンケートで「反対」ではなく「無回答」とする自民党候補者が増えてきた。つまり、党内統一されていないから「賛成」とは書けないが、世論調査でも賛成のほうが多いので「反対」とも書きにくいのだろう。ただ、今年の都議選のNHKアンケートで多くが「無回答」のなか、「賛成」と答えた自民党候補者は全員当選したので、信条は潔く明確にしたほうが有利なのではないか。
 同性婚を求める訴訟と選択的夫婦別姓を求める訴訟の両方に代理人として関わる寺原真希子弁護士は、二つの問題は「個々人の生き方を本当に尊重できる国になれるかの試金石。だから一部の人の問題ではなく社会全体の問題」と指摘する。同感。個人の幸福なくして全体の幸福なし。多様性なき社会に未来なしだ。(宮本有紀)

▼自宅で使っているウインドウズパソコンの動作がかなり遅くなってきました。5年ほど前に買ったデスクトップです。キーボードを打ってもすぐに字が表示されないときすらあります。
 買い替え時かなと思い、詳しい人に相談しました。すると「しっかりしたメーカーの製品だから、私ならハードディスクを(速度の速い)SSDにし、メモリーを増やして"延命"させる」とのこと。
 やってみると大正解。ほぼストレスを感じない速さになりました。SSDとメモリー(16ギガ)の購入費は2万円弱で済みました。
 交換方法や作業の注意点などは、ネットで調べると簡単に出てきました。ハードディスクの中身をSSDに「クローンする」(そっくり移す)時間を除けば、作業には1時間もかかりませんでした。もっと早く替えておけばよかったと反省しきりです。
 パソコンと違って、だめな政治家を替えられるのは有権者です。いよいよ4年ぶりの総選挙。これまでの政治でよいのか、替えたほうがよいのか。小誌は判断材料を読者に提供してゆきます。投票に行きましょう。(伊田浩之)

▼その役者をはじめて見たのは学生時代、場末の映画館で上映していた東陽一監督の『日本妖怪伝サトリ』でした。サトリは人間の心を見透かす化け物ですが、彼が演じる独特のおどろおどろしさとコミカルさが妙に心にひっかかりました。
 その後、あるご縁で知り合ってからは、私が主宰する会の常連メンバーとなってくれ、彼の住まいの近くに引っ越しもしました。演出家の早野寿郎さんは、彼を「水槽の中にいる魚」と評したとか。人(客)に観られながらも気にせず自由に泳いでいる、そんな意味かと思います。いつも自然体の彼は、私の憧れでもありました。
「脇役一筋65年」の怪優の彼が亡くなって10月末で2年になります。親族だけの葬儀に呼ばれて秋田まで出かけたのが、まだ昨日のことのようです。
 今週号から「言葉の広場」「論考」の読者欄を担当しています。読者の方に毎月お出しするテーマがありますが、いずれは「気になる脇役」なんていうのも入れたいと思っています。役者に限らず、政治を含めたどの世界も、いい脇役が必要ですから。(秋山晴康)

▼郵便局で現金による支払いや払い込みをするにあたって、今後新たな料金が発生するようです。「ゆうちょ銀行」から先月末に届いた"お知らせ"によると、来年1月17日から窓口やATMにおける各種払込みサービス利用の際、現金で支払う場合には、1件ごとに110円が加算されるというのです。
 しかも従来からある手数料はそのままで、これまで通り赤い払込取扱票を使用した場合は受取人の負担となり、青い払込取扱票の場合は払込人が負担します。今回はこれに加えて、別途払込人が加算金として支払うというものです。一方、通帳またはキャッシュカードを利用して口座から支払う場合は、この加算金は発生いたしません。要はデジタル化とキャッシュレス化を推進したいという現れなのでしょうか。
 いずれにせよ購読料の支払い等、読者の皆さまにご不便をおかけすることになります。「かんぽ生命」の不祥事は論外ですが、郵便の配達日変更やこうした合理化は、利益と効率が優先されるばかりで、郵便局が地域に根付く生活インフラと呼ぶには抵抗のある一企業であることを改めて実感しています。(町田明穂)