週刊金曜日 編集後記

1262号

▼2019年の最終号というのに、大変申し訳ないお知らせを本欄右下に記しています。また定期購読の方には、植村発行人からの手紙も同封いたしました。
 繰り返しとなりますが、20年4月3日(1275)号からの価格を改定させていただきます。
 10月以降、本体価格を下げて販売価格を維持してまいりましたが、やはりこの2%の増税が経営に与える影響は大きく、読者の皆さまにご協力をお願いすることとなりました。本誌ではこの間、「消費税5%以下への減税を求めます」と謳ってきておりますので、じくじたる思いではございますが、ご理解のほどをどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、今回の価格設定に関して補足説明がございます。定期購読料金は増税分をそのまま転嫁しているだけなのですが、定価については値上げとなっております。これは書店販売を考慮すると、販売価格に1円単位、端数の値付けをするわけにはいかず、金額を丸めた結果です。
 書店で本誌を購入されている読者の皆さまには、よりご負担を強いてしまうことになってしまいました。この点、伏してお詫びを申し上げます。
 今年も本誌を支えてくださる方との出会いがたくさんありました。どうか皆さま、良いお年を迎えられますようお祈り申し上げます。(町田明穂)

▼本誌11月15日号の書評欄(筆者は田中優子編集委員)でとりあげた『アフリカの難民キャンプで暮らす』(こぶな書店)の著者・小俣直彦さんが、先日、勤務先の英国から一時帰国。トークイベントがあり、お会いする機会があった。
 大手銀行、国連などを経て、現在はオックスフォード大学准教授と聞くと、エリート街道を歩んできたように思えるが、そうした研究者にありがちな「上から目線」など皆無。著書は、難民と一緒に生活し、日々の苦しみも喜びも共有する真率さと気概に溢れていたが、直接お会いし温かい人柄に触れて、一層その感を深くした。
「日本人に読んでほしい」からこの本を書いたと語る小俣さん。日本の難民政策については、「(海外在住なので)詳しくはないが」と断りながらも、難民認定率が1%にも達しないことや、今年6月、長崎入管で長期収容などに抗議してハンストをしたナイジェリア人が餓死したような悲しい現状に心を痛めていた(後者については、11月にローマ教皇を迎えた際、菊地功東京大司教区大司教も、「(日本では)『いのち』が危機にさらされている」事例として言及していた{「ウェブ・論座」10月27日})。
 ちなみに本は、取次流通ではない直接販売にもかかわらず、なんと増刷! 関心のある方は、左記ホームページを参照ください。URL・https://kobunabooks.com/(山村清二)