週刊金曜日 編集後記

1260号

▼市民運動、ぶんか情報欄「はらっぱで」を担当して数年になる。
 近眼なので、老化とともにメガネの度数を少しずつ弱めながら読書には対応してきた。しかしここ1年は、それでもピタッとした距離が定まらず、30センチほどの距離で裸眼読書に変わりつつある。
 この「はらっぱ」での文字の大きさは11級、昔で言えば本の文字が平均「はっぽ」(8ポ=12級)だったので、それより「はんぽ」さらに小さい。情報量はなるべく多くしたいという気持ちもあるから、今はこの大きさになっているのだけれど、眼筋肉が老化の一途をたどる身では、編集作業をするのが大変になってきた。社内を見回して若い奴を探すが......見当たらない。読者と一緒に「金曜日」も歳を重ねているみたいだ。
 年末年始は、情報の締め切りが変則的になります。絶対量が多い場合は、常連さんに「ごめんなさい」をする場合もあります、容赦ください。
 新年1月11日(土)までの催しは12月20日年末合併号の掲載になりますので12月9日(月)までに。1月12日(日)から18日(土)のものは、12月22日(日)までにお願いします。(土井伸一郎)

▼5月に行なわれたイベントの原稿を11月29日号でやっと掲載できました。「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」です。2017年から始まった同フォーラムも5月で4回目を迎え、韓国の光州とソウルを訪れました。
 弊誌では過去の3回についてもレポートを掲載してきました。毎回参加学生らのうち数人がそれぞれのテーマに沿って原稿を書きます。学生ですから当然、一発で通るわけではありません。添削を担当してくださるのは、フォーラムに同行する現・元記者です。新聞社や通信社、放送局の記者やディレクター、フォトグラファーを目指す学生たちですから、現・元記者らとやりとりをするだけで、とても勉強になるのは間違いありません。実際、やりとりをしていくうちに、最初に比べて格段に良い原稿になっていくそうです。読者のみなさまもどうか温かい目で、記者の卵である若者たちの文章を読んでいただけると幸いです。
 そして、同年代の若者たちにもぜひ読んでいただきたい。そのような思いで、今後もフォーラムレポートを掲載していく予定です。次回は来年1月末~2月初に九州で開催される予定です。(文聖姫)

▼「断食」というとかなりハードルが高い感じがするが、「空腹」というコトバに置き換えてみると、ズボラな自分でもなんとかできるのではないかという気になり、土日の午前中の朝食をためしに抜いてみた。
 2001年発行のロングセラー『奇跡が起こる半日断食──朝食抜きで、高血圧、糖尿病、肝炎、腎炎、アトピー、リウマチがぞくぞく治っている!』(甲田光雄=著、ビタミン文庫)を読んだことを契機として、この半年間、「朝食抜き」を実践している妻の体調がすこぶる良いという。
 年齢的にも「朝食抜き」をアナタも実践したほうがいいのではと言われていたのだが、今ひとつ踏み出せずにいて、どちらかというとその話題は避けていた。
 先日、タイトルに引かれて『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木厚=著、アスコム)を読んでみると、〈睡眠時間を上手に組み合わせて「1日16時間は食べない」だけで、細胞内の悪いタンパク質や細菌が除去され、全身の細胞がみるみる修復〉されることが医学的見地からわかりやすく解説されていた。よし、まずは自ら実践して効果を確かめてみよう。「空腹」のチカラ、侮れんかも。(本田政昭)

▼「桜を見る会」私物化問題が国会で追及されるさなかの11月20日、安倍首相は、報道各社キャップとの会食を都内で行なった。
 ハーバー・ビジネス・オンラインの報道(11月30日付)によると、「応分の費用を支払ったうえで、取材の一環として参加しました」(テレビ朝日)とするメディアがある一方で、『毎日新聞』のように「総合的な判断から欠席しました」としたメディアもあった。公職選挙法違反の疑惑追及の最中でもある。権力を監視するメディアとしては当然の判断だろう。
「数少ない取材機会。取材を尽くして遠慮なく報道する」として参加したのは『朝日新聞』だ。
 その朝日が、数日後、"取材を尽くして遠慮なく"報道したのが、「安倍首相、嵐コンサート鑑賞 面会写真をSNSで公表」という公益性が疑われるような取るに足らない記事だ。「桜を見る会」から話題を逸らし、イメージアップを図りたい政権側の戦略に加担する『朝日新聞』は政府の広報機関にでも成り下がったのだろうか。
 そして安倍首相は知っているだろうか。嵐が、「サクラ咲ケ」という曲で〈「右へならえ」から踏み出すこの一歩を〉と歌っていることを。(尹史承)