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ジェンダー情報

【国連】「世界の記憶」の「慰安婦」問題資料の登録見送りへ 10月27日

「世界の記憶」に登録申請されている「慰安婦」関連資料について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会が10月27日、登録を見送る方向であることがわかった。同委員会の勧告を受け、ユネスコ事務局長が最終判断する。
「慰安婦」関連資料は、市民団体などが2016年5月、旧日本軍や連合軍の公文書、証言記録、写真などを申請。日本政府は、2015年の日韓合意の趣旨に反するなどとして登録に反対している。『東京新聞』によると、非公開の会議で委員から「議論が分かれる案件は当事者間の対話や意見聴取が必要」との意見が出たという。

【言葉】岩波書店が『広辞苑 第七版』で「フェミニズム」の定義変更 10月24日

 岩波書店は10月24日、来年1月の『広辞苑 第七版』刊行を発表。この版で「フェミニズム」「フェミニスト」の語釈を変更するという。
 現在の「第六版」では、「フェミニズム」の説明が「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、男性支配的な文明と社会を批判し組み替えようとする思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」で、「フェミニスト」の説明は「女性解放論者。女権拡張論者。俗に、女に甘い男」となっている。これについて、男女平等を求める若手フェミニストのアーティストグループ「明日少女隊」が今年5月、岩波書店に対して「女権拡張論者は、女性が男性以上の権利を求めていると解釈されやすく、実際にこの広辞苑の語釈を引用して、フェミニズムを女尊男卑の思想であると結論づける人が後を絶ちません」「フェミニストの理念を大きく歪めるような用法であり、語の理解を妨げています」などとして「第七版では、『あらゆる性の平等を目指す思想・運動』であることが分かるように語釈を書き換えてください」と求める公開書簡を送付。その後6月からオンライン署名を始め、6200筆以上を集めた。
 表記変更に書簡の影響があったのかを同書店辞典編集部に聞くと「多くの方からの質問や意見を参考にしている、という返答になる。刊行後、内容を見て判断してほしい」とのこと。
「明日少女隊」の尾崎翠さんは「私たちは、多くの人たちにこの問題を伝え、日本で『フェミニズム』や『フェミニスト』の定義を考える一つのきっかけを作り、署名という形で岩波書店に届けたいと考えた」と話す。同グループは「表記にあらゆる性の平等を目指すフェミニストの理念を明示することなどが確認できるまで署名を続ける」としている。