▼一九九七年三月、渋谷のアパートで女性の絞殺死体が発見された。いわゆる「東電OL殺人事件」。
当時、被害女性は、東電本店の企画部にいた。当時の取締役企画部長が現在の会長・勝俣恒久であり、企画部企画課長が、新社長の西澤俊夫だ。「勝俣―西澤ライン」はこの事件の対応や処理をめぐり、強固なものに形成されたのではないかと推量している。事件の前月にはプルサーマル計画が閣議了解され、小さい記事ながら、新聞で取り上げられるようになっていった。つまり、「勝俣―西澤ライン」は、「プルサーマル計画謀略ライン」とも説明できるだろう。
私は、この頃の事情を鮮明に記憶している。というのも、私は事件の少しあとに東電内部の人と出会うことになったが、結局、「うやむやな関係」になった経験を持つからだ。きっかけは、プルサーマル計画の是非だった(当然、私は反対の立場)。その人からは東電の学歴主義の体質や、事件の被害女性の言動なども具体的に聞いているが、その人のことを考えると、明らかにすることを躊躇してしまうのである。 (白井基夫)
▼五月二七日号の「リブらんか」で紹介した中山千夏さんの小冊子『私のための原発メモ』に対し、たくさんの読者の方々から購入希望のお便りをいただいた。
三二〇名の方より約四〇〇冊。 当初、五〇冊くらい用意しておけばいいかなと、千夏さんの事務所「花林舎」の鈴木敬子さんと話していたら、週明けに私の机の上に小山が出来ていてビックリ。
封書には切手、現金によるカンパのほか、今回の震災に対する怒りや憤り、本誌に対する励ましの言葉、千夏さんへのエールと思いがけず読者の方々との交流の場になり、励まされました。この場を借りてお礼させて下さい。
なかでも「リブらんか」ファンの方が多いのには、担当としてはうれしいかぎり。その日すぐ鈴木さんに追加要請。発送の宛名書きで大忙しでした。
「大津波で月刊誌からの『金曜日』が自宅もろとも全て流失してしまいました」。ようやく仮設住宅に入居が決まったという陸前高田のYさんからの封書にはカンパが。
逆でしょう、と思いながら、元気もいただいた。 (土井伸一郎)
▼菅直人首相の原発を巡る一連の発言、姿勢を見るにつけ、言葉の力というものを考えさせられる。
一九八〇年に衆院初当選した菅首相は三宅島に赴き、風車を視察している。それ以降、所属政党は変われど、「脱原発」は政治家・菅直人の背骨のようなものであったはず。しかし民主党が政権を奪取し本人が首相の座に就くと、その背骨は曲がり、原発を輸出するという政策にまでいきついた。
3・11以後、「脱原発でいく」という威勢のいい声こそ聞こえてくるが、どこまで熟慮を重ねた言葉なのか、心許ない。再稼働に踏み切ろうとする九州電力・玄海原発の例を見ても、首相の言葉はどれだけ力を持ったのか。
数ある原発保有国、核保有国の中でも、日本には核兵器で被爆した過去がある。半世紀以上も前の記憶を語り続ける人、語り続けた人がいる。憲法九条を支える足腰となったのは、そうした人々の眼差しの強さだったように思う。
被爆国である日本だからこそ持てる言葉、伝わる言葉というものがある。 (野中大樹)
▼二〇〇七年一一月に月刊誌『インパクション』に載った金光翔さんの論文「〈佐藤優現象〉 批判」は大変示唆に富む良い論文だった。その後『週刊新潮』で彼が岩波書店の社員だという暴露記事が出たのちは、紙媒体で彼の名を見ることはなくなった。いったいこれはどうしたことか。金さん自身のブログ「私にも話させて」(http://watashinim.exblog.jp/)ではその後も精力的に言論活動を続けており、『週刊新潮』の暴露記事以降それを巡ってなにがあったかも本人の視点で書かれている。
金さん加入の労組によるブログ(首都圏労働組合特設ブログhttp://shutoken2007.blog88.fc2.com/)によれば岩波書店からは、岩波書店労働組合から金さんが除名されたことにより、岩波書店労働組合との間で締結している労働協約書に基づいて金さんを解雇せざるをえないとの通知が四月一日付で出されており、金さん加入の二つの労組が岩波書店に対して通知の撤回と解雇の根拠とされる労働協約書の提示を要求したがいずれも断られたとのことである。 (原田成人)
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