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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2009/10/2)

党員は激減、投票率も低下
“野党”自民新総裁に谷垣氏


 九月二八日午後、第二四代自民党総裁に谷垣禎一氏が選任された。
 約一カ月前の衆院選で敗退し、一六年ぶりに下野した自民党だが、野党として総裁選を行なうのは初めてだ。それゆえ、総裁選は全く盛り上がりに欠いていた。しかも選挙期間は、鳩山由紀夫首相の外遊日程と重なった。鳩山首相は二一日から渡米し、二二日には国連本部で開かれた気候変動サミットで二〇二〇年までに一九九〇年比で二酸化炭素を二五%削減することを宣言。新聞やテレビは連日、華々しく国際舞台に躍り出た新しい首相を持ち上げていた。この間まで政権の中枢にいたとしても、もはや権力を失った政党についての扱いは、どこもごく小さいものだった。
 よって国民の関心も低かった。たとえば全国遊説の最後の二六日に熊本で街頭演説会を行なったが、〇八年九月の総裁選の時には二〇〇〇人も集まったのに、今回はわずか五〇〇人に過ぎなかった。
 かつては五〇〇万人以上の党員を抱えていた自民党だが、いまでは党員数が一〇八万人と約五分の一にまで減少した。そして今回の総裁選では党員の投票率は四七%までに落ち込んだ。これは昨年の総裁選時に比べて一四%も減少していることになる。
 出馬した面々が谷垣氏に加え、河野太郎氏、西村康稔氏で、当初からあらかた谷垣氏の勝利が見えていたことも、盛り上がらなかった原因だろう。実際に西村氏が獲得した議員票は四三票で党員算定票(地方票)は一一票、河野太郎氏が獲得した議員票は三五票で党員算定票は一〇九票、谷垣氏が獲得した議員票は一二〇票で党員算定票は一八〇票(議員票は一九九票だが、無効票が一票あった)。当選した谷垣氏は当初から、
「過半数を制した」
 と囁かれていたが、議員票も党員算定票もきれいに全体の六割を獲得している。


離党ちらつかせ
河野氏の算段は

 むしろ政界関係者が関心を寄せたのは、河野氏と西村氏の得票数だろう。まずはどれだけ票を獲ったかで、その政治家の将来がある程度占えるからだ。
 たとえば〇六年の総裁選で、麻生太郎氏は議員票六九票、党員算定票六七票の合計一三六票を獲得し、有力な総理総裁候補として認知されている。谷垣氏も麻生氏に及ばなかったものの、この時に獲得したのは議員票六六票、党員算定票三六票の合計一〇二票で、“麻生の次”を維持したといえるだろう。
 河野氏と西村氏の場合は単にそれだけにとどまらない。議員票の数では河野氏が西村氏に負け、党員算定票の数では反対に、知名度が及ばない西村氏が河野氏の約一〇分の一しか獲得できていない。ではこれをどう解すべきか。
 一般的な見解は、
「西村の背後には森喜朗元首相が付いているため、議員票が河野より伸びた。しかし『世代交代を望む地方の声』が河野に党員算定票を一〇九票も獲らせた」
 ということになる。
 さらに踏み込んで、
「これで河野は離党できなくなった」
 と見る向きもある。そもそも河野氏は総裁選で敗北したら自民党を離党し、渡辺喜美氏と合流するつもりだったというのだ。だが党員算定票を三桁も獲得してしまったのでは、そうはいかない。河野氏はしばらく自民党内にとどまるだろうとする見方だ。
 実際、河野氏は二一日に新潟市内で行なわれた街頭演説会で、
「私が総裁になったら、渡辺喜美さんの携帯電話に電話をして『もう一回一緒にやろうぜ』と一致団結しようと思っている」
 と述べている。解散時に渡辺氏のもとに走った山内康一氏は、自民党神奈川県連に所属したことがあり、河野氏とも親しい関係だ。
 そもそも河野氏は、以前から既存の自民党に強い不満を抱いていた。
「全く新しい政党を作る」
 一八日に自民党本部で開かれた候補者所見発表演説会で、河野氏はいきなりぶち上げた。そして、
「いつまでも古い政治のやり方を引きずっている人間がこの党を牛耳っていることへの怒りが八月三〇日の投票の結果だ」
 と、自民党を牛耳る森氏ら実力者に痛烈な批判を浴びせている。
 それは谷垣氏や西村氏が主張するような「挙党一致で自民党を建て直す」といった穏健な考えとは全く異なる、自民党自体を否定するものだった。
 その後に開かれた共同記者会見でも、
「推薦人を集める段階で、派閥の領袖から私の推薦人に辞退するよう電話があった」  と、不当な圧力をかけられたことを暴露。記者から森元首相は自民党にとって必要か悪かを尋ねられると、
「そろそろ出処進退をお考えになるべきだ」
 と事実上の引退まで勧告している。


よく分からなかった
“党内改革”の中身

 翌日の一九日には、日本記者クラブで行なわれた公開討論会では、森氏や青木幹雄氏を“ベンチ外通告”。全国遊説初日にJR和歌山駅前で行なわれた演説会では、
「自民党が(衆院選で)大敗したのは派閥親分の言うままの人事をやったからだ」
 と、舌鋒鋭く刺しまくった。
 過激な言葉は河野氏にとって、野党に転落した自民党に不満を持つ党員に対するメッセージのつもりだった。議員票では届かないが、地方票を獲得して巻き返せばよい。河野氏の頭の中に、八年前の小泉純一郎氏の登場があったに違いない。一九日の公開討論会で西村氏に“二位・三位連合”を持ちかけたのも、その戦略の一環だった。国民的な人気では、谷垣氏より自分の方が上だと確信していたはずだ。
 結果は“完敗”だったが、河野氏は、
「三五人の仲間と連携して、自民党再建のために頑張っていきたい」
 と“敗戦の弁”を述べている。すなわち「離党はない」ということだ。以前なら二〇名の推薦者が集まらず、出馬すら叶わなかった。それが党員算定票の三分の一強を得るまでに至ったのだから、ある意味満足したのかもしれない。ならば河野氏の主張した“党内改革”とは、所詮こういうものに過ぎなかった次第だ。
 さて総裁選が終わると、会場となった自民党本部の八階のホールから議員たちが次々と出てきた。記者たちが駆け寄って感想を聞くと、ほとんどの議員が、
「安定していいと思う」
 と力なく答えていた。“党の再生”とは掛け声だけで、歴史的な大敗をした状態のまま安定を望んでいるのだ。これが戦後日本を担ってきた大政党の末路ならば、あまりにも哀れとしか言いようがない。
天城慶・ジャーナリスト


「白人」への偏見を助長
マックCMに抗議の声


 日本マクドナルドが八月から展開しているNIPPONALL STARSキャンペーンのキャラクター「Mr. ジェームス」に対し、「偏見と固定観念に満ちたガイジン像」と在日外国人らが抗議している。
 白人扮するMr. ジェームスは架空の人物で、「昔訪れた日本の魅力を忘れられず娘の留学についてきたオハイオ生まれの四三歳」との設定。バーガーを味わうために全国を回り、その様子を、カタカナとひらがなの奇妙な日本語で日々ブログにアップしている。
 人種差別と指摘される点は、彼のカタカナ日本語と「元気なオタク」のイメージ。NPO法人日本永住帰化移民住民協会の有道出人会長は、「外国人は日本語を話すことができない、という印象を強めるだけ。彼の外見も、日本在住の白人には恥ずかしいもの。努力して日本語を学び、長年ここに暮らしても、所詮“ガイジン”扱いしかされない。国際感覚があまりにも欠如し、子どもに与える影響も大きい」と憤慨する。
 協会は八月二〇日、日本マクドナルド宛に、CM停止を求める“日本語”の抗議文を提出。五日後に広報担当者から届いた回答は“英文”で、「侮辱する意図はない」と弁明のみ。謝罪の言葉は一切なかった。
 白人を笑いものにしても差別にはならない。日本人がこうした意識を持つ傾向は否めず、外国人の不満や意見になかなか耳を傾けようとしない。
「白人は日本で少数派。声を上げても、この国のメディアや人権団体からはほとんど無視される」と有道氏。
 人種差別の定義が白人に適用されないのは、劣等感から脱しきれない白人への歪んだ感情の表れともいえる。
 キャンペーンは現在も続行中だが、ネット上でMr. ジェームス反対運動は拡大中だ。
木村嘉代子・ジャーナリスト

どうなる国立追悼施設
今年も参拝した
“靖国派”民主議員


「民主党政権は『村山談話』の精神を尊重する。私が首相になったら靖国神社には参拝しないし、閣僚にも自粛を求める」
 鳩山由紀夫首相は総選挙前の八月一一日にこう明言した。その鳩山首相が〇三年以前には靖国神社(東京・千代田区九段)に参拝する常連組であったことは意外に知られていない。「靖国議員」であった鳩山首相が、民主党の代表として政権政策集に国立追悼施設の建設を掲げ、「靖国神社には参拝しない」と宣言したことは実に意義深い。
 鳩山内閣の閣僚・副大臣に就任した者の中に今年八月一五日、靖国神社を参拝した者がいるかどうか点検してみたが、いなかった。
 自民、民主、国民新、改革クラブの各党国会議員らで構成する「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・島村宜伸元農水相)がこの日、靖国神社に参拝した国会議員及び秘書など代理参拝の総数は一〇九人。気になるのは政権政策集で国立追悼施設の建設をうたっている民主党議員本人が四人も参拝していること。民主党四議員とは、衆院議員の松原仁、参院議員の芝博一、羽田雄一郎、前田武志の各氏。民主党内の靖国派の動向には警戒が必要だ。
 現職閣僚本人の参拝は野田聖子・前消費者・食品安全・科学技術担当大臣の一人だけ。内閣役職者本人の参拝者は佐藤剛男・前法務副大臣、萩生田光一・前文部科学大臣政務官、岸信夫・前防衛大臣政務官の三人だった。
田中みのる・ジャーナリスト

アイヌ民族の長老
鳩山首相へ要望書


 関東に住むアイヌ民族のエカシ(長老)浦川治造氏が、二〇〇五年に千葉県君津市の山中に自力で拓いた文化交流施設「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」において、九月一二日と一三日、北米先住民を迎え、「夏祭り ユ09ピースサミット」が行なわれた。
 来日したのは、ワベナキ族のトム・ドストウ氏とカイオワ/ウィチタ族のローレン・キーボーン・シルバーバード氏の二人。
「夏祭り」は一二日に、アイヌ民族の祈りの儀式イチャルパで始まり、「ハモリ会」による台湾先住民や南方諸島の民族の歌や踊り、アイヌ民族によるユーカラやウポポなどが披露された。一三日には日米の先住民による「先住民の現在」を課題にシンポジウムが行なわれ、オバマ政権下の先住民政策やアメリカでの実情、日本は何をすべきなのかなどが話し合われた。
 また、浦川氏は鳩山由紀夫首相に要望書を送り、「北海道の自然をアイヌの手で再生させること」「アイヌは貧しく無年金の高齢者が多い。しかし彼らは伝統の記憶者だから、特別に年金制度を設けて欲しい」「文化を継承するためには教育が大事。就学のための機会を得られるような独自の制度が必要」なことを訴えている。
根岸恵子・ルポライター

「平壌宣言」から七年
「日朝交渉の再開を


 二〇〇二年九月の「平壌宣言」から七周年にあたる一五日、「過去の清算と拉致問題の解決を考える」集会が都内で開かれ、二二〇人が集まった。
 講演した蓮池透さん(元拉致被害者家族連絡会事務局長)は、「拉致問題」における日本政府の無作為を厳しく糾弾。「なぜ北朝鮮が怒っているのか、なぜ自民党時代に有効なパイプが作れなかったのかを、きちんと検証してほしい」と語り、「政府は大きく方針転換すべきだ。制裁ではない。対話だ。日朝平壌宣言をテコにして、北を動かしていくしかない」と力をこめた。
 西野瑠美子さん(バウネットジャパン共同代表)は、日本政府がこれまで「河野談話」(一九九三年)を踏襲すると言いながら、実はさまざまな手段を使って、「慰安婦問題」の国際的な進展や解決を妨害してきたと批判。「市民が声をあげ、教科書に『慰安婦』の記述を復活させるよう働きかけていこう」と呼びかけた。
 集会は、「鳩山新連立政権に対北朝鮮政策の転換を求めます」と題するアピールを採択して終了。同文は、「北朝鮮への制裁を解除し、日朝国交交渉を速やかに再開すること」、「一〇〇年余にも及ぶ過去の清算を真摯に行うこと」、「拉致問題もその一環として、対話を通じて速やかに解決すること」の三点を要求。半島の人々との真の和解と平和・友好関係の構築を訴えている。
横山隆英・フォトライター

八ッ場ダム建設
自称「住民」町議が
中止反対を煽っていた


 新国土交通大臣の八ッ場ダム中止宣言を巡る報道が過熱。その裏で、ご当地の群馬県長野原町議会に、報道されない対照的な二人の町議がいる。
 一人は中止宣言の翌日、九月一七日に同町議会に提案された「八ッ場ダム建設事業の継続を求める意見書」に、「生活再建については賛成。しかしダム本体着工については取り除いていただきたい」と異議を申し立てた牧山明町議である。町議会が推進に転じて以来、初のダム反対だ。「町民の一定数は反対。その声を今代弁しなければ。“村八分”も誤解もあるだろうが覚悟の上」と心境を語る。
 もう一人は、前述の意見書を共同提案した議員の一人。テレビ報道にたびたび登場し、ダムを見下ろす先祖の墓前で「住民」として「ダム完成は住民の悲願」とコメントする星河由紀子町議である。議会後、町議でありながらテレビ出演で「住民」を標榜する理由を尋ねると、「議員として言えば議員全体の考えになってしまう」と弁解。各議員の意見が違うことぐらい視聴者は分かると言えば「深く考えなかった。ウッカリしていた」と応じる。
 同議会では、九月一〇日に「八ッ場ダム推進協議会」が、ダム完成を求める署名を「『住民』発議」で始めたと報告された。しかし経緯を聞くと、「突然の中止明言にどう行動を取ったらいいのか分からない住民が相談し、萩原渉県議の考えで集めることになった」と星河町議は述べた。
「住民」を標榜する町議や県議が暗躍する中、九月二三日に前原誠司国交大臣が町を訪れた際には、ホンモノの住民は、いつどこに大臣が来るのかを知らされず、一方的に「意見交換会の中止」を告げられた。「ダム中止反対」住民報道の一角には少なからず演出が混じっている。
まさのあつこ・ジャーナリスト

法政大学の学生弾圧
地裁判決で全面批判


 法政大学ではキャンパス内のビラ配りや看板設置の規制に反対する運動が続いているが、東京地裁で九月一四日、警備員への「暴力行為」などで起訴された二人の反対派元学生が、無罪判決をかちとった。
 今回の裁判は、(1)元学生のA君が二〇〇七年四月に大学職員を「首を絞めた」「投げ飛ばした」(2)元学生のB君が二〇〇八年四月に警備員を「体当たりした」――などの起訴理由に対し、(1)の一部だけを認めて無罪を言い渡したもの。
 大学当局による反対派学生への無制限入構禁止措置については「裁量権の範囲を逸脱」しているとし、実力で学生の入構を妨害しているのは「違法」と認定。さらに警備員らが学生の進路をふさぐなどの行為を続けているのは「違法な有形力の行使」と断じた。
 法政大学をめぐる問題では計一二件の公判が進行中で、今回の判決の影響が注目される。特に学生側が「暴力行為」という口実が作られる背景として問題にしているのは、大学が雇った警備員を「嘱託職員」に偽装し、警備員が第三者の行動を体でブロックする以上の行為を禁じた警備業法に違反して学生を羽交い締めにしたり、突き飛ばすといった暴力行為を野放しにしている点。今回の判決で、大学側の異常な対応が問われそうだ。
成澤宗男・編集部

労組の垣根を越えて
若者を考える集会


 労働運動のナショナルセンターを超えた労働組合・ユニオンが集まり、若者の雇用問題を考えるイベント「みんなの働き方Revolution2009」を一〇月一〇日(土)午後二時、東京都港区の芝公園二三号地で開催する。参加費は無料。
 現在若者の二人に一人が非正規労働者となっており、低賃金で貧困な生活をよぎなくされている。一日八時間労働制という法律がありながら、長時間労働や残業代未払いも横行。こうした若者を取り巻く劣悪な雇用環境に対しユニオンをつくったり入ったりして改善しようと呼びかける。
 当日は三菱ふそうの派遣切りとたたかう若者や官製ワーキングプアにユニオン結成で立ち上がった臨床心理士ら当事者のアピールのほか、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さんのトークライブ、各労組による出店、働くトラブル相談会などがある。
 連合・全労連・全労協の各ナショナルセンター傘下の労働組合と中立・独立系の労働組合から次世代の組合員が実行委員会をつくった。さまざまなワクを超えた初めての動きとして注目を集めている。
 問い合わせは実行委員会事務局の首都圏青年ユニオン(電話番号 03・5395・5359)まで。
須田光照・東京東部労組


「子ども手当」で
子育て家庭は安心できますか?
NPO理事に聞く



「子ども手当」2万6000円を支給することは子育てへの公的支援の方向性として歓迎します。しかし、これだけでは不十分。子どもが育ちあがるまでの支援が必要です。教育の格差を埋めるためには、低所得世帯に出る就学援助などを増やし、教育への支援が必要です。また子ども手当は高校卒業までにすべきです。また所得制限を設けなくても、所得税・住民税を累進性を高くし税として徴収するように制度設計したらどうでしょうか。
配偶者控除の廃止への批判は的外れ。これまでのいわゆる専業主婦世帯を優遇する税制や年金制度からライフスタイルに中立な制度にすることは大きな転換です。控除制度は高額所得者に有利だったので、手当支給という制度に転換するのもまっとうだと思います。先日、長妻昭厚労相が生活保護世帯の母子家庭に支給される母子加算(2009年度廃止)の早期復活を明言しましたが、母子加算の復活で母子家庭の対策が万全というわけではありません。100万世帯に支給される児童扶養手当が2002年に5年間受給後半額を限度に削減され事実上の凍結になっていますが、次はこの法律条文を元に戻すこと。つまり、小泉構造改革のもとで削減された福祉・社会保障をまず元に戻す。その上で、さらに父子家庭への児童扶養手当の支給や実効性ある就労支援が必要。もちろん、子ども手当との併給をしなければ、深刻な子どもの貧困を改善することはできません。 (談)
NPO法人しんぐるまざあず・
ふぉーらむ理事
赤石 千衣子



ジェンダー



【国連1】ユネスコ事務局長に初の女性 9月22日
 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)で行なわれていた事務局長選挙で9月22日、ブルガリアの元外相でユネスコ大使のイリナ・ボコバ氏が、本命視されていたエジプト文化相のファルーク・ホスニ氏を僅差で抑えて当選した。来月の総会で信任されれば、ユネスコでは女性で初の事務局長となる(『中日新聞』9/24他)。
 選挙戦で9人の候補者中ホスニ氏の優位は変わらなかったが、選挙が4回繰り返されても当選条件の過半数に達した候補者が出なかった。しかし終盤に、ホスニ氏の「エジプトの図書館のイスラエル文書を燃やすべきだ」などの反ユダヤ発言に反発する国々がボコバ支持に回ったという。ホスニ氏は、「ユネスコは政治的なものになった」とユネスコを批判した(『MSN産経』同)。


【国連2】国連総会議長が同性愛を批判
9月24日
 9月23日から30日まで国連本部で開催されていた第64回国連総会で議長を務めたAli Abdussalam Treki氏(リビア)は、記者会見で同性愛差別について問われ、「それは世界のマジョリティにとって受け入れがたいものだ。それを許す国があり、そこではそれを民主主義だと考えているが、自分はそうは思わない」と発言したと、英国の性的マイノリティ・メディアが伝えた(URL http://www.pinknews.co.uk/news/articles/2005-14245.html/)。


【性被害】京都大学の50代教授が学生との「不適切な関係」で処分前に辞職 9月16日
 京都大学は、教員との「不適切な関係」に関して学生からの相談を受け、その教員に対し「懲戒手続きに関する審議を進めようとしていたところ、当該教員は大学教員として問題があったことを認めて反省し、退職金受給権を放棄したうえ、辞職」したと9月16日に発表した(URL http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2009/090916_2.htm)。
 大学側は辞職を理由に、教員の名前や所属していた学部、「不適切な関係」の内容などは公表しなかったが(『朝日新聞』9/17)、関係者によると、教員は大学院人間・環境学研究科の50代の男性教授(『京都新聞』同)。大学側が処分に向けて動こうとした直後、内容証明郵便で「教員として問題があったことを真摯に受け止めて反省し、辞職する」との通知が届いたという。
 岸本佳典総務部長は「教員の行為は犯罪や条例違反などにあたらず、退職金も返上したことから、懲戒解雇と同じ効果があったと考えている」と述べているが、文部科学省国立大学法人支援課は「懲戒解雇と、自己都合退職では、次の就職の際に違いが出る」と指摘している(『朝日新聞』同)。

協力/現田正義



国際短信



イスラエル
「核なき世界」のウソ
「現代のナチス」の核は?


 国際原子力機関(IAEA)は9月18日に開かれた総会で、イスラエルの核能力に「懸念」を表明し、IAEAの査察受け入れを要求するアラブ諸国・地域が提出した決議案を1991年に続き賛成49、反対45、棄権16で再度採択した。「核なき世界」を提唱したり、「核開発」を口実にイランへの制裁を強化しようとしているオバマ大統領のダブルスタンダードが露骨な米国と、それに追随するだけの日本は反対に回った。
 今回の決議は、8月にアラブ連盟がEU(欧州連合)に提出した『イスラエルの核能力』と題する案文に基づくもの。イスラエルに対し、秘密の核施設をIAEAの査察対象とするよう義務づけ、米国を念頭にイスラエルに核物質や部品などを供給・輸出している国に対する保障措置(査察)の適用を求める内容となっている。
 イスラエルは核武装しながら、公式にはその事実を否定も肯定もしていない。しかも、中東で唯一核拡散防止条約(NPT)とそれに基づく保障措置協定の未署名国だ。こんなデタラメがまかり通るのは、米国が40年前から、イスラエルの核兵器を国際的な監視から隠蔽する内容の二国間秘密協定を遵守し続けているからだ。
 その結果、イスラエルはF16戦闘爆撃機などに搭載する核爆弾を始め、原子砲、ジェリコⅡ地対地ミサイルや潜水艦発射型巡航ミサイルに装置された核弾頭を合わせると推計200発以上の核を何の国際的規制もなく堂々と保有している。
 これらの核兵器を製造しているのは、同国南部のネゲブ砂漠に米国などの援助で建設されたディモナ原子力研究所。プルトニウムや濃縮ウランなどを生産しているが、設備が古く、安全管理もおざなりで、7月に国内紙が報じたところでは、昨年比で同研究所周辺で40%も放射能漏れ事故や核廃棄物が原因と見られるがん発生が増加している。
 米国はイスラエルに核査察を求めるどころか、逆にイランの地対地ミサイルによる同研究所への攻撃を懸念し、昨年、陸軍を派遣してXバンドレーダーを使った移動式ミサイル防衛(MD)用レーダー・FBX-Tをネゲブ砂漠に配置。さらに米国は、イスラエルと共同開発中のMD用ミサイル・アローⅡも配備する予定だ。
 しかもオバマ大統領は9月25日のピッツバーグにおけるG20首脳会議終了後、記者会見でNPTに加盟しているイランに対し、「核開発」を理由に「軍事行動を含むあらゆる選択肢を排除しない」などと語り、ブッシュ前政権と変わらない二枚舌と戦争脅迫の手口を露骨に示している。
編集部



今週の裁判予定




協力/NPJ


10月6日(火)
北海道警違法逮捕損害賠償請求訴訟
13:30~ 札幌地裁 3階ラウンド法廷(予定)
事件内容:北海道警察の違法な逮捕・勾留により精神的な苦痛を受けたとして慰謝料を請求した訴訟
期日内容:口頭弁論


10月7日(水)
四日市・中国人技能実習生廃業責任転嫁訴訟
11:00~ 名古屋高裁 1003号法廷
事件内容:有限会社三和サービスが、自らが受け入れていた中国人技能実習生に対し、作業を「ボイコット」したとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審
期日内容:第3回口頭弁論
電波雑音を増やすPLC導入に異議!
10:00~ 総務省電波監理審議会 総務省会議室
事件内容:アマチュア無線愛好家が国に対し、PLCの型式指定の取消しなどを求めた事件
期日内容:申立人側証人尋問


詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

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殺すな、殺されないために!
6月21日、戦争立法に反対する学生デモ(京都市)スピーチ集

著者:SEALDs KANSAI シールズ関西:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s KANSAI =自由と民主主義のための関西学生緊急行動

殺すな、殺されないために!

【内容紹介】 SEALDs KANSAI(シールズ関西)が 6月21日に京都市内で行なった 「戦争立法」に反対する...


お金のギモン! 何で私に聞くんですか?

著者:斉藤賢爾

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著者の斉藤賢爾さんはビットコインに代表されるデジタル通貨の専門家。 ですが、本書はビットコインの解説本ではありません。...


貧困なる精神26集
「戦争」か侵略か

著者:本多勝一

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朝日新聞入社以来約六〇年、ジャーナリズムの第一線で書き続ける本多勝一。これまで数多くのルポを記してきたが、ジャーナリスト...


反知性主義とファシズム

著者:佐藤優・斎藤環

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知の怪物と気鋭の精神科医がカルチャー(AKB、村上春樹、宮崎駿)から 反知性主義がはびこる日本社会を読み解く。振り幅の...