現在位置
ホーム(最新号紹介) > バックナンバー > 金曜アンテナ(一覧) > 金曜アンテナ(詳細)

金曜アンテナ

金曜アンテナ(2009/9/25)

斜陽自民の総裁選粛々と
捨て石“谷垣総裁”誕生か


 鳩山由紀夫氏が第九三代内閣総理大臣に指名された一六日、麻生内閣が総辞職した。
「残念ながら道半ばで退任することになった」
 首相の退任時の記者会見は異例だが、退任会見で無念の言葉を吐いた首相も異例だった。現行憲法下で七番目の短命内閣は、とうとう戦後日本の礎を作った祖父を超えることはなかった。それどころか祖父が作った自民党を、こなごなに砕いてしまったのである。
 しかし永田町は敗者が感傷に浸る暇を許さない。
 一五日午後三時、自民党本部で谷垣禎一氏が総裁選に立候補することを正式に表明した。谷垣氏にとって、〇七年の総裁選以来二年振りの出馬だ。ただし今回は自民党が野党に転落しているため、総裁イコール総理とはいかない。そんな総裁の地位に魅力を感じないのか、小池百合子氏や石原伸晃氏など昨年の総裁選に出馬した面々は早々に出馬を辞退した。
 そんな中で一三日、谷垣氏は東京の自宅で記者団に囲まれ、
「捨て石になる」
 と覚悟を示している。
 一方、当初から
「火中の栗を拾わないことはない」
 と意欲を示していた石破茂氏が、一六日に出馬断念を発表している。この時、
「党再生のためには、一致してやっていける体制を作ることを優先すべき」
 と、言い訳を述べているが、本当の理由は二〇名の推薦人を集める見通しがたたないからだ。
 一年前の総裁選に石破氏が出馬した時の推薦人のうち、生き残ったのは代表の鴨下一郎氏を始めとしてわずか五名のみ。こんな状況で下手に手を挙げてはただ恥をかくだけだ。ならば若手ではなくベテランの谷垣氏の応援にまわり、恩を売っておくのが得策になる。谷垣氏がコケた場合、石破氏が代わって浮上すればよい。


菅氏が古賀派を
抜けた理由

 石破氏の断念会見の同日、党本部で谷垣氏を総裁選に担ぐ拡大世話人会が開かれ、彼が所属する古賀派の議員など三〇名が集まった。これで立候補に必要な推薦人二〇名の要件はクリアしたことはほぼ確実。鳩山氏が首相指名された直後の一六日の午後には、
「もし総裁になれたら、党首討論が楽しみだ」
 と余裕しゃくしゃくの様子。よって “谷垣総裁”でほぼ確実かと思えば、そうでもない。
 今回の総裁選でとりわけ活発な動きを見せているのが、若手の有力議員たちだ。今回の総裁選では地方票(三〇〇票)が国会議員票(二〇〇票)を上回ることになった。よって以前なら国会議員票を集めにくいために不利だったが、勝算が出てきたのである。
「菅が太郎を担ぐようですよ」
 このような情報が番記者から入ったのは一四日夜のことだった。
 菅義偉氏は選対副委員長として、前回の衆院選挙で苦戦が囁かれた選対委員長の古賀誠氏に代わり、実質的に陣頭指揮をとっていた。しかし結果は自民党が大敗し、菅氏の党への求心力の低下は避けられない状態になっている。
 その菅氏が当選五回で同期の河野太郎氏を担ぐというわけだ。そもそも菅氏と河野氏とは同じ神奈川県連に所属しており、世襲制限を目指す議連(「新しい政治を拓く会」)を作った同志。議連の事実上の中心は菅氏だが、会長は河野氏が務めている。
 そして菅氏は一五日に古賀派を退会し、同時に河野支持を表明している。
「世代交代ということを考えると、やはり河野が一番だ」
 派閥退会の表向きの理由は一応河野支持。
 だが本当の理由は衆院選挙で失敗し、派閥内で地位が低下したことだろう。東大卒の世襲議員で“プリンス” と扱われている谷垣氏が総裁に就任すれば、集団就職組のたたき上げ出身の菅氏が古賀派の中で頭角を現すことはまず不可能になるからだ。
 ただし河野氏にも問題がある。理路整然と発言し、核持込密約疑惑に深く切り込むなど民主党議員も顔負けの能力があるが、群れない性格で仲間がいない。〇六年の総裁選でも出馬しようとしたが、二〇名の推薦人が集まらずに涙を呑んでいる。
 さらに今回は議員数激減で、多数の推薦人を集めにくい状況だ。よって河野氏は八日に党本部で開かれた議員総会で推薦人を一〇名に軽減することを提案したが、賛成少数として却下されている。
 河野氏の他、西村康稔氏も手を挙げた。


西村氏擁立に積極的な
“キングメーカー”森氏

 西村氏は町村派に所属する若手で、兵庫県内の一二ある小選挙区で唯一勝ち残った自民党議員。しかも自民党に超逆風が吹く中、選挙区内で過去最多の得票数を記録している。当選三回の旧通産省元キャリア官僚は、清和会のホープなのだ。
 すでに西村氏は一四日に行なわれた地元紙の取材に対して
「党の立て直しに全力を尽くしたい」
 と、立候補の決意を述べており、一七日の派閥の総会後に再度決意を新たにした。
 町村派の担当記者がこう述べる。
「西村を擁立することには元首相の森喜朗が積極的です。派閥の会長の町村信孝は自分が手を挙げたいんだけど、小選挙区で落ちてしまったものだから、森の意見に反対ができない……」
 西村総裁が誕生すれば、キングメーカーを気取る森氏の影がまたもやチラホラすることは間違いない。
 一度は手を挙げたものの、一七日に出馬を断念したのが、当選四回で四九歳の小野寺五典氏だ。
 小野寺氏は、過去に選挙区で香典セットを配布し、公職選挙法に定める寄付行為禁止違反に問われて辞職したこともある。しかしこの苦い経験が小野寺氏を選挙に強い議員に育てることになったのだ。公民権停止された期間に地元をくまなくまわり、〇三年の衆院選で当選して政界復帰。前回の衆院選でも対抗馬が社民党候補ということもあって、圧倒的多数で勝利したが、総裁選には力が及ばず。
 存亡の危機にあってなお、旧態然を維持する自民党では、総裁選は谷垣氏が最も有利になるだろう。その次がマスコミへの露出度が高く、山本一太氏らが支持する河野氏だろうか。
 しかし谷垣氏は、対抗馬である民主党の小原舞氏の復活当選を許しており、河野氏もまた、勝又恒一郎氏の復活当選を許している。「選挙の論理」からいえば、ライバルの復活当選を許さなかった西村氏の方が “格上”だ。
 二八日に新総裁が選任され、“新生自民党”が始動する。だが歴史の流れを逆行させ、過去の栄光を再び取り戻すことは、いずれの候補が総裁になろうとも不可能だろう。
天城慶・ジャーナリスト


八丈島処理場建設
環境省が説明不十分と
都事務組合に申し入れ


 八丈島の水海山に建設が予定されている一般廃棄物最終処分場の建設に伴う「自然公園法の一部改正、許可基準の特例を定める件」についての意見募集の結果が環境省から発表され、国立公園法の特例が告示された。
 有効件数は八五七件(建設賛成意見二件)。環境省は意見募集を受けて、「東京都島嶼町村一部事務組合」(一組)に計画地の下部に存在する水源汚染についての説明が不十分として住民に説明をする旨の申し入れを一組にした。
 一組の廃棄物対策課の上山課長は「これまで幾度も住民に説明してきた。現在のところ新たな住民説明会などを開催する予定はない」と話した。
 今年一月、八丈町長選で民主党は水海山の最終処分場計画に反対。現町長に対立候補を擁立したが六対四で落選。
「政権が変わったが、具体的な指示は何もない。着工予定は遅れたが、これまで通り準備を進めていく」と同課長。
 今月、処分場建設について島民にアンケート調査を実施した國學院大學環境経済ゼミの菅井益郎教授は「常識的に水源地より高所に処分場を計画するのは考えられない」と話した。
「水海山の緑と水を守る会」の長田隆弘事務局長は「住民が納得する形での説明会の開催を求めて、一組、町に公開質問状の提出を予定している。水源汚染の心配のない場所での処分場建設をこれからも訴え続けていきたい」と話した。守る会では、都議会の建設環境委員会へ陳情書を提出。都議会で多数派を占め、処分場建設に反対した民主党がどのような判断をするのか注目が集まる。
亀山亮・写真家

切り札は「環境」?
国連平和大使が驚いた
都知事のトンデモ答弁


 五輪開催地決定まで一カ月を切った九月、石原慎太郎都知事が「環境五輪」を招致の切り札にし始めた。七日の都議会の所信表明では「環境五輪」を掲げて国際オリンピック委員会(IOC)の高い評価を得たと説明、五輪は環境問題を世界中に発信する絶好の機会とも訴えた。
 だが、各国で植樹イベントや講演活動を続けるポール・コールマン氏(国連・ピース・メッセンジャー)は九月に来日し、「見せかせの環境五輪」と指摘する。
「知事は五輪会場の近くに『海の森』を作ると訴える一方で、東京近郊最大の里山『南山』(稲城市)を破壊するニュータウン開発に都税を投入しています。中国政府も北京五輪で環境を掲げていたが、汚染で黒ずむ川を緑色に染め、岩に緑のペンキを塗っていた。里山破壊をしながら新しい森を作る石原知事も中国と瓜二つ」(ポール氏)。
 ポール氏は五月、南山で植樹イベントを行なった際、「都のオリンピック招致委員会に手紙を書く。ダメならIOCに南山開発の非を訴える」と約束。知事宛に「南山開発は環境五輪と矛盾」と訴える手紙を書いたが、石原知事は「ポール氏など知らない。外国人などどうでもいい」(五月二九日の会見)と無視、「五輪招致にマイナス」という日本人記者の質問には「君は何人か」と逆切れした。
 この答弁に驚いたポール氏は、会見の動画に英語字幕をつけたミニ番組を制作、市民の直訴文なども持ち、IOC本部を訪ねて手渡した。石原知事が同地で五輪招致のプレゼンをした六月中旬のことだ。
「石原知事は外国人に排他的なナショナリスト。世界の人たちが集うオリンピック精神にも反しています。開催地が決定するまで石原知事の正体を国内外に発信していきたい」(ポール氏)。なおポール氏の行動は環境問題に詳しい青山貞一氏(東京都市大学教授)のwebサイト「独立系メディア」に掲載中だ。
横田一・ジャーナリスト

沖縄県企業局が奥間ダム
建設から撤退公表


 沖縄県企業局は一四日、国頭村奥間川に計画されている奥間ダム建設事業(北西部ダム事業計画の一環として、大宜味村の大保ダムとともに一九九三年に告示)からの撤退を公表した。一〇日に行なわれた同局事業再評価委員会において、〇・〇四しか費用対効果のない無駄な公共事業であるとした答申を受けたもの。
 同事業の主体は治水対策を行なう国だが、もともとが水需要予測に基づく計画であり、水道事業を行なう県企業局が撤退すれば、建設の意味はほとんどなくなる。現在のところ国は、治水事業は必要と強調する一方で、事業中止もありうるとの考えを示している。
 美しく多様性に満ちた奥間川流域の自然は、多種多様の野生生物を育み、地域住民に美味しい水と川の恵みを供給してきた。この川を愛し、現在も飲料水として自主管理する地域住民はダム建設のための説明会に応じず、国頭村には昨年、奥間ダム反対を公約に掲げた村長が誕生した。
 一方、次々に建設されるダムによって多くの川が犠牲となる中で、残された最後の清流とも言える奥間川の自然を保全しようと、流域の土地を購入して二〇〇〇年に設立されたNPO法人「奥間川流域保護基金」(会員約七五〇人)は、ナショナルトラスト運動を展開し、地元との連携を進めるとともに、県企業局などダム関係部局とねばり強い交渉・協議を積み重ねてきた。
浦島悦子・フリーライター

「障害者の参政権
有料はおかしい」


 視覚障害者の平等と社会参加の推進を。「手をつなごう全ての視覚障害者全国集会 09年第2回全国統一行動」が一四日、東京で開かれた。
 全国から集まった視覚障害者ら六六人は、厚労省、経産省、総務省、国交省に対し、それぞれ要望書を提出。「障害者自立支援法」の見直しなど、五七項目にわたり、その改善を求めた。
 総務省に対し「参政権」の平等な保障を求めた視覚障害者らは、「一人歩きが困難な視覚障害者の歩行・移動には、常に危険と不安が伴う」とし、京都市が無料で実施している視覚障害者へのガイドヘルプ制度を例に挙げ「自宅から投票所まで案内するヘルパー制度を国の施策として行なうべき。参政権が有料なのはおかしい」と訴えた。
 要請行動に伴って行なわれた勉強会では、障害者自立支援法訴訟全国弁護団事務局長の藤岡毅弁護士が講演した。
 藤岡弁護士は、八月三〇日の衆院選挙で「障害者自立支援法」の廃止をマニフェストに掲げる民主党が圧勝したことは追い風だとしながらも、「新政権がどうするか、まだ不透明。民主党の中に障害者のことを本当に理解している政治家が果たしてどれだけいるのか。官僚政治打破と大風呂敷を広げているが、官僚は長けている」とうわべだけで廃止を掲げていても各論で官僚に負けてしまうのではないかと懸念した。
ゆげたりえ・編集部

ビルマ軍政へ経済制裁を
ジェーン・バーキンさん
が国会議員に訴え


 鳩山新政権が正式発足した前日。一五日の両院議員総会直前に、アムネスティ議員連盟(会長・中川秀直衆院議員)主催で「ビルマ(ミャンマー)の人権状況を考えるラウンドテーブル」が参議院議員会館で開催された。
「ビルマにおいて選挙後、議会が招集されないことは、日本にとっても与野党を超えて……ということを示すために本日は参りました」と冒頭で、江田五月参議院議長が挨拶。中川議連会長の他、福島みずほ社民党党首(現・消費者・少子化対策担当大臣)や千葉景子参議院議員(民主党・現法務相)らが参加した。
 会では、公演のため来日した歌手ジェーン・バーキンさんが特別スピーチを行ない、ビルマ軍政下で自宅軟禁されているアウンサンスーチーさんの釈放を訴えた。バーキンさんは「彼女はとてもfunny(素晴らしい)」とスーチーさんと会った時のエピソードを披露し、「彼女がいなくなったら、誰もビルマのことを本気で考えなくなるでしょう。彼女は自分のことよりも、ビルマ軍政下で生活する国民のことを考えている。だから彼女はビルマから離れない」とスーチーさんの身を案じた。
 また、「ビルマ軍政への経済制裁は意味のあること」と発足した日本の新政権に対しての希望を述べた。
ゆげたりえ・編集部

まずは母子加算復活を!!
緊急院内集会に一七〇人


 生活保護世帯に対する母子加算復活の一刻も早い実現を。NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」や「反貧困ネットワーク」らが一七日、東京の参院議員会館で緊急集会「早くしてよ! 母子加算復活 他にもあるよ。児童扶養手当、老齢加算、通院移送費……」を開き、民主、社民、国民新党などの国会議員を含め一七〇人近い参加があった。
 北海道北見市で五歳の子どもを育てる母親は、母子加算が廃止され、さらに生活が苦しくなった現状を語った。
「風呂は週二回から一回に減らし、食事のおかずも私の分を少なくするようになったので、たまに立ちくらみがします。病気で仕事にもつけないが、子どもに安心して中学、高校に行かせたい」と母子加算の復活を訴えた。
 母子加算は、生活保護を受ける母子家庭などに一世帯当たり月約二万円が支給されていた。が、今年四月に全廃に。母親らの間で、加算を元に戻す声が高まっている。
 母子加算だけでない。旧政権が「骨太の方針2006」で社会保障費を毎年二二〇〇億円削減する方針を出した前後から、児童扶養手当や老齢加算、通院移送費などが次々と切り縮められてきた。
 反貧困ネットワークの事務局長・湯浅誠さんは、「まずは母子加算の復活をスタートして、一歩一歩広げていってもらいたい」と参加した議員らに呼びかけた。
 母子加算の復活は、連立政権の政策合意に盛り込まれている。新政権に託された責任は大きい。
野村昌二・ジャーナリスト



環境政策が
立派過ぎ
ませんか?
NGO代表に聞く



最近、グリーンピースでは鳩山首相が宣言した温室効果ガス25%削減の国際公約実現を応援しようというサイバーアクションを行ない、全世界からの応援メッセージを提出したところです。マニフェスト上、環境政策は自公政権から比べて遥かに前進したと思います。世界的に見ても合格点です。ただ、原子力政策が “ネック” になるでしょう。マニフェストにも「原子力利用について着実に取り組む」とあり、電力業界からの圧力をどれだけ押さえることができるか。自公政権は経営側との繋がりが強く身動きとれませんでしたが、民主党は労組との繋がりがあります。一方、たとえば平野博文官房長官は元松下電器(現パナソニック)で、電機労連出身ですね。松下はグリーンピースとの協働でノンフロン冷蔵庫の商品化を進めた経験もあり、電機業界はむしろ環境対策に積極的です。小沢鋭仁環境相については、環境面でこれまでの実績が見えないので何とも……。グリーンピースは、自然エネルギーと省エネだけで温室効果ガスの25%削減が可能なことを示していますし、大胆な自然エネルギーシフトによって全世界で800万人の雇用創出が可能とのレポートも発表しました。新政権には、掲げた目標の中身の具体化にあたり、NPO・NGOとの「共働」を呼びかけていきたいです。期待しつつ見守り、そして監視する……是々非々の姿勢ですね。政権交代によって光が射し、新しい風が流れ込む余地が生まれたと思います。(談)

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
事務局長
星川 淳



ジェンダー




【政府】鳩山新内閣に民法改正推進派の女性2人が入閣 9月16日
 民主党の鳩山由紀夫衆議院議員が16日、内閣総理大臣に指名され、組閣を行なった。女性の閣僚としては、法務大臣に千葉景子参議院議員が、消費者行政、食品安全、少子化対策、男女共同参画担当の内閣府特命大臣に福島みずほ参議院議員が就任した。女性閣僚の割合は約11%と衆議院の女性割合と同様に低いが、2大臣は民法改正をはじめ男女平等に積極的に取り組んできたことから、これらの施策が迅速に進むものと期待される。
 新閣僚記者会見で福島氏は「女性や男性が子育てで苦労をしている社会を全力で変えていきたい。ワーク・ライフ・バランスの実現も必要。子ども手当も大事だが、保育園や学童クラブといった子育てのためのインフラ整備をしっかりやっていく。男女平等を担当することにやりがいと誇りを感じている。女性の労働条件を変えていくこと、意思決定の場への女性の登用、女性の貧困もきちっと解決をしていく。先日、女性差別撤廃委員会から日本政府に対して勧告が出たので、その一つ一つを精査して解決をしていく」と、多岐にわたり抱負を語った。
 また、千葉氏は「人権侵害救済機関を内閣府の外局に設置し、個人通報制度を含めた各種人権条約の選択議定書の批准を進めていきたい。国際人権基準に基づいて、国際的に日本が積極的だと発信できたらと思う」と、法務大臣としては画期的な発言を行なった。


【裁判】被害者証言に疑問と強かん事件無罪判決 9月14日
 静岡地裁で14日、強かん罪事件の判決公判があり、長谷川憲一裁判長は、自動車内で激しく抵抗したとする被害女性の証言に対し、「無理やり脱がせれば大きなほころびができるだろうが、女性のストッキングにそれは無かった。女性を抑圧してまで行ったことなのか証明できず、証言には合理的な疑いが残る」などとして無罪とした(『毎日新聞』9/15他)。山本寛弁護士は「基本的には納得のいく判決。行動を抑圧した事実はなかった」とし、静岡地検の中原亮一次席検事は「主張が認められなかったことは遺憾。判決内容を精査して、控訴の要否について適切に対応したい」とのコメントを発表した(『中日新聞』9/15)。


【インフォメーション】
◆10月3日(土)13:00~17:00▼パネルディスカッション「ポルノ被害と女性・子どもの人権」▼パネリスト:横田千代子、中里見博、他▼会場:立教大学池袋校舎8号館8201教室(JR池袋駅他)▼参加費:1000円▼問い合わせ:ポルノ被害と性暴力を考える会(ファクス :024-548-8324)
協力/mネット・民法改正情報ネットワーク、現田正義



国際短信



イラク
傭兵部隊が
米軍に代わって大量配置


「2011年末までの米軍撤退」という公約の裏で、オバマ大統領は正規の米兵の代わりに民間の傭兵を大量にイラクへ投入し、「撤退」をカムフラージュする計画だ。
 イラクの多国籍軍司令部は9月1日、5つの傭兵会社(警備会社)に対し、今後2年間で4億8500万ドルを支給する契約を締結。2007年の契約額は2億5300万ドルであり、急上昇しているのが分かる。9月までの3カ月間を見ると、契約件数が19%も上昇している。傭兵の任務は主要基地の警備が多く、400人の軍隊が遂行しているこうした任務を、900人の傭兵が代行する割合だ。
 オバマ大統領は「撤退」するのは「戦闘部隊」だとして、引き続きイラクで作戦に当たる「残留部隊」については言及を避けているが、仮に「戦闘部隊」が撤退したとしても、多くの傭兵を維持するために膨大な予算が必要となるのは必至で、米国政府の推計では将来約10億ドルに達すると予測している。
 米中央軍の発表ではこの6月末の時点でこうした傭兵の数は1万3232人にのぼるが、うち60%がイラクやアフリカの第三国の出身者で占められる。それでも、各傭兵会社は国務省や国防総省など米国の政府機関と契約を結んでおり、実質的に米軍の「2011年」以降の軍事占領という任務を担うことは間違いない。「撤退」によって、米軍のイラクを半永久的に占領する方針が変わると考えるのは幻想だ。
編集部

スウェーデン
「現代のナチス」が、
イケアやボルボを目の敵に


 スウェーデンを代表する国際的ブランドである家具のイケアや乗用車のボルボ、衣料品のH&Mといった商品が、現在イスラエルをはじめ、米国のユダヤ系極右による購入ボイコットの呼びかけの対象になっている。
 事の発端はスウェーデンの有力紙『アフトンブラーデット』紙が8月に2度にわたり、イスラエル軍がガザやヨルダン川西岸でパレスチナ人の遺体から臓器を抜き取り、売買していると報じたこと。同紙はその例として、臓器が抜き取られたためにその傷跡が残っているという遺体の写真を掲載した。
 これに対しイスラエル政府は、同紙のみならずスウェーデン政府も非難し始め、「記事に対する批判声明を発表せよ」と要求。だがスウェーデン側は、「政府は関知しない。言論の自由は擁護されるべきで、メディアの書いた記事について政府はいちいちコメントしない」と突っぱねた。
 ところが、こうした政府としては常識的な対応を不満とするイスラエル人が中心となって、世界のユダヤ人に「反ユダヤ主義の記事に対し、スウェーデン政府が謝罪を拒否した」などとしてインターネット上で同国の製品をボイコットせよと主張する「署名運動」を開始。さらに米国では現在、イスラエルロビーを中心とした極右ユダヤ系団体が『アフトンブラーデット』紙の編集長を「ナチス」呼ばわりしたり、スウェーデンを「反ユダヤ主義の温床」などと批判するキャンペーンを展開している。
 スウェーデン製品はイスラエルでも人気があるが、各社が世界市場でどの程度損失を出しているかは不明だ。だが「臓器摘出」の事実関係は別にして、昨年から今年にかけてのガザにおける無差別住民虐殺に示されるようにパレスチナ人に「ナチス」そのものの弾圧を加え続けながら、批判されるとすぐに過去の「ナチスによる迫害」を持ち出すイスラエルのやり方は、使い古された常套手段。ボイコットされるべきは、イスラエル製品だ。
編集部



今週の裁判予定




協力/NPJ


9月29日(火)
国鉄闘争勝利! 対鉄道運輸機構訴訟
15:00~ 東京高裁 101号法廷 ※傍聴券配布
事件内容:国鉄民営化の際の組合差別に対し、国労闘争団と遺族らが、慰謝料、謝罪文等を求めた訴訟期日内容:第5回口頭弁論
川崎中国人研修生事件~研修時代の残業時給は500円
10:00~ 横浜地裁川崎支部 ※報告集会あり
事件内容:㈱伊藤工業が、同社の中国人技能実習生に対し、賃金支払債務がないことを確認した訴訟。これに対し、実習生らは原告に対し反訴した
期日内容:被告(反訴原告)本人尋問


10月1日(木)
横須賀強盗殺人米兵事件
10:30~ 東京高裁 808号法廷 ※報告集会あり
事件内容:米兵に殺害された女性の遺族が、加害米兵と、国に対して起こした損害賠償請求訴訟
期日内容:控訴人と代理人弁護士による意見陳述


10月2日(金)
中国人実習生強制労働事件
13:20~ 熊本地裁 101号法廷 ※傍聴抽選の可能性あり。12:30~裁判所門前集会。報告集会あり
事件内容:縫製工場に派遣され、奴隷的労働を強いられた外国人実習生が、未払い賃金と不法行為に基づく損害賠償を請求した訴訟
期日内容:結審
中国人農業実習生訴訟(熊本第2次訴訟)
14:00~ 熊本地裁 101号法廷 ※報告集会あり
事件内容:最低賃金以下の給与での労働を強いられた中国人女性らが、慰謝料などを求めた訴訟
期日内容:被告に対する証人尋問


詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

一覧に戻る


編集長ブログ

北村肇編集長のコラム「一筆不乱」を公開しています。

きんようブログ

社員エッセイを掲載。あの記事の裏話も読めるかも!?

おしらせブログ

購読中の方や書店様向け情報からニュース続報も掲載。イベントの動画や音声も楽しめます。

新刊のご案内

『新・買ってはいけない⑦』

著者:垣田達哉・境野米子・渡辺雄二 著

『新・買ってはいけない⑦』

食品や日用雑貨をはじめ、美白化粧品、育毛剤、サプリメント、インフルエンザ予防グッズなど気になる商品を実名で検証する。シリ...


『貧困なる精神V集』
「戸が閉まります、お気をつけ下さい」

著者:本多勝一 著

『貧困なる精神V集』

「公共事業に勝った村と負けた村」ほか、著者の約20年にわたる記事やインタビューを収録。 硬派ジャーナリストの痛烈な批判...


『めぐりくる春』

著者:梁石日

『めぐりくる春』

「慰安婦」問題を初めて正面から扱った小説。 戦時下の一人の女性・淳花(スンファ)の人生を、生々しい筆致で描く。 蹂躙...


『左翼・右翼がわかる!』
天皇制・西郷隆盛・三島由紀夫・日蓮・宮沢賢治・大本・オウム真理教・軍隊

著者:佐高信・鈴木邦男著

『左翼・右翼がわかる!』

左翼と右翼の源流から現在まで。 歴史的な重要人物・事件などを縦横無尽に語る。 「対立」「共感」「爆笑」「苦笑」…… ...