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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2009/9/18)

頭が鳩でも中身は“小沢”
権力集中政治の幕開けか


 一六日に正式に鳩山政権が発足した。鳩山一郎元首相を祖父に持つ鳩山由紀夫氏にとって、念願だった首相の座だ。しかしその前途は必ずしも明るいものとはいえない。
 まずは次々に発覚する新人議員たちのスキャンダル。当選直後に石川二区で森喜朗元首相を追い詰めた田中美絵子氏に風俗ライター歴やヌードでの映画出演歴が明らかになった。さらに帝京大学短期大学在学中に、禁止されているエジプトのピラミッドに密かに登り、現地の警察に逮捕されたことも発覚している。
 さらに一二日には近畿ブロック四八位で当選した渡辺義彦氏が、今年三月に自己破産していたことが報道された。
「果たして民主党は新人候補の身体検査をしているのか?」
 相次ぐスキャンダルに、そういう疑問があちこちで囁かれた。だが民主党にしても、身体検査を怠っていたわけではない。


身体検査漏れ議員は
小沢一郎氏直系



 たとえば近畿ブロックでは重複立候補者も含め、合計五〇名を擁立した。ところが公示日直前、事前に予想された以上に公明党の公認候補が弱く、もう数議席を獲得しそうだと判明したのだ。
「あと数人、とりあえず立てよう」
「いや、今からでは身体検査が間に合わない」
 身体検査なしで当選してしまった場合、事後にどんな問題が発覚するかわからない。その危険を避けるために、結果的に候補者が不足した二議席を自民党と公明党に明け渡すことになったのだ。
 ところがあってはならない検査漏れが存在した。しかもその一人である渡辺氏は元自由党の候補者、すなわち小沢一郎氏の直系だったのである。
 しかし自ら指揮した衆院選で大勝し、巨大政権与党の次期幹事長に就任が決まった小沢氏はこれしきにはびくともしない。自分が選挙を教えた新人議員には一五日の研修会及び両院議員総会まで上京を禁止し、マスコミと接触しないように箝口令をしいた。多少の問題は黙認で押し切るつもりだ。
 そんな小沢氏が掌握したのは、鳩山氏があらかじめ約束した党内と国会内の人事にとどまらない。一四日午後には鳩山由紀夫代表と会い、組閣人事を最終的にチェックしている。
 そればかりではない。
「各大臣の政務秘書官は、民主党本部から派遣されるそうだ」(永田町関係者)
 以前なら、各大臣の政務秘書官には大臣の家族あるいは側近の秘書など身近な人間が任命された。だが党本部からの派遣となると、大臣と秘書官の間の距離は大きくなる。というより、秘書官は大臣の「お目付け役」という役割を果たすことになるはずだ。鳴り物入りで創設された国家戦略局のスタッフも、民主党本部から派遣されるという話だ。となれば、この人選にも当然小沢氏のチェックが入っているはずだ。すなわち発足したばかりの民主党政権とは、表面だけ鳩山氏を頭にいただくだけで、その中身は一〇〇パーセント以上の小沢政権。戦時を除いて日本がこれまで経験したことのない権力集中政治が始まったのである。
 英国の歴史学者であるアクトン氏が述べるように、「絶対的権力は必ず腐敗する」というならば、その腐敗臭はすでに漂い始めているはずだ。岡田克也氏らがこれに気付いている様子なのだが、念願だった政権を獲得したばかりの彼らにこれを覆すほどの勇気はない。


パッとしない自民と
再生公明党



 一方、衆院議員の数が三分の一に激減した自民党だが、敗戦の深い後遺症から立ち直れないでいる。
 中でも悲惨なのは、なんとか生き残った議員たちの秘書だ。今回の衆院選で自分の非力さを痛感したかつての有力議員たちが地元重視に転向し、永田町の議院会館勤務の公設秘書を解雇し始めたのだ。
「東京の議院会館に秘書を置いていても地元に一票にもならないと、会館勤務の公設秘書を解雇し始めました。そしてその分の給与を、地元の秘書の給与に使い始めたのです。地方は東京より給与水準が低いので、いい人材を集められます。中には公設秘書二人分の給与で、三人の秘書を雇おうとしている議員もいるそうです」(永田町関係者)
 実質的な給与ピンはねである。だがこのような状態では、党の再生が望めるはずもなく、一八日に告示され二八日に実施される自民党総裁選もぱっとしない。
 国会議員の人数がおおよそ半減したというのにいまだ頑なに「立候補には二〇名の推薦者が必要」というルールを変更できないでいるのだから、自民党が斬新な人事ができるはずがない。しかも「総理になれない総裁なんて、何の魅力もありゃしない」とばかりに、石原伸晃氏や小池百合子氏らが早々に不出馬を宣言。自民党はいったいどこまで転げ落ちるのだろうか。
 もちろん敗北を機に再生を期する政党もある。八つの小選挙区で全滅し、比例区で二議席減らした公明党だ。
 落選した太田昭宏代表、北側一雄幹事長が責任をとって辞任したため、公明党は八日の全国代表者会議で山口那津男新代表を承認した。そして早速山口氏は、政調会長だった井上義久氏を幹事長、環境相だった斉藤鉄夫氏を政調会長に任命している。
 新代表の山口氏は現在参院議員だが、元は東京一七区を地盤とする衆院議員。一九九六年と二〇〇〇年の衆院選で平沢勝栄氏と対決して敗れている。すなわち公明党内の“アンチ自民党の隠し玉”という存在。そんな山口氏の代表就任は、公明党の方針転換を意味している。しかし……。
 七日に公明党本部で開かれた常任役員会。山口氏が準備した新代表の声明文を発表すると、一部の議員から異論が出た。
「これまで自公連立で共にやってきたことを否定するつもりか!」
 自公連立の一〇年間は、神崎武法氏と太田氏という、創価学会のホープがトップに君臨した時代だった。これに対して山口氏の経歴は若い頃から注目を浴びたこの二人とは異なる。
 だが東大卒の弁護士で、都会的雰囲気の漂う山口氏は、「池田大作創価学会名誉会長のお気に入り」(公明党関係者)である。その証拠に、二〇〇〇年の衆院選で落選した山口氏は翌年の参院選で東京選挙区に立候補して当選。現職の魚住裕一郎氏を比例区に異動させた上での抜擢だった。
 よって方針転換は公明党の支持母体である創価学会のお墨付きがあると考えてよい。早速、山口氏は一二日の千葉市をかわきりに全国行脚を開始し、
「埋没感があった」
 と、一〇年間の自公連立を事実上否定。一四日のロイター通信のインタビューでも、
「現時点では党再建を最優先で臨んでいるところ」
 と答え、
「(自民党への)協力ありきで臨むとの決断をしていないし、協力しないというかたくなな考えも持っていない」
 と、フリーハンドの立場を明らかにした。
 その上で、
「結果として国民が望む内容であれば、協力することにやぶさかではない」
 と、来年の参院選を見越してか、微妙に民主党との連携にも含みを残した。さすが議席数を減らしても、権力の匂いのするところに近寄りたがる公明党のDNAは健在なり……。
 特別国会は一八日に事実上閉会し、次期臨時国会が始まるのは一〇月下旬になる予定だ。そしてこの時から新しい政治が本格的に始動し始めるわけだが、これが日本の終わりの始まりにならないことだけは祈りたい。
天城慶・ジャーナリスト


鳩山新政権に期待も
辺野古米軍基地建設
反対デモが東京で


「沖縄に基地はいらない ジュゴンの行進!」(辺野古への基地建設を許さない実行委員会主催)が一二日に行なわれた。約一五〇人が参加し、東京・銀座の街をデモ行進した。
 沖縄の普天間飛行場移設にともない同県の辺野古に米軍基地を建設する計画に対し、現地では、根強い反対運動が続いている。建設予定地での座り込みは、この日で一九七三日に達した。
 新連立政権発足に際して民主・社民・国民新党の三党合意で、「沖縄県民の負担軽減」や日米地位協定、米軍基地問題については改定の「提起」や「見直しの方向」を明記した。玉虫色、トーンダウンとの批判はあるものの、当日の集会参加者からは「自公政権とは明らかに違う」という声も多く聞かれた。
 土曜日の銀座とあって、多くの通行人がビラを受け取り、用意した枚数はすべて配りきった。主催者は、「政権が変わったことは大きく、この秋に何度も集会やデモなどのアクションを起こし、基地問題を知らない人にできるだけ知らせよう」と呼びかけた。
 さらに実行委員会は、(1)辺野古への基地建設中止、(2)環境アセスメントの中止もしくはやり直し、(3)普天間飛行場即時閉鎖、を柱にした決議書を総理・外務・防衛・環境の各大臣に提出する予定だ。
林克明・ジャーナリスト

子どもが楽しい
卒業式より
指導要領の遵守


 二〇〇六年三月の卒業式で、東京の小学校ではただ一人、“君が代”時、不起立を貫いた教諭が都教育委員会に“戒告処分”され、“処分”撤回を求めている。その裁判がこのたび、東京地裁で開かれ、都教委派遣の二市の教委の現・元指導室長二名が、子どもより国家を重視する思想を持っている事実が露呈した。
 都教委の10・23通達発出当時、東大和市教委指導室長だった伊藤昇・台東区立柏葉中校長(五七歳)は、「〇三年五月二六日の『産経新聞』に“東大和市立の学校は卒業式等で国旗の舞台正面掲揚が一校もない”と出たのがきっかけで、同年六月・九月・一一月に通知を、〇四年一月に通達を発した」と、再三、“日の丸・君が代”を強制した事実を認めた。また伊藤氏は「卒業・入学式の国旗国歌実施では、校長の裁量権はない」と明言した。
 10・23通達以前、会場内に自分たちの作品等を飾れたフロアー形式の卒業式を、児童たちが「思い出。楽しかった」とアルバムに明記している証拠書類を示された伊藤氏は、「指導要領違反だ」と明言。 東大和市立第四小の小宮山郁子校長(当時、五三歳、現狛江市教委指導室長)も、「舞台壇上正面にスペースがあっても、児童の作品を飾るのは指導要領違反。厳粛な式典実施には国旗と市旗だけを掲揚することが重要」と述べた。
永野厚男・教育ライター

“活動家”の微罪逮捕は
行き過ぎと東京高裁判決


 運転免許証更新の際に、かつて住んでいた実家の住所で申請したことが「免状等不実記載罪」にあたると〇六年一〇月、神奈川県警に逮捕されたフリー編集者Aさん(五〇歳)らが、県と国を相手取り損害賠償を求めた裁判の控訴審判決が九日、東京高裁であった。民事八二〇号法廷の鈴木健太裁判長は、一審と同様に捜査の行き過ぎを認め、被告神奈川県の控訴を棄却する、原告勝利の判決を言い渡した。
 一審二審を通じ、被告神奈川県警は一貫してAさんの所属する新左翼団体の「暴力性」を演出。今なお「武装闘争路線を堅持している」と繰り返し、強制捜査の必要を強調した。その最大の根拠に使われたのが一九七八年、成田空港の開港予定日の四日前に起きた「管制塔占拠事件」である。
 原告側は、「実家も自宅も住所」と「住所複数論」を展開。またAさんが逃げも隠れもしない「公然活動家」として、規則正しい生活を送っていることを指摘。一〇日間の勾留や関係施設への大規模家宅捜索の違法性を訴えていた。
 原告代理人の川村理弁護士は「この種の事件での国賠訴訟もめずらしいが、勝つことはさらに異例」と評価した。
「麻生邸見学ツアー事件」や「人気アイドル泥酔事件」に端的な微罪・別件逮捕、過剰捜査の数々。治安弾圧の嵐が吹き荒れるなか、今回の判決が、公安警察の暴走に歯止めをかける結果になるか。
 神奈川県は一五日、上告を断念、原告の勝訴が確定した。
横山隆英・フォトライター

民主党鳩山代表の
“金庫番”が急死


 民主党が大勝し、政権与党となることが確実になった衆院選投開票日前日の八月二九日。同党の鳩山由紀夫代表の会計監査役を務めていた税理士の花田順正さんが、心臓発作で急死していたことが分かった(享年六五)。
 民主党が前原誠司代表時代の二〇〇五年と二〇〇六年に作成した「収支報告書に関する調査報告書」によれば、花田さんは生前、少なくとも〇四年と〇五年の二年にわたり、鳩山氏の会計監査を担当。
 他方、この二年間は、鳩山代表が自らの政治資金管理団体「友愛政経懇話会」の収支報告書に、既に亡くなっていた人、実際には献金していなかった人の名前を個人献金者として掲載(四年間で一九三件、総額二一七七万円)し責任を問われている期間にも重複していた。
 この「故人献金」についての鳩山代表の説明は、「公設秘書が資金集めの実績水増しのためにした」というもの。すでに報告書を訂正するとともに秘書を解任し、「党ではなく個人の問題」としていたが、東京地検特捜部では選挙後に捜査に着手とも伝えられていた(八月三一日付『読売新聞」)。
 花田さんが亡くなったことにより、この捜査の鍵を握る重要関係者が一人、いなくなったことになる。
 なお、鳩山由紀夫事務所では花田さんの死去について、「責任者不在で回答できない」(本稿入稿時点)と述べている。
古川琢也・ルポライター

札幌住基ネット訴訟
控訴団が指摘した
住基ネットの民間“解禁”


 民主党は「消えた年金」問題対策として「年金通帳」導入を公約したが、果たして新政権は、国民全員をデジタル管理する“国民総背番号制”の誘惑に抗しきれるだろうか。
 一一日、札幌高裁で開かれた住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)差止訴訟控訴審の傍聴席で、こんなことを考えさせられた。
 この裁判は、北海道在住の一五人が「プライバシーを侵害する住基ネットは違憲」として、政府と道庁、住基ネット運営にあたる(財)地方自治情報センターに対し、自分たちの情報のデータベースからの削除などを求めている。
 この日の弁論で控訴団は、国民一人一人に付与された固有の「住民票コード」を使えば、政府機関や地方自治体などが現有する膨大な個人情報データベースの中から、特定個人の情報をいっぺんに数珠つなぎにする「データマッチング」が可能だ、と主張。
 前政権時代から政府が導入を目指しているデジタル方式の「社会保障カード」や「納税者番号制」では、国民を識別するのに住民票コードの“有効活用”が有力視されている。控訴団は「これらの制度が実現すれば、民間病院や企業も住民票コードを利用し始め、住基ネットの民間利用が解禁される」と指摘した。
「個人にとって著しい脅威となるデータマッチング」に違憲性があることは一審も認めている。住基ネットの民間利用が解禁されれば、ネットへのアクセス数は飛躍的に増え、危険度は一気に高まる。
 それを未然に防げるかどうか。控訴審は次回一一月六日で結審する予定。
平田剛士・フリーランス記者


中国電力の
原発建設強行に
抗議の海上阻止行動


 山口県上関町の原発建設計画で、海の埋め立てに着手しようとする中国電力に対し、「上関原発を建てさせない祝島島民の会」(山戸貞夫代表)らによる海上阻止行動が一〇日から続いている。山口県外では報道量が少ないため、「緊急報告!!正念場を迎える祝島
・反原発運動の現在」と題した緊急集会(『DAYS JAPAN』など主催、『週刊金曜日』など賛同)が一九日午後六時半から東京・明治大学駿河台キャンパスのリバティタワー一〇二一号室で開かれる。報告者は、フォトジャーナリストの広河隆一氏。
 埋め立て面積は原発建設計画地約三三万平方メートルのうち約一四万平方メートル。計画地は、漁業が盛んな祝島集落の真正面にあたり、住民らは漁業や自然環境への影響を懸念している。一〇日は早朝から、岸壁前に漁船約三〇隻やシーカヤックが集まり、作業用台船の接岸を阻み続けた。岸壁の陸側でも住民ら約六〇人が座り込みを続けている。
 緊急集会の申し込みは、『デイズジャパン』企画室(メールアドレス kikaku@daysjapan.net ファクス 03・3322・0353)。
伊田浩之・編集部

西日本初の裁判員裁判は
厳罰傾向とは逆の判決に


 西日本初の裁判員裁判が九月七日から九日の三日間、神戸地裁で開かれた。被告人は、七四歳の父親を灰皿で殴って怪我をさせ自殺を図った四〇歳の男性。殺人未遂罪で起訴された。求刑五年だが、焦点は執行猶予が付くかどうか。判決は懲役三年、執行猶予四年で、厳罰傾向の新制度は逆に働いた。
 東尾龍一裁判長は裁判員による被告人質問の直前、「休憩」と称して裁判員たちを引き連れ法廷から消えた。三〇分以上経って現れると裁判員に目配せして質問を開始させた。仕事のない被告が父親の縁故で紹介された仕事を拒否したことを「甘えているとは思いませんか」などと問うた女性は判決後の会見で「こういう質問しようかと思いますが……と聞くと、裁判長にいいんではないですかと言われた」と打ち明け、質問の事前擦り合わせの存在を匂わせた。
 裁判員制度は結審後に職業裁判官と市民裁判員が有罪か無罪、さらに量刑を「評議」する制度であり、裁判員の質問内容を裁判官が事前チェックする制度ではない。東京・足立区の殺人事件公判でも裁判員の質問の直前に裁判長が彼らと退廷していたが、すべて傍聴人の目前で進めるべきだ。
 始まったばかりの裁判員裁判は軒並、肯定評価され、中でも裁判員を妙に高く評価する識者コメントが目立つ。神戸地裁で裁判員に選ばれた男性は「私は乱数表に強いのかと思った。でも乱数表にしては、私は別として裁判員さんたちは民度の高い人ばかりだと思った」と話した。マスコミ注視の新制度スタート。本当に「籤」で選んだのかも疑わしい。
粟野仁雄・ジャーナリスト


ジェンダー



【性暴力】京都教育大学に新学長 9月9日
 学生による集団強かん事件への不適切な対応が問題になっていた京都教育大学で8日、学長選考会議が開かれ、新学長に同大学名誉教授の位藤紀美子びわこ学院大教授が選ばれた(寺田光世前学長は8月末で退任)。任期は、10月1日から4年間。
 位藤新学長は、「このような不祥事を教員を養成する京都教育大の学生が起こしたことは遺憾の極み。二度と不祥事を招かないよう全学の先頭に立ち、再発防止策を着実に実施し軌道に乗せることが第一と考えている」(『京都新聞』9/9)などとコメント。同大学はすでに、「学生の不祥事に関する特別対策委員会」が取りまとめた「京都教育大学学生の不祥事に係る報告書」の概要などを、大学ウェブサイトに掲示している(URL 

http://www.kyokyo-u.ac.jp/KOUHOU/topics/0806houkoku.pdf

)。


【裁判員制度】北海道初の裁判員裁判、性犯罪の可能性 9月11日
 北海道での裁判員裁判の対象事件の公判日程が10日判明し、道内初の裁判員裁判が性犯罪になる可能性は高いことがわかった(『毎日新聞』北海道版9/11)。
 該当事件は、28歳の被告が札幌市内で3、4月に起こした強制わいせつ致傷事件で、11月17~20日に審理予定。被告弁護人の中村浩士弁護士は、「何が被害者の二次被害になるのか気をつけなければならない。言動を慎重に選びたい」と述べ、札幌地検の米村俊郎次席検事は「被害者のプライバシーと心情を十分に尊重した法廷活動を行なう。二次被害の出ないように配慮したい」とし、青森地検の方法をほぼ踏襲する方針を示したが、被害者本人の意見陳述は、現時点では「流動的な面がある」とも述べた。札幌地裁も「被害者保護の観点から可能な限り、選任方法を工夫する」としている。
 他方、NPO法人「女のスペース・おん」の近藤恵子代表理事は「市民が性犯罪と向き合うことで被害の深刻さを認識することは大切」としつつも、青森地裁で行なわれた被害者の意見陳述について、「本人の肉声を流す必要はない。初公判までに札幌地裁へ申し入れたい。『性犯罪は裁判員裁判の対象だから』と被害者が告訴をためらうことにつながってはならない」と訴えた。


【選択議定書】批准を求める要望書提出
9月15日
 16日に誕生する新政権に対し、女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める要望書を「ワーキング・ウィメンズ・ネットワーク」など215の団体が15日、連名で提出した。今月23日から始まる第64回国連総会一般討議で、新首相が選択議定書批准の意思を表明するよう求めている。

協力/現田正義


国際短信



イラン
IAEA事務局長が
「イラン核武装」のデマを批判


 今年の11月で任期が切れる国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ事務局長はこのほどロイター通信のインタビューに応じ、米国の一部やイスラエルが主張している「イランの核武装」について「確たる証拠がない」と強く批判した。
 この中でエルバラダイ事務局長は、「多くの人々はイランの核開発計画が世界にとって最も大きな脅威だなどと主張しているが、私の見解ではそうした危機は誇大宣伝のだまかしだ」と指摘。また「明日にでも(イランの核兵器に)直面するだろうとか、イランが核兵器を持つといった考えは、IAEAがこれまで見てきたように事実の裏付けがない」として、米国のオバマ大統領に対しイランとの直接対話が緊急であると提案した。
 その米国では2007年に、各諜報機関が合同で作成する国家情報評価で「2003年にイランは核開発計画を放棄した」と明記。ゲイツ国防長官もこの9月11日、イランの核施設に対する攻撃については「一時的な解決にしかならない」として、現時点では米軍による攻撃の意思はないと強調した。だがその一方で米国内では「核開発」を口実に、イラク戦争前のデマに満ちた「フセインの大量破壊兵器」宣伝を思わせるようなユダヤロビーや右派、『ニューヨーク・タイムズ』などイスラエル寄りの御用メディアが一体となった軍事攻撃の扇動も含む反イランキャンペーンが大規模に展開されている。
 9月10日には、「米国・イスラエル公共問題委員会」(AIPAC)をはじめとするユダヤロビーの活動家がワシントンに数百人が結集し、上下両院の各議員に猛烈なロビー活動を展開。イランに対し、精油所施設の不足から4割近く輸入に頼っているガソリンなど石油精製品の禁輸措置を実行するための法案を可決するよう求めた。さらに、デニス・ロス国家安全保障会議イラン政策顧問とリチャード・ホルブロック国務省アフガニスタン・パキスタン特別大使が共同設立者に名前を連ねている「反イラン核武装連合」(UANI)は9月に入って、テレビで「イランの核武装を阻止するための経済制裁」を求めるCMを流している。
 こうした動きに歩調を合わせるように、『ニューヨーク・タイムズ』紙は9月10日付の1面で、「諜報筋」の情報として「イランは核兵器を早く、全力を注入して作れるよう充分な核燃料を製造した」と報じた。だが肝心のいつになったら「核兵器」ができるのかという「情報」には触れていないという、お粗末な内容だ。さらに『ウォールストリート・ジャーナル』もこの間、「軍事攻撃は選択肢だ」とする退役軍人や、「制裁強化よりも軍事攻撃を」と主張するジョン・ボルトン元国連大使の論文を掲載し、戦争熱を煽っている。
 一方、イランと異なって核拡散防止条約(NPT)にも加盟しないまま秘密裏に核弾頭を推定100~200発も製造・保有して米国をはじめ国際社会から何の制裁措置も受けないイスラエルも、極右リクード政権が好戦的な姿勢を強めている。ベンジャミン・ネタニヤフ首相は9月10日にロシアを極秘訪問した際、一部の報道では会見したウラジーミル・プーチン大統領に対し、自国が「イランに対し決定的な行動に動く可能性を除外すべきではない」と警告したと伝えている。
 またイスラエルの『ハーレツ』紙は9月12日付で、「対イラン攻撃の時は刻々と迫っている」と題した記事を掲載。「空軍は対イラン攻撃作戦をやり遂げる能力がある」とし、目標が「イランの核武装計画の抹消」ではなく、「計画自体を振り出しに戻させて遅れさせることにある」と指摘し、具体的な戦争準備が着々と進んでいる現実をうかがわせている。
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