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金曜アンテナ
金曜アンテナ(2009/9/11)
小沢一郎幹事長就任で
不機嫌な岡田克也氏
衆院選で民主党が三〇八議席を獲得し、念願の政権交代を実現したまでは良かったが、早々に党内で懸念事態が発生している。小沢一郎氏と岡田克也氏の対立だ。
すでに選挙前、岡田氏に近い人物はこう語っている。
「岡田は幹事長留任を希望していると思う。というのは、彼は小沢に党務を仕切らせたくないからだ。小沢にやらせたらどうなるかわからないと、岡田は思っている」
しかし代表の鳩山由紀夫氏が次期幹事長に選んだのは、岡田氏ではなく小沢氏だった。鳩山氏は三日夜に小沢氏を呼び出し、幹事長就任を要請。小沢氏はすぐさま了承した。しかも、党内人事や国会対策も小沢氏に委ねられることになった。
現幹事長の岡田氏には鳩山氏から電話で連絡があっただけだ。岡田氏は
「わかりました」
と短く答えただけだという。
翌四日、都内ホテルで開かれた民主党、社民党、国民新党の三幹事長級会談で、極めて不機嫌な岡田氏がいた。
この日の会談で議論されたテーマは、「与党協議機関」の設置について。社民党幹事長の重野安正氏と国民新党新代表の亀井静香氏は、自分たちの影響力を担保するために同機関の設置を要求したが、岡田氏はこれを頑として応じようとしなかった。
「政策決定は一元化して閣内でやるのが基本だ」
「与党協議機関」を創設すれば、政策決定が党と政府の二重構造となり、小沢氏の台頭を許しかねない。これでは新進党が崩壊した時の二の舞になりかねない。あの悪夢の再現は、是非とも避けたいことだった。
また岡田氏の持論だった「政権移行チーム」を潰されたのも苦々しい記憶だ。
「政権移行チーム」のベースとなったのは、岡田氏が代表だった二〇〇五年八月に策定した「岡田政権五〇〇日プラン」だ。いわば岡田氏が同チームの「産みの親」というわけだが、鳩山氏もこれに賛同して、早速投票日翌日に官房長官、「国家戦略局」局長、幹事長、国会対策委員長で構成する組織を発足させるつもりだった。
平野官房長官就任にも
垣間見える“小沢色”
ところが選挙直後に雨後のたけのこのように数個の「政権移行チーム」が立ち上がり、勝手に財務省に〇九年度の補正予算の執行状況の報告を求めたり、執行停止を決定するなど混乱が生じた。
こうした「跳ね返り」を小沢氏が好むはずはなく、激怒した小沢氏は早速民主党参院議員会長の輿石東氏に命じてこうした動きを封じこめた。さらに三日、直嶋正行政調会長名で「省庁への資料請求について」というペーパーを民主党各国会議員に配布。こうして「政権移行チーム」構想は完全に潰れることになった。
これは同時に、小沢氏が党内の全権を掌握した証左でもあった。
岡田氏は六日夜のテレビでの討論会で、「閣内に各党の党首クラスが出てきて調整する仕組みを作ろう」と提案した。岡田氏にすれば、これがギリギリの妥協だった。
四日に発表された官房長官人事も、小沢色を色濃く反映していた。官房長官はいわば首相の“女房役” だが、それに内定したのが役員室長の平野博文氏だった。
平野氏の官房長官就任の理由について、永田町関係者はこう述べる。
「実は岡田は官房長官ポストも狙っていた。官邸の記者発表をする官房長官は、いわば内閣の『顔』だからね。次期首相を狙うには、もってこいのポストだ」
一五億円といわれる官房機密費も、この人事とは無縁ではなさそうだ。
「岡田が官房長官では、機密費を自由に使えない。それでは政権にいるうまみがない。地味な平野なら、小沢が操れるのではないか」(同)
そして岡田氏には外相ポストがあてがわれる予定だ。
「しかし祖父・一郎が手がけたロシア問題など、鳩山自身が外交の主要問題をやりたいと思っている。岡田には日米密約問題など、地味で困難な問題がまわってきそうだ」(同)
結局のところ、外相ポストはその重要性と華やかさとは裏腹に、実際には体のいい「岡田の内政外し」ということになるようだ。新政権のあらゆる側面に、小沢氏の意向が垣間見える。
その他の閣僚人事として、菅直人氏の国家戦略局長兼副総理(兼政調会長)、藤井裕久氏の財務相、長妻昭氏の年金担当相などがほぼ確定。また目玉人事として、蓮舫氏の少子化担当相も噂されている。
ただし蓮舫氏の大臣就任については微妙な状況だ。
「彼女は頭がいいし、これから成長するだろう。しかしいかんせん、政治家としてのキャリアが不十分。このまま大臣就任では、どこかで足を引っ張られて潰される可能性がある。大臣就任は来年の参院選で再選されてからだ」(民主党幹部)
また社民党から党首の福島瑞穂氏を、国民新党から亀井静香代表を閣僚に迎える予定だ。目下、福島氏には環境相、亀井氏には法務相への就任が囁かれている。
混乱しながら発足しつつある鳩山政権だが、一方で出口の見えない政党もある。議席数激減でもはや「死に体」となり果てた自民党だ。
次期総裁選で迷走
比例復活組への不満
投票日翌日の八月三一日、自民党総裁の麻生太郎氏が責任をとって辞任を表明。早速次期総裁選を行なうことになったが、これが混乱の原因となっている。一六日に開かれる特別国会の首相指名で、自民党議員は誰に投票するべきかという問題だ。
党の再生という観点なら、新しく選ばれる総裁に一票を投じるべきだろうが、次期総裁選は地方票を重視すべきという声が大きく、一六日までにとうてい間に合わない。では現職の麻生氏に投じることができるかといえば、自民党崩壊の「戦犯」である麻生氏に投票したい者がいるはずはない。
「一八日告示、二八日投票の選挙日程を動かさないでほしい」
四日、梶山弘志氏や小野寺五典氏ら若手議員は、細田博之幹事長に要請した。すでに森喜朗氏や町村信孝氏らが、特別国会開会に間に合うように総裁選日程の前倒しを主張していたが、それでは派閥中心の選挙になりかねず、自民党のイメージアップは望めない。危機感を抱いた若手らは細田氏に迫り、衆院選の総括や党再生を議論する機関の設置を約束させている。
しかしこの混乱に乗じて、主導権掌握を虎視眈々と狙うベテラン陣の動きもある。
七日午後、中川秀直氏や武部勤氏ら反麻生の急先鋒一〇名余りが赤坂宿舎に集まった。
「出席者が一致して行動したい」
そう中川氏が結束を呼びかけたが、まとまることはなかった。
そもそも中川氏も武部氏も小選挙区で敗北した比例復活組。自民党内ではベテランの復活組については批判が多く、
「自民党がここまで敗北したのは幹部連中の責任だ。小選挙区で落選しながら比例復活なんてもってのほか。潔く辞職して後輩に議席を譲るべきだ」
との声があちこちで聞かれたが、当の本人たちの耳には届いていない様子だった。これこそまさに組織の末期状態以外の何ものでもない。
そんな自民党に愛想をつかし、粛々と新執行部を発足させたのが公明党だ。八日に開催された(党大会に代わる)全国代表者会議で、新代表に山口那津男氏、幹事長に井上義久氏、政調会長に斉藤鉄夫氏が任命された。いずれも全国的な知名度はいまひとつで、地味な印象は否めないが、公明党議員は首相指名では山口氏に投じる予定だ。
八月三〇日を境に、永田町の空気は一変した。新政権の誕生は新しい時代の幕開けか、あるいは破滅への入り口か。我々の期待と不安の混じったまなざしの先には、どんな日本の未来があるのだろうか。
天城慶・ジャーナリスト
グーグル書籍デジタル化
著作権法違反で刑事告訴
米国のインターネット検索大手・グーグルが世界中の著作権者に無断で推し進める書籍全文デジタル化問題で、写真家の福田文昭さんらが今月三日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、グーグル米国本社と同日本法人、ミシガン大学、カリフォルニア大学などを著作権法(複製権、公衆送信権)違反と不正競争防止法(不正競争行為)違反の疑いで警視庁に刑事告訴したことを明らかにした。会見には国内外の報道機関およそ二〇社が詰め掛けた。
グーグル社が無断で全文デジタル化していたのは、福田さんの『田中角栄 張込み撮影日誌』(葦書房刊)と、筆者(明石)の『一揆 青森の農民と「核燃」』(築地書館刊、高橋宏氏との共著)。同社ではこれら以外の書籍の全文デジタル化も無断で進めており、その総数は七〇〇万冊にも及んでいるという。権利を侵害された日本の被害者は、作家やジャーナリスト、そして新聞縮刷版をデジタル化された『朝日』、『毎日』の両新聞社など多岐にわたっている。
この著作権侵害事件は現在、米国内で裁判になっており、会見翌日の今月四日、著作権者らが和解案の受諾について意思表示する期限を迎えた。来月七日には和解案への異議などを審査する「公正公聴会」がニューヨーク南部地区連邦地裁で開かれる予定だ。
その公聴会での異議申し立てに比べ、刑事告訴は日本にいながら手軽にでき、差し迫った「期限」もない。日本の著作権法は「刑罰法規」であり、違反すれば逮捕されることもある。二人の告訴状が提出された警視庁では現在、捜査が進められており、グーグル社ではその対応に追われているという。警視庁では今後、著作権法違反行為(書籍の全文デジタルスキャン行為)を実行したグーグル米国本社も捜査する構えだ。
明石昇二郎・ルポライター
米国入国新制度
ESTAでトラブル多発
二〇〇一年の同時多発テロ以降、入国審査を強化する米国政府。国土安全保障省は今年一月から、新たに日本を含む全てのビザ免除プログラム対象国の渡航者に事前にインターネットを通じて渡航認証を取得する電子渡航認証システム(ESTA/エスタ)を義務づけた。日本では年間約三五〇万人が対象となる。
エスタの申請は米国大使館のホームページから無料でできる。しかしグーグルなどの検索サイトにつないで「エスタ」「ESTA」と入力すると「代行業者」を名乗るページが上位に表示される。このため公的な窓口と思い込んで四〇ドルから四五ドルの料金を払ってしまうケースが急増している。一部キャンセルに応じる業者もいるが英文でやりとりしなければならず、「キャンセルしようとしたら、ハングルが表示された」「返金には応じられないと回答された」などのトラブルが頻発している。
外務省関係者も「ホームページでの告知に加え、六月には旅行会社に注意喚起の通達もだしたが、米国の制度なので打つ手はない」と嘆く。
そこで在日米国大使館に尋ねると、レイモンド・ベーカー公使参事官兼総領事は「日本は個人の選択権が認められた自由な国です。私たちは引きつづきエスタは無料であることを広報していきます」と語る。しかし取材に同席した大使館職員は「フィッシング」となんども口にした。フィッシングとは金融機関等の正規ホームページを装い、暗証番号やクレジットカード番号などを詐取するネット詐欺のひとつ。手法は違うが正体不明の相手にクレジット番号等が抜き取られる点は同じ。「渡航の安全」のための制度が新たな詐欺の温床になっているのかもしれない。
瀬下美和・ジャーナリスト
イラク帰還米兵が
日本各地で証言集会
イラクから帰還した米兵二人による証言集会「冬の兵士・日本ツアー」が、九月一六日から二三日まで日本各地で巡回開催される。
昨年三月、米国の「反戦イラク帰還兵の会」は、「冬の兵士」という証言集会をワシントンDC郊外で開いた。約五〇人の帰還兵が、想像を絶する戦場の残虐な実態を告発。今回来日するアダム・コケッシュ元海兵隊軍曹も、「(二〇〇四年四月のファルージャ総攻撃の際)初めは交戦規則を守るよう要求されたが、すぐに不審と思えば誰でも撃ってよいとされ、日没後はあらゆるものを撃つことになった」と証言した。
集会を取材し、同名のドキュメンタリー映画にまとめた田保寿一さんは、「彼らは、イラクで犯した罪に必死に向き合い、証言することで、戦争によって破壊された人間性を取り戻そうとしている。日本も米軍の無差別殺戮を後方支援した。その責任をどうとるのか。彼らの姿から学ぶことは多い」と話す。
今回のツアーには、イラクとアフガニスタンの二つの戦場を体験したリック・レイズ元海兵隊伍長も参加する。「アフガニスタンを再考する帰還兵の会」の中心メンバーでもあり、今年四月の上院外交委員会の公聴会で、「我々は罪のない市民を襲撃・拘束し、彼らを米国の敵に変えている。軍事行動ではなく外交努力をするべきだ」と訴えた。
日本でも今後、アフガニスタンにどう関与していくかが、いっそう問われてくるだろう。それを考える上でも、帰還兵の証言を直接聞ける今回のツアーは、たいへん貴重な機会となるにちがいない。
ツアーの詳細は、URL
http://wintersoldier.web.fc2.com/
布施祐仁・ジャーナリスト
特養「ルミエール」虐待事件
最高裁が公和会の請求棄却
札幌市内の特別養護老人ホーム「ルミエール」を運営する社会福祉法人公和会が、一部介護職員による入居者への虐待を内部告発した二人の女性介護職員や、一連の問題を報道した北海道新聞社、担当記者らを相手取り、虐待は事実無根などとして計一五〇〇万円の損害賠償などを求めていた訴訟で、最高裁はこのほど公和会の上告を不受理とする決定をした。これにより、公和会の請求を棄却した二審札幌高裁の判決が確定した。
一方、この女性職員らが告発後、施設幹部らから嫌がらせや退職強要を受けたとして公和会に計二〇〇万円の賠償を求めた訴訟では、最高裁は双方の主張を聞く弁論を九月一八日に開くこととした。これにより、計二〇〇万円の賠償を命じた高裁判決が見直される可能性が高まった。
告発が行なわれたのは二〇〇四年八月で、公和会による提訴は同年一〇月。筆者は当時、北海道新聞記者として問題を報道、公和会から訴えられた。取材当時、女性職員らは日時や加害者、被害者、虐待の様子を詳細に特定していた上、筆者自身も告発を裏付けるため相当程度の取材を重ねた。今回の司法による最終判断は、虐待の事実や報道の正当性を認めただけでなく、告発者や報道機関に安易に「圧力」をかけることに対する戒めでもある。
ただ、女性職員への賠償決定を大幅に見直すことは、今後、「内部告発したければ嫌がらせも圧力も覚悟して臨むべきだ」との悪しき「前例」ともなりかねない。公益通報者保護法の主旨をみれば、不正の告発者はむしろ積極的に守られるべきであることは言うまでもなく、最高裁の判断が注目される。
藤田和恵・ジャーナリスト
アイヌ墓地“発掘研究”の真相示せ
北大に公開質問書
千数百人分に及ぶアイヌ民族の遺骨標本を、北海道大学医学部はどのように収集したのか――? 北海道留萌市の市民グループ「北大開示文書研究会」(清水裕二・殿平善彦共同代表)が三日、こんな内容の公開質問書を同大に届けたことを明らかにした。
同研究会によると、欧米を中心に「人種学」がもてはやされた時代背景のもと、同学部は昭和初期から中期にかけて、解剖学第二講座の故児玉作左衛門教授を中心に、大量のアイヌ民族人体骨を収集。大半は墓地から掘り出し、収集地点は全道約五〇カ所のほか千島・樺太(サハリン)にも及んだ。その際、遺族の同意なしに発掘(盗掘)したり、副葬品(宝石など)まで持ち去ったケースも少なくなかったという。
同研究会は、アイヌ民族の小川隆吉さん(札幌市在住、七四歳)が昨年、同大に開示請求して入手した計三五点の関連文書を精査。この中には今回初めて公になった同講座による収集リスト「アイヌ民族人体骨発掘台帳」(作成年不明)なども含まれていたが、文書ごとに人数や副葬品数が食い違っていたり、副葬品の多くが所在不明になったりしていることが分かったため、公開質問に踏み切った。
発表会見で、アイヌ民族の清水共同代表は「背景には、研究者による強烈なアイヌ差別観があったと思う」と語った。また和人の殿平共同代表は「アイヌと和人の関係性の歴史に深い影を落とすこの問題を放置したままでは、共に未来を開いていくことなどできない」と話した。質問書への回答期限は九月末。
平田剛士・フリーランス記者
右翼襲撃で負傷者
「靖国」デモ主催者が
抗議声明発表
今年の八月一五日に都内で行なわれた反「靖国」を掲げるデモに対し、かねてから各地で在日アジア人への排外主義を煽っている「在日特権を許さない市民の会」などの右翼が暴力をふるった問題で、デモを主催した「アキヒト天皇制二〇年=『戦争国家で安心安全』を問う八・一五行動実行委員会」はこのほど、抗議と負傷者への救援カンパを呼びかける声明を発表した。
声明では、右翼によるデモ行進中の参加者に対するつきとばしや殴打などに加え、終了後に駅へ向かった参加者に襲いかかり、一人に全治三週間の怪我を負わせた上、今後もこうした暴力行為を続けると宣言していると強く批判。「排外主義・天皇主義右翼によるあらゆる暴力を決して許さない」と宣言している。
カンパの送金先は、郵便振替口座番号 000110―3―4429「ゴメンだ! 共同行動 『8・15行動カンパ』」まで。
成澤宗男・編集部
ジェンダー
【父子手帳】新潟県三条市が作成・配布 9月1日
新潟県三条市教育委員会は、父親の積極的な子育て参加のため、「ENJOY!パパ手帳」を作成し、1日から配布を始めた。B6判サイズで、妊娠期から就学までの子どもの成長に関する必要な情報とわが子の成長の記録、子育て体験者からの応援メッセージ、子どもと遊ぶ日程表の記録等を掲載。配布対象は、9月以降母子手帳の交付を受ける人、マタニティ教室、子育て教室の参加者としている。
同市子育て支援課は、「一般に父子手帳は『家事をしろ』『育児をしろ』といったことの羅列が多い。そうではなく、まずは子育てに関心を持ってほしい」と、説明している(『新潟日報』9/3)。父子手帳は、新潟県内では上越市、弥彦村が(同)、また、東京都、栃木県、神奈川県小田原市などが発行し、配布自治体は広がっている。
【警察】女性への強制採尿に男性警察官同席で争い 9月4日
覚せい剤取締法違反の捜査での令状に基づく強制採尿で、京都府警の男性警察官5人が立ち会い、うち一人が女性警察官を補助してズボンを下げた行為が人権侵害であり、違法捜査で証拠能力がないと京都地裁で争われている。検察側は、事実関係をほぼ認めた上で「女性警察官が立ち会っており問題ない」としている。
女性被告の尿からは覚せい剤反応が検出されたが、使用を否認、弁護側は、7月の初公判で「人格の尊厳を著しく害され、性暴力にも匹敵する恐怖を味わった」などと主張した(『読売新聞』9/4、『毎日新聞』9/5)。
刑事訴訟法は、女性の身体捜索では「成年の女子の立ち会い」を義務づけているが、男性を排除していない。他方最高裁判例は「被疑者の身体の安全と人格の保護のため、十分な配慮」を求めているという(『京都新聞』9/4)。福島至龍谷大法科大学院教授(刑事法)は、「刑訴法ができた60年前は女性警察官がほとんどおらず、人権意識も異なっていたが、現在では問題があり、適法でも不適切な捜査と言える」などと述べている(同)。
【配偶者控除】岡田幹事長が「生き方に国が関与すべきでない」などと発言 9月4日
民主党の岡田克也幹事長は4日の記者会見で、配偶者控除の廃止を「国民的な議論が必要で、来年4月からの話ではない」と、11年度以降に先送りする見通しを示したが、その際、廃止理由の説明として、「専業主婦の生き方、共働きという生き方は個人の問題であり、国が関与すべきでない」(NIKKEI NET9/5)、「専業主婦を優遇している今の税制は是正した方が良いが、国民的な議論が必要」(『読売新聞』9/4)と注目すべき発言を行なった。
協力/現田正義
国際短信
イラク
米軍が秘密に展開した
学者・知識人の絶滅作戦
イラク侵略で米軍が最も力を入れた作戦の一つは、かつて中東随一のレベルを誇ったイラク国内の科学者や技術者、医師、弁護士、教育者といった専門家を根こそぎ抹殺することだった――。こうしたショッキングな事実が、米国で数少ない反イスラエルの左派知識人として知られるニューヨーク州立ビンガムトン大学のジェームス・ペトラス元教授によって告発された。イラクの文明基盤を意図的に破壊するこの恐るべき手口は、米国の狂暴性を如実に示している。以下は、インターネットサイトInformationclearinghouseに掲載された元教授の「イラクへの戦争 文明の破壊」と題した論文の抄訳である。
70年代から80年代にかけて、イラクは宗教や性の差別が廃止された中東最高の大学教育を誇った。首都バグダッドは「アラブ世界のパリ」と呼ばれ、科学技術や医学、人文科学で多くの人材を受け入れ、輩出した。だが2003年3月の侵略以降、米軍はこうした人材を皆殺しにする秘密作戦を開始した。
その結果、占領後の最初の18カ月間で310人のイラク人科学者が殺害された。別の報告では、2005年から2007年までの間に340人以上の知識人・科学者が殺害されている。『パキスタン・デイリー・ニューズ』紙が2008年11月に報じたところでは、バグダッド在住の第一級の学者154人が占領下で殺害された。この月までに殺害されたバグダッド大学の研究者・学者は、中東最高のレベルを誇った医学部を中心に83人にのぼる。バグダッド以外の地方の大学では、計127人の学者・科学者が殺害された。
このため、殺害の恐怖やテロの脅迫によって数万人の著名な科学者・学者が亡命を余儀なくされ、イラクの大学教育はほぼ壊滅した。大学のみならず、図書館、博物館、研究所、保健所、医療施設、文化センターなども破壊の対象とされた。
実際に学者・知識人を特定した上で、「選択的殺害」を計画・実施したのは、米軍特殊部隊とCIAが指揮する暗殺部隊であり、対象者は高度な専門家以外にも侵略と占領を批判するあらゆる人物に及んだ(この中には、イラク国家の非宗教的・民族主義的性格を色濃く体現するキリスト教徒も多数含まれる)。さらに、米軍が資金を提供する過激なシーア派武装集団や、クルド族の民兵組織なども暗殺部隊に加わった。また、こうした殺害・破壊については、パレスチナ人に対し「実績」を積んだイスラエルの軍事顧問が関与している。イスラエルは、すでにイラン国内においても現在、科学者を狙った「選択的殺害」の秘密工作を展開している。
米軍の狙いは、「選択的殺害」によってイラクの文明・文化・教育の基盤と体系を完全に破壊し、非宗教的で独立・統一した国家を再建するために必要な頭脳を根絶することにあった。特にこうした学者・知識人層は意識が高く、民族主義的な傾向が強いため、一掃することで永久に米国に従属させる占領政策を優位に運ぶことができる。
こうした層に代わって、宗派的・封建的・地域主義的な指導者・集団を占領下で台頭させ、「分割して統治する」戦略がとられた。占領者が民族的・宗教的違いをけしかけ、互いが殺し合うのを奨励することで国家的統一を妨げ、抵抗運動を圧殺したのだ。イラクは、分割の危険性がある。
米国は、イラクの非宗教的・民族主義的な性格を破壊した後、中世的聖職者主導の社会構造に基づく欧米の多国籍企業の搾取に寛容で、親イスラエル的な属国政権を樹立しようとしている。これが、ブッシュとオバマが言う「イラク戦争の成功」の中身なのだ。 編集部
今週の裁判予定
協力/NPJ
9月14日(月)
根津公子さん・河原井純子さん停職処分取消し訴訟
14:00~ 東京高裁 424号法廷 ※報告集会あり
事件内容:卒業式・入学式等において君が代斉唱時に起立しなかったために受けた6カ月の停職処分の取消しを求めた訴訟の控訴審
期日内容:第1回口頭弁論
熊本県警察官自殺の責任を問う国家賠償請求事件
14:00~ 熊本地裁 501号法廷(当日変更の可能性あり)
事件内容:熊本県警の警察官となった18歳の青年が、県警剣道部に配属されたが、練習中のいじめ暴行、他の部員からの「村八分」に遭い、警察の寮で自殺した。亡くなった警察官の両親が熊本県に対して起こした国家賠償請求訴訟
期日内容:口頭弁論
9月16日(水)
目黒社会保険事務所職員ビラ配布事件(堀越事件)
13:15~ 東京高裁 102号法廷 ※満席の場合は先着順。裁判後、弁護士会館にて報告集会開催予定
事件内容:ビラを配っていた社会保険事務所の公務員が国家公務員法違反として逮捕・起訴された事件の控訴審
期日内容:早稲田大学法学院法学研究科・曽根威彦教授の証人尋問。ビデオ証拠開示
9月18日(金)
原発を止めよう!~浜岡原発差止め仮処分・本訴
10:30~ 東京高裁 101号法廷 ※傍聴券配布
事件内容:浜岡原発震災を防ぐために、周辺住民が中部電力に対して起こした運転差止め訴訟の控訴審
期日内容:第6回口頭弁論
詳細は
http://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html
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