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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2009/7/10)

「国策捜査」追認する最高裁
佐藤優氏上告棄却で有罪に


 外務省の元主任分析官である佐藤優氏が偽計業務妨害罪などに問われた事件の上告審で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)はこのほど、佐藤氏側の上告を棄却する決定を下した。決定は六月三〇日付。これにより、佐藤氏を懲役二年六月、執行猶予四年とした 一、二審判決が確定する。
 しかし、この報を耳にして「佐藤氏はやはり犯罪者だった」などと受け止めた人は、ほとんど皆無だったろう。私も同様であり、むしろ刑事司法の絶望的なほどの硬直に深い溜息と、そして諦めにも似た失笑を洩らしてしまうだけだった。当人である佐藤氏は、激しい憤りを覚えたのかもしれないが……。
 あらためて簡略に記せば、佐藤氏の問われた「罪」は二つだ。外務省関連の国際機関「支援委員会」から、イスラエルで開かれた学会への代表団派遣費用として三三四九万円を不正支出させたとする「背任罪」。そして同委が発注した国後島の発電施設工事をめぐり、積算価格を洩らして入札を妨害したとする「偽計業務妨害罪」――である。
 多くの人が既に周知の事実として認識しているように、これらはいずれも、政界やメディアなどを覆い尽くした鈴木宗男氏バッシングの中で「ムネオ逮捕ありき」の捜査に突き進んだ検察が無理矢理に描き出した「虚構の絵図」に過ぎない。いまさら語るまでもないが、佐藤氏は二〇〇五年に『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)を著し、「国策捜査」という言葉を人口に膾炙させるきっかけをつくった。その後の活発な言論活動を含め、佐藤氏の言説が広く受け入れられているのは、検察捜査の歪みを何よりも雄弁に物語る。佐藤氏はいまもこう語る。
「私は刑事責任を追及されるようなことをした覚えはありません。私が外務省組織の一員として、職務の一環として行なった業務が、鈴木宗男衆院議員に対するバッシングの嵐の中で犯罪とされたに過ぎません。これは国策捜査です」
 だが、司法の砦であるはずの最高裁は結局、検察が強引に描き出した「虚構の絵図」を最後まで追認することしかできなかった。いわば「予想通り」の結論ではあったのだが、有罪率九九・九%を誇る刑事司法の「裸の王様」ぶりをあらためて浮き彫りにしただけのようにも思える。
 佐藤氏はこうも語っている。
「私は、共産主義時代のソ連、その後の混乱期のロシアで、このような国策捜査とそれに続く政治裁判をいくつも見てきました。国家権力の本質が暴力を独占的に行使することであるという点において、日本もロシアも一緒であるということを、今回の事件に巻き込まれて実感しました。今後は、文筆で仕事をする一人として、国家の暴力が恣意的に行使されることをどう防ぐかを常に考えながら仕事をしていくつもりです」
 今後、佐藤氏は「起訴休職中」というくびきから離れ、むしろ活躍の幅は広がるだろう。そのさらなる旺盛な言論活動に期待すると同時に、検察の捻り出した虚構に付き従うことしかできない司法の砦=最高裁の滑稽な佇まいには、徹底的に唾を吐きかけておきたいと思う。
青木理・ジャーナリスト
(二八ページに関連記事)


民法改正廃案見通しで
「男女平等」遠のく


 民主・共産・社民の野党三党が提出していた選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃を盛り込んだ民法改正案は、衆・参両院で廃案となる見通しとなった。
 衆議院では、〇六年六月八日に提出された法案が、今国会まで継続となっていた。会期延長された現時点でも審議入りの予定はなく、任期満了も近く、解散により廃案となる可能性が高い。
 一方、参議院では、今年四月二四日に改正案が提出されたが、議院運営委員会から法務委員会に付託されていない「吊るし」状況だ。法案提出勢力が過半数を超えており、委員会付託は可能なはずだが、未だに付託されていない。
 民主党の参議院国対委員長の簗瀬進議員事務所は「党内意見がまとまらないことや優先順位が低いということもある。党全体の方向としては民法改正に賛成だが、異論のある方もいるので、今国会で審議することは難しい」と回答。
 昨年三月のmネットの集会に全国から駆け付けた女性たちの前で、当時の民主党副代表の前原誠司議員は「民主党は一致結束してこの問題を早期に解決しようと頑張っている。党内の意見の乱れは全くない。多数を占める参議院で可決させ、それをプレッシャーにして衆議院でも可決させたい」と豪語していた。
 民法改正に意欲的な福島みずほ社民党党首は「民法改正は男女平等の重要なテーマ。せっかく与野党が逆転しているのだから、早く審議入りし、可決するよう民主党に働きかけたい」と意欲を見せた。
 法案を提出しておきながら、「党内の乱れ」で、その後の手続きを行なわない民主党に強い批判の声が上がっている。 
坂本洋子・mネット・民法改正情報ネットワーク

児童ポルノ法改正案
元警察キャリアが
トンデモ答弁


 今国会で審議中の児童買春・児童ポルノ禁止法改正案。最大の争点は、個人がインターネットなどで入手する「単純所持」への規制を新たに盛り込むか否かだ。先進国で規制していないのは日本とロシアだけと主張する与党に対し、野党は捜査権の濫用につながると反発。六月二二日の衆院法務委員会では、技術的にありえない答弁まで飛び出した。
 発言したのは元警察庁キャリアで、法案提出者の一人である自民党の葉梨康弘議員。個人のパソコンにある写真が「自己の性的好奇心をそそる目的」であることを、どう客観的に立証するのか。メールで見知らぬ相手から送りつけられたり、サイトから知らない間にダウンロードしてしまうことだってあるのに、と民主党枝野幸男議員が質すと「ハードディスクにそれをみずからダウンロードして、それを何回も何回も自分が開いて見ているということであれば、相当これは、自己の性的好奇心を満たす目的というのが立証の大きな材料になるんじゃないですか」と応じた。
 現在市販されているパソコンに、操作履歴を厳格に記録する機能はない。そもそも児童ポルノの有無やダウンロードの有無を、なぜ警察は察知できるのか。このようなコンピュータやネットワークシステムのログや記録から過去に起こったことを復元・立証する「フォレンジック」と呼ばれる手法は、日本の捜査現場に定着しつつある。だが、こんなあやふやな知識に基づいて提案・審議された法案が成立したら冤罪の温床となるのは確実だろう。
瀬下美和・ジャーナリスト

オールA推薦でも
不起立なら不合格
都教委の再雇用基準判明


 卒業式等の“君が代”斉唱時に不起立し、定年退職後の再雇用を希望した教職員に対し、都教育委員会が、「校長の推薦書等がオールAでも不合格」という“基準} で採用拒否したり、今春の採用面接では面接官の職名・氏名まで隠し続けたりしている実態が明らかになった。
“君が代”強制強化の10・23通達後不起立等を貫き、〇五年と〇六年三月の退職後の再雇用採用を都教委に拒否された、都立高元教諭一三人が提訴した裁判(六月一八日、東京高裁)で、元教諭側が申し立てていた、採用時の校長の推薦書と面接票の提出命令を、稲田龍樹裁判長は却下。
 同日の報告集会で、この却下理由を、元教諭側の秋山直人弁護士は、「都教委は『校長の推薦書等がオールAでも、不起立のマイナス評価の方が上回るから不合格』と主張しており、裁判所は提出の必要性なし、と判断してしまった」と解説。浮き彫りになった都教委の恣意的な“基準”に、傍聴者から怒りや驚きの声が出た。
 六月二五日には〇七年以降の再雇用不合格者を中心とする都立高元教諭約三〇人が、処分や再雇用採用拒否の撤回等を求める要請書を、都教委の伊藤彰彦・教育情報課長に手渡した。被処分者の会事務局長の近藤徹さんは「不合格となり都教委に情報開示請求したら、非常勤教員採用の『選考面接要領』(全3頁)や『選考判定基準』、私自身の『評定票』や『(校長が記入する)推薦しない理由』という文書に加え、採用面接官の職名・氏名まですべて墨塗りだ」と、真っ黒の文書を示し追及した。 永野厚男・教育ライター

安倍晋三元首相の
グレーな“選挙活動”


 安倍晋三元首相が公職選挙法違反と公務執行妨害か――。そんな疑惑が安倍氏の地元山口県下関市で噴出した。
 六月二九日月曜日の午後、安倍氏は下関市役所八階の中尾友昭新市長を表敬訪問した。疑惑行為に出たのはその直後。安倍氏は市役所の八階から一階まで、市職員と握手をして回ったのだ。さらに約三キロ離れた水道局にSPも同行で訪問。突然の元首相来訪に市役所の機能は麻痺した。
 今年三月に就任した中尾市長は、安倍氏の行動を知らなかったと池永前総務部長は抗弁するが、若手市職員は「吉川秘書課長(当時)が安倍さんに同行していた」と証言する。
 下関市役所の労働組合関係者は、「職員の公務中にカウンターを越えて、ずかずかと入れば公務執行妨害。だが、安倍は延々と二時から五時近くまでやっていた」と呆れる。また、地元市民運動関係者は、「大名行列みたいに歩き回って、まさにドブ板選挙だ。地方公務員法では公務員の政治的中立性を定めている。市役所全体が共犯だ」と評する。
 さらに地元事情通は、「グレーゾーンですかね。市役所内で『よろしく』といえば悪質な違法行為でしたが、『ごくろうさん』と安倍は握手しながら言っていたようです。安倍陣営は市職員の激励と言い訳していますが、選管事務所にも立ち寄ったと聞いてます」と語る。
 民主党は県内の周南市から戸倉多香子候補を擁立予定。安倍氏が地盤も看板もない新人に大差で勝てなければ、地元での政治生命は終わると前出市民運動関係者は言う。事実「参院議員の林芳正経済財政担当相を衆院山口四区へ」との声も出ている。なりふりかまわぬ行為に出た元首相の命運はいかに。
李隆・ジャーナリスト

韓国・追悼デモ
警察の妨害で大混乱


 韓国ソウル市龍山区でソウル市やゼネコンが進める再開発をめぐって市民と警察との間で衝突とにらみ合いが続いている。
「龍山惨事」と呼ばれる事件。龍山四区域の再開発に抵抗してビルに「篭城」していた住民に対し、警察が今年の一月二〇日、テロ対策用の特別部隊を投入して強引な鎮圧を図り、その過程で発生した火災によって住民五人、警官一人の死者を出した。
 六月二〇日に催された大規模な追悼集会では警察が遺族の抱える遺影を破壊したことで混乱となり、憤慨した遺族四人に失神者が出て救急車で搬送された。「警察の露骨な暴力と嫌がらせが集会二日前から強まってきていました。李明博政権になってから警察の暴力性は一気に高まっています」(活動家の朴度怜氏)翌二一日には朝から、警察側が挑発的に立て看板を破壊。抗議したカトリック神父イ・カンソ氏を殴るなどしたため、揉み合いとなった。また再開発を進めるゼネコンが雇ったと見られる暴力団との投石合戦も頻発しているという。
 緊張が増す龍山再開発反対現場だが、抵抗する住民、活動家の粘り強さは刮目に値す
る。二〇日は三人が連行されそうになったが、機動隊のバスの中から「奪還」するなどして逮捕者を出さなかった。二一日の暴行と掲示物破壊に対してはイ神父らが猛抗議した結果、龍山警察署警備課長の謝罪を勝ち取ったという。
 現在はカトリック信徒の来訪支援が増え「聖地」のようになっているというが、暴力的な強制排除は時間の問題。一層の注目と支援が必要な状況だ。   竹内一晴・ライター

三菱ふそう元派遣社員
正社員雇用を求め提訴


 三菱ふそうトラック・バス(川崎市)の川崎工場を解雇された元派遣労働者二人が六月二九日、正社員としての地位確認と慰謝料など計六六〇万円の損害賠償を同社と人材派遣会社に求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴えたのは、鈴木重光さん(三六歳)と林貴行さん(三九歳)。訴状などによれば、鈴木さんは〇五年四月から川崎工場で大型車両の運転席にブレーキペダルなどの取り付けの仕事を始め、〇八年一二月に解雇されるまで同じ仕事をしていた。だがこの間、派遣→雇用→派遣と雇用契約を変えながら働いた。林さんは〇五年九月から同じ派遣会社で、最短で二日、最長で六カ月の契約を繰り返し働いた。二人は昨年一二月末、一方的に解雇を通告されたという。
 原告側代理人の弁護士は、「労働者派遣法の期間制限である三年を超えていた。違法な就労で、会社は正常な労働者の就労環境を整えることは不可欠」と指摘。鈴木さんたちが加盟する首都圏青年ユニオン書記長の河添誠さんは、「企業に貢献してきた人たちを景気が悪くなるといって解雇、しかも団交にも応じないのは許せない」と強調した。
 会見した鈴木さんは「四年かけて覚えた技術を生かすためにも、もう一回、あの職場で仕事を続けたい」と復職への思いを語った。
 三菱ふそうトラック・バスの広報部は「係争中の話なので、差し控えさせていただきたい」とだけ話す。同社は、自動車製造業の一翼を担う大企業だ。企業の社会的責任が、厳しく問われる。
野村昌二・ジャーナリスト

北九州・かけこみ相談会
生活困窮者の
健康問題が深刻化


 深刻化する派遣切りや雇い止め、生活保護などの問題について、法律、医療、労働、多重債務などの専門家が相談に応じる「なんでもかけこみ相談会&ホットラインin北九州」が六月二八日、開かれ、七〇人を超す相談があった。
 弁護士・司法書士や医師、社会福祉士らの実行委員ら一三〇人が会場や無料電話で相談に応じた。会場では、おにぎりや豚汁の炊き出しがふるまわれたほか、歯ブラシや洋服、下着などの生活必需品も希望者に配布された。
「闇の北九州方式」と呼ばれる、生活保護の申請希望者に対し、役所などの窓口で再考を促したり、申請書をその場では渡さないなどの「水際対策」を採ってきた北九州市。弁護士や司法書士を中心に、これまで個別の相談や炊き出しなどを実施してきたが、各団体が集結し五月に実行委員会を発足。一体的な相談会の開催で、困窮した人たちを総合的に支援しようと準備してきた。
 医療相談では、訪れた五三人のうち三割近くが健康状態が不良と判断され、治療に行くようアドバイスを受けた。特に、歯科では治療を受けられず、多数のムシ歯のまま放置されている人がほとんどだった。健康保険も三〇人ほどが無保険の状態で、治療を受けたくても受けられない状況にあることが分かった。また、無年金の人が多く、生活費が底をついた人が半数に上った。
 実行委員の高木佳世子弁護士は「生活に困って、一人で多くの問題を抱えてしまう人が多い。健康問題などは後回しにせざるを得なくなり、さらに問題解決が難しくなる実態がある。今後も相談会の開催を検討したい」と話している。杉山正隆・ジャーナリスト

会社の“逆ギレ”を許すな!!
闘い続ける当事者結集


 非正規労働者が憲法で保障された権利を行使し、会社へ要求を突きつけたら会社が逆ギレ――こんな理不尽な攻撃にも負けずに闘い続ける当事者が五日、支援者約一九〇名とともに「声を上げたら“逆ギレ”ばっかり それでも負けない非正規・ユニオン7・5シンポジウム」に結集した。
 ゼンショー・すき家の元店長は、残業代や未払い賃金を求めて会社を訴えたところ、無断で店舗の食品を食べたなどと会社から逆に窃盗罪などで告訴された。ベルリッツ外国語教師のユニオンは、ストライキによって営業妨害されたと、会社から巨額の損害賠償を求められている。
 KDDIエボルバユニオンは、院内集会での争議報告について、会社が事情聴取を行なうなど、組合活動で保障されるべき言論活動を阻害された。阪急トラベルサポート添乗員は、組合を通して保険加入を勝ち取り、残業代支払いの是正勧告に従わない会社を提訴。しかし、会社が『週刊金曜日』の取材に応じた内容が名誉毀損に該当するなどを理由に、登録型派遣として働いていた当事者を事実上解雇。
 また、ネットワークユニオン東京にいたっては、会社側弁護士に懲戒請求したところ、逆に訴えられたという。
 日本マスコミ情報文化労組会議(MIC)の豊秀一議長は、会社側が労働者の異議申し立てを封じ込める行為は「民主主義に対する暴威だ」と訴え、圷由美子弁護士は、会社からの攻撃を「組合活動が脅威であると会社が認めていると捉えるべき。会社に影響を与えているということに対して自信を持ってほしい」
と激励した。
松元千枝・ジャーナリスト


コラム



「災いを福に」 野田秀樹氏が東京芸術劇場の芸術監督就任



東京芸術劇場(東京・池袋)の芸術監督に就任した野田秀樹氏が1日、就任記者会見と記念プログラムの発表を行なった。会見には、記念プログラムに参加する面々も出席。それぞれが池袋から芸術を発信する意気込みを語った。
 芸術監督就任にあたって「ここ(池袋)はおもしろいだろう」と野田氏。また、「この劇場の未来を象徴するような事件ですが」と、2日より開幕する記念プログラム第一弾プロペラの舞台装置が日本に届かず未だ海上にあることを告白。しかし、「オリジナルではないが、自前で装置を作って上演します。演劇は役者が舞台に立てば成立するもの。その底力を見せてほしい。今のこの時代に災いを福に変える数少ない芸術、それが演劇。芝居の本当の力を見せていきたい」と語った。日本版『ザ・ダイバー』に出演する大竹しのぶ氏は「池袋から生のエネルギーを感じてほしい」。同じく出演する渡辺いっけい氏は「:楽しいこと” をここでやっているという空気になればいい」と話した。
 劇場アトリウム前広場には、日比野克彦氏による「ホーム→アンド←アウェー」方式という名のアートプロジェクト作品、巨大な檜の舞台が登場。この夏は池袋に注目だ。 文/写真 ゆげたりえ・編集部


ジェンダー



【性暴力】大学生による被害者中傷やまず、京都教育大学事件 7月2日
 京都教育大学の学生による集団準強かん事件について、mixi など、インターネット上で被害者を中傷する書き込みが止まらない。
 こうした書き込みは、多く大学生によって行なわれており(京都教育大の他には、追手門学院、久留米、立命館、桃山学院、大阪体育大など)、容疑者の逮捕報道直後から始まっている。こうした事態に対し、大学側は書き込みをした学生を特定し、処分を含む指導を行ない、大学ウェブサイト上でこうしたことを行なわないよう呼びかけている。
 しかし、京都教育大学では、一度訓告処分を受けた学生が、再度同様の書き込みをしたため、1日の教授会で、この学生を停学6カ月の懲戒処分とした。大学側は、「再度の書き込みは非常に遺憾。より厳しい処分が必要だ」と述べている(『京都新聞』7/2)。
 さらに3日、京都文教大学は、臨床心理学部の女子学生が被害者を中傷する書き込みを行なったことが判明したと発表、ウェブサイト上に学長名の謝罪文を掲載した。9日に開催予定の同学部教授会で処分を検討するという(『京都新聞』『毎日新聞』7/4)。


【スポーツ】ウィンブルドン、Miss/Mrs.の表示を廃止 7月2日
 テニスの4大国際大会の一つであり先頃開催されたウィンブルドン選手権で、女性選手だけに使われていたMiss、Mrs.の表示が廃止されていたことがわかった(『東京新聞』7/2)。しかし、主催者は「理由は特にない」と述べている(bbc news 6/30)。
 同選手権は、2003年に選手がセンターコートへ入場する際王室席におじぎする作法を廃止したほか、2007年には賞金を男女同額としている。関係者は、今回の変更は、従来のままだと姉妹が対戦相手となった場合に区別ができないためとしているが、試合中の審判はこの呼称を用いている。
 bbcはさらに、この変更は、選手権のパトロンであるケント公が「現代にはそぐわない」としたためと報じている。


【インフォメーション】
◆7月11日(土)~12日(日)▼ふぇみん泊まってシンポ in あざみ野「わたしの貧困 女の貧困 どうして? どうする?」▼7月11日(土)13:30-16:30 メインシンポジウム/7月12日(日)10:00-12:30 7つの分科会▼会場:アートフォーラムあざみ野(田園都市線あざみ野駅8分)▼参加費:1100円(両日別)、経済的に困難な方(自己申告)500円(宿泊は締切)▼主催・問合せ:ふぇみん婦人民主クラブ(403-3402-32447 http://www.jca.apc.org/femin/femin09symposium1.pdf
協力/現田正義



国際短信



ホンジュラス
これまでと違う?
クーデター騒ぎの真相


 6月28日に中米ホンジュラスで起きた軍による大統領拉致・追放と政権交代は、歴史上前例の無い展開を見せている。冷戦時以来、2004年のハイチ大統領追放に至るまで、中南米諸国で起こった政変は全て米国の政策に基づき米国各政権と西欧諸国の支持を受けた。ところが今回は、様相が異なる。
 ベネズエラ、キューバ、ボリビアなどが主導する米州ボリバル代替統合構想(ALBA)はもちろん、米州機構(OAS)も国連もこのクーデターとセラヤ大統領追放を非難。欧州各国は大使を引き揚げ、米国オバマ政権すら新政権に反感を示して援助を「一時停止」する措置をとった。おそらくこのままではミチェレッティ新政権は早晩空中分解して、国民多数派の強い支持を受けるセラヤ氏が祖国に戻る展開になるだろう。
 単純にホンジュラス内部で、ALBAに加盟し「左傾化」を強めるセラヤ氏に対する富裕階層の反発で引き起こされた内紛と見ることもできる。しかし中南米諸国の軍には米国南方方面軍とCIAの力が浸透しており、彼らの許しが無い限り各国の軍が勝手に動くことは考えられない。これはむしろ、米欧の支配的な勢力の内部にある、深刻な対立と抗争の現われなのかもしれない。
童子丸開・著述家

パレスチナ
繰り返されるイスラエルの犯罪
洋上でガザ救援の船舶を拿捕


 米国の数少ない反戦派議員として知られていたシンシア・マッキニー元下院議員(本誌2008年10月17日号に登場)や、1976年 のノーベル平和賞受賞者で、北アイルランドの女性平和活動家のマイレッド・マグワイア氏ら11カ国21人が乗船してガザへの救援物資を積んでいた船舶が6月30日、イスラエル海軍によって不当に拿捕され、乗員も同国に連行されるという国際法無視の事件が起きた。
 昨年から今年のイスラエル軍による無差別攻撃・大量殺害後、ガザでは同軍による経済封鎖が続いており、公共施設・家屋の再建に必要な建築物資や医薬品が極度に不足している。このため国際赤十字が「ガザは絶望に捕らえられている」という緊急声明をこのほど発表。これを受ける形で各国の人権活動家たちが「スプリット・オブ・ヒューマニティ」と名付けた船をチャーターし、こうした資材や児童の文房具などを届けるため、洋上からガザに向かっていた。マッキニー元議員は、拘留先で「自国の領海外にもかかわらず、人道援助物資を積んで航行する民間船を拿捕するとは許し難い国際法違反だ」と強く非難したが、オバマ政権も国連も傍観のままだ。
編集部


今週の裁判予定




協力/NPJ


7月14日(火)
日の丸・君が代強制反対~「君が代」解雇裁判
11:00~ 東京高裁 101号法廷
事件内容:卒業式での不起立により事実上の解雇にあった都の再雇用職員合格者が、再雇用職員・講師たる地位を有することの確認などを求めた訴訟
裁判の内容:結審(代理人の弁論・控訴人の意見陳述)
空の安全のために~取材ヘリ墜落事故国賠訴訟
10:00~ 東京高裁 817号法廷
事件内容:2004年3月、信越放送のヘリコプターが取材飛行中に送電線に衝突し、墜落した。搭乗していて死亡した記者の遺族が、ヘリコプターを運航していた中日本航空、送電線に標識を設置させる義務を怠った国、標識を設置する義務を怠った中部電力、また、従業員を安全な環境で勤務させる義務を怠った信越放送に対し、損害賠償を請求した訴訟
裁判の内容:口頭弁論


7月15日(水)
中津川市議会における発声障がいをもつ議員への いじめ損害賠償請求事件(通称:小池事件)
16:00~ 岐阜地裁 301号法廷
事件内容:声帯を失い発声が困難になった原告が事実上、議会での発言を封じられ議員活動に支障をきたした。そのことで受けた精神的苦痛に対する慰謝料を中津川市及び当時の市議会議員らに求めた訴訟
裁判の内容:結審


7月16日(木)
「『健康で文化的な最低限度の生活』(憲法25条)
の保障を!」生存権裁判
14:00~ 東京高裁 101号法廷 ※報告集会あり
事件内容:生活保護における「老齢加算」廃止処分の取消しを求めた行政訴訟
裁判の内容:証人の採否
薬害イレッサ訴訟
13:30~ 東京地裁 103号法廷 ※説明会あり
事件内容:イレッサによる副作用死亡被害について遺族が、国と販売会社に対し慰謝料を請求した訴訟
裁判の内容:口頭弁論


7月17日(金)
二子玉川東地区再開発事業に関連する公金支出差止訴訟~世田谷区は二子玉川超高層ビル乱立の超大規模再開発に多額の公金を支出するな
14:00~ 東京地裁 522号法廷
事件内容:再開発事業に関した補助金交付決定を含む一切の公金支出の差止めを求めた住民訴訟
裁判の内容:口頭弁論


7月22日(水)
電波雑音を増やすPLC(高速電力線搬送通信)導入に異議!
10:00~ 総務省電波監理審議会 ※傍聴希望者は総務省会議室(部屋番号未定)に集合
事件内容:アマチュア無線愛好家が国に対し、PLCの型式指定の取り消しなどを求めた事件
※訴訟は原告側敗訴。現在は上告せずに、電波監理審議会へ異議申し立て中
裁判の内容:学者に対する尋問

詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

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