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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2009/1/9)

「派遣村」で500人が年越し
厳しい閉村「後」の食住確保


 年も押し迫る先月三一日、「年越し派遣村」(主催・「派遣村」実行委員会)は官公庁の集中する東京・霞が関のど真ん中、日比谷公園内に突如出現した。不景気のあおりを受け、「派遣切り」などに遭い、職も住まいも奪われた非正規労働者たちを全労協、全労連、連合が手を結び、民間ボランティアとともにサポートしようというもの。今年一月五日の閉村まで連日、食事の炊き出しや宿泊の斡旋、生活相談などが行なわれた。
 開村式では「村長」の湯浅誠氏(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長)が最初に挨拶。「派遣切りに遭った人も以前からホームレス状態の人も立場は一緒」と強調、「こうした命を派遣村で支え、職や住まいを再び取り戻すのに力が上げられるよう、その条件作りをしたい」と「村民」に訴えた。
 初日から連日、新聞やテレビ、インターネットなどでこの派遣村の様子が報道された。その効果か、当初同実行委が見込んでいた入村者数は初日の時点ですでに予想を上回った。そのため実行委では今月二日から厚生労働省に交渉を始め、同省はその夜、省内の講堂を「村民」に開放した。講堂の入り口近くのソファーに腰掛けていた男性(六〇歳)は、「テント(の中)より暖かいけど、喉が乾燥する。それに風邪が感染しやすいからマスクをかけて寝ている」と言った。また、一部のマスコミが断りなく講堂内を撮影したり、一般市民がデジカメ機能付きの携帯電話などで写真を撮ることにひどく立腹している様子だった。ちなみに派遣村では初日からマスコミに対し撮影制限が設けられていた。
 ところで初日で一〇〇人を超える入村者数は最終的に五〇〇人に膨れ上がった。そのうち生活相談を受け、生活保護を申請したのは二三〇人。五日には予定通り閉村式が行なわれ、日比谷公園や厚労省講堂からの撤収作業や、国会請願デモなどが行なわれた。
 デモは「派遣切り」の期間工救済などを国に求めるもの。参加者の男性(四一歳)は、「ぼくは工場で溶接の仕事をしていた。会社と直接雇用を結んだ契約社員。先月一五日、仕事中に会社の人が来て一八日で会社の寮から出て行ってくれと。同僚のほとんどがそういう形でやめさせられた」と話した。仕事は探しているが住所が不安定なためなかなか「次」が決まらないという。
 同日、日比谷公園を管轄する千代田区役所への集団生活保護申請も併せて行なわれた。また最終的には五〇〇人すべてが都と中央区、併せて三つの小学校の体育館と、山谷の越冬対策用の宿泊援護施設「なぎさ寮」(大田区)に振り分けられ、移動した。
 厚労省は「派遣村」での年越し期間中、実行委の「衣食住の確保なく講堂や公園から追い出さないでほしい」との要請を受け、同省と都で五〇〇人の住と食を保障する回答を行なっている。五日からの一週間、食と住まいを保障し、その「進路」がなかなか決まらない場合でも施設から追い出さない方針だそうだ。
 だがどうにも腑に落ちない。当面は各施設での集団生活が保障されてはいるが、弁当の支給がなくなればお金を持たない人たちは民間ボランティアの「炊き出し」などに頼り歩くしかないだろう。それに全国には厚労省調べでわかっているだけでも約二万人の野宿生活者がいる。「派遣村」の村民に対して速やかにできることが、二万人の経済難民、つまり野宿生活者に対して速やかにできないのはなぜか。
西村仁美・ルポライター


三菱ふそうが
解雇2人の
申し入れを拒否


 派遣労働者ら計五〇〇人の削減方針を示している三菱ふそうトラック・バス(川崎市)の川崎工場で、契約解除を告げられた派遣社員二人が労組「首都圏青年ユニオン」に加盟、昨年一二月一七日に同社と派遣会社に契約打ち切りの撤回と社員寮への居住継続を求め、団体交渉を申し入れた。
 二人は一一月中旬、派遣会社の社員から「契約を一二月二五日付で打ち切る」と突然通告された。契約期間を残しての通告で、打ち切り後は寮から立ち退くよう求められた。
 このうちの一人、三五歳の男性は都内で行なった記者会見で、「社員と同じ仕事をしてきて、首を切る順番が私からというのは到底納得できない」と怒りをあらわにした。
 男性は、四年近く川崎工場でトラックの運転席部分の組み立て工程などで働いてきた。それが、失職と同時に住居も失い路頭に迷うことになるのだ。「毎日不安でたまらない」と心境を語る。
 首都圏青年ユニオンの申し入れに対し、三菱ふそうトラック・バスは一二月二〇日、「要求には応じられない」とする回答書をユニオンに送った。同社は回答書で、二人とは雇用関係にないことを拒否の理由に挙げているという。
 同ユニオンの書記長・河添誠さんは、「私たちが団体交渉の申し入れで求めたのは、雇用の継続と寮での生活継続という最小限のもの。会社からの回答には『派遣切り』によって雇用を失い、住居も失おうとしている派遣労働者の雇用と生活に対してなんらの配慮もない」と憤る。
 今回の事態を生んだのは企業の責任だ。会社の回答はあまりにも無責任で、冷たい。
野村昌二・ジャーナリスト

米国追随の生活保護
期間制限は最悪の選択


 米国の福祉改革に倣って、日本でも生活保護に期間制限(有期保護)を設ける動きに反対する「えっ!? 日本でも生活保護が五年で打ち切りに? アメリカ・『福祉改革』の悲劇に学べ!」集会が昨年一二月二一日、東京・法政大学で開かれた(生活保護問題対策全国会議主催、本誌協賛)。
 生活保護の五年打ち切りは、〇六年一一月の全国市長会、〇七年三月の全国知事会の提言を受けて、〇八年九月一七日、経済財政諮問会議・労働市場改革専門調査会(会長・八代尚宏国際基督教大学教授)が出した第四次報告書で「保護適用期間を五年間とする有期保護制度について検討する」と明記されたもの。
 集会では、カリフォルニア大学リバーサイド校社会学部准教授のエレン・リース氏が講演、米国では生活保護期間制限を含む一九九六年の福祉改革法実施で、多くの人が受給を打ち切られた結果、生活が困窮、極貧家庭が急増したことを詳細に報告した。
「アメリカ式の福祉改革は、日本が追随するには最悪のモデル」とリース氏は断言する。
 シンポジウムに参加した赤石千衣子・しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事は、「日本ではすでに、児童扶養手当を削減し、五年間で打ち切りにしようとしている。当事者運動で現在凍結中だが、明らかに米国の生活保護の五年打ち切りを先取りしたもの」と指摘した。集会では、生活保護を五年で打ち切ることは、すべての国民に生存権を保障する憲法二五条に明白に違反すること、反貧困での国際的連帯の必要性などが確認された。
山村清二・編集部

キヤノン非正規労組
不当労働行為
救済申し立て


 二〇〇六年一〇月にキヤノンの偽装請負問題を告発した同社非正規労働者組合が昨年一二月二二日、正社員としての地位確認などを求めて、東京都労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行なった。
 申し立ての内容は「組合員六名のキヤノン正社員としての地位確認と、その前提での差額賃金支払い」「不誠実な団体交渉の改善」など四項目。
 六人はいずれもキヤノンの宇都宮光学機器事業所で(偽装)請負従業員として勤務し、〇六年一〇月、その実態を栃木労働局に告発したメンバー。告発された後、世論から非難を浴び、栃木労働局からも是正指導を受け偽装請負こそ解消したキヤノンだが、その後も彼らを(最長二年一一カ月の)期間従業員として雇用したのみ。「正社員と変わらぬ業務を、七~一一年と長期にわたり続けてきた以上、偽装請負解消の時点で正社員として雇用するのが当然」とする組合側主張とは、未だ対立が深いままだ。
 同組合の大野秀之宇都宮支部長によると、六人のうち一人は昨年八月の時点で組合への報復姿勢を強めるキヤノンにより雇い止めに。さらに同社は組合員の正社員登用を頑なに拒否する一方、非組合員の一部を正社員に登用するなど差別的取り扱いをし、期間従業員の組合加入を事実上、妨害しているという。
 キヤノン広報では、今回の申し立てに対し、「今のところ、特にコメントできることはない」と述べている。
古川琢也・ルポライター

セブン-イレブン
請求書裁判
高裁差戻し審始まる


 セブン-イレブン加盟店オーナーへの請求書開示をめぐり、同本部が敗訴した昨年七月の最高裁判決から半年。この判決を受けた高裁差戻し審が、昨年一二月一八日、東京高等裁判所で始まった。当初、年内の決着もありうると見られていた判決だが、第一回口頭弁論の数日前に、セブン-イレブン本部側が新たな「証拠」を提出。これにより判決が持ち越された形だ。
 本部側が請求書等開示義務を免れる根拠とする新たな「証拠」は、伊藤忠食品、リテールシステムサービス、トーハン、ヤマト運輸の大手ベンダー四社が、昨年一一月下旬から一二月上旬にかけて本部に送付した申し入れ書。いずれもセブン-イレブン本部に対し、「貴社への販売に際しては、販売報奨金契約を締結しているため、この支払いの内容を、加盟店を含む第三者に公開しないよう求める」と申し入れる文面となっている。
 だが、本誌既報のとおり、加盟店が商品仕入れをベンダーから直接行なっており、本部は加盟店の支払代行者にすぎないことは契約上も明らか。したがって、ベンダーとのこうした取り決めを、本部が勝手に行なっていること自体がそもそも違法だ。対峙する加盟店側も、「請求書等の開示をも当然に認定した、昨年の最高裁判決を覆す材料にはまったくなっていない」(北野弘久弁護団長)と述べている。
 第二回口頭弁論は二月二四日の予定。そこでも加盟店側から、同様の見地での再反論が行なわれる見通しだ。
古川琢也・ルポライター

田畑和子さん
再雇用拒否裁判
最高裁が却下


 最高裁第三小法廷は、元東京都豊島区立千川中学校教諭田畑和子さんが上告した「千川中学校校長中神嘉治の再雇用拒否理由捏造により職を奪われた事件」を昨年一二月一六日、却下した。
 この事件は一九九五年度定年退職の際、異例の再雇用拒否を受けた田畑さんが、二〇〇五年一一月、拒否理由を捏造した校長を提訴したもの。
 東京地裁(裁判長橋本昌純)、東京高裁(裁判長藤村啓)とも、校長の虚偽を立証する多くの証拠を黙殺、同僚や教え子の証人申請を全員却下し、まったく裏付けのない校長の主張を鵜呑みにした。また「適正で正確な情報に基づき評価されることへの期待権侵害」および「陳述書・証言による名誉毀損」の訴えを「公務員の職務で行なった『公権力の行使』であるから個人の責は問えない」と切り捨てた。後者の判示は判例違反であるにもかかわらず、最高裁はこれらすべてを容認した。
 代理人の和久田修弁護士は「最高裁は『冤罪』に加担し『人権の砦』という崇高な使命を放棄した」と批判する。同じく代理人の萩尾健太弁護士は「東京の教育破壊。もの言う教師の口封じだ」と憤る。田畑さんはこれに屈せず新しい闘いを始める。
「田畑先生の再雇用拒否の真相を究明する会」・酒井仁子

沖縄ヘリパッド抗議に
国が「通行妨害禁止」
の仮処分申し立て


 駐沖縄米海兵隊北部訓練場の一部返還に伴う沖縄県国頭郡東村高江のヘリパッド増設工事に反対し、座り込み抗議を続ける住民を相手に、国=防衛省沖縄防衛局(中頭郡嘉手納町)が「通行妨害禁止の仮処分」を申し立てていた。昨年一二月二五日、「『ヘリパッドいらない』住民の会」(以下、住民の会)の記者会見で明らかになった。
 申し立てられた一五人は、一人を除いて高江地区に住所がある人々。当初は八歳の女児まで含まれていたが、世論の反発を恐れたのか突如、この女児だけは会見の日に取り下げられた。人物特定のために添付された写真には人違いがあった。また、写真にない人が申し立て対象になっていたり、現場に一度も来ていない人が含まれているなど、申し立てには杜撰さが際立つ。
 対象となった「住民の会」の石原理絵さんは次のように話す。「国は私たちが通行妨害をしているといいますが、わたしたちへの『生活妨害』に対しては少しも真摯に向き合って来なかった。住民を名指しし、恫喝するようなやり方には憤りを感じます」
 国は一九九六年の日米合意に基づいて、「基地を縮小して県民の負担軽減をしようというのに、住民の妨害で進まないのは国民、県民の大きな損失であるかのような」(石原さん)論法を使っているという。
 一月二七日の那覇地裁での審尋に向けて、池宮城紀夫弁護士ら一九人の弁護団が結成された。住民らは「理不尽で不当な」国の申し立てに対して徹底的に争い、広く賛同・署名(URL参照)も呼びかけていくという。
URL http://takae.ti-da.net/
竹内一晴・ライター

田母神氏に会社員が
損害賠償請求訴訟


 埼玉県の会社員Aさんが「平和的生存の権利を奪われた」として、侵略戦争を正当化した論文を発表後、退職金七〇〇〇万円(推定額面)を受領して定年退職した田母神俊雄・前航空幕僚長に二万円の慰謝料を求める訴えを昨年一二月三日、東京簡易裁判所に起こした。同月二三日、「極めて高度な憲法上の判断」を要するため東京地裁に移送された。
 訴状が指摘する田母神氏の違法行為は以下の点など。
 小松基地司令時(一九九八年~九九年)、小松市主催のイベントで自衛隊関係の挨拶はなしと決定されたが、当日は制服着用の上、副官を伴って押しかけ、「行政の決定を無視して実力行使」した。
 統合幕僚学校長在任中(〇二年~〇四年)に、「脱専守防衛教育」「文民統制蹂躙教育」「自衛隊の先制攻撃教唆」「攻撃的兵器肯定教育」「日本国憲法体制転覆教唆」を行なった。地位を利用した脱法行為の隊員への教唆にあたる。
 さらに空幕長時代、陸自出身の佐藤正久参院議員の資金管理団体への献金は、政治活動を制限する自衛隊法第六一条違反、との主張だ。Aさんは「選定当事者訴訟」(共同訴訟)を考えている。
電話番号 03・3356・9932
林克明・ジャーナリスト

イスラエルのガザ空爆反対!
東京で抗議集会開かれる


 昨年一二月二七日から、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの空爆が始まり、一月三日からは地上侵攻も開始された。空爆以降のパレスチナ人の死者は、一月五日時点で五〇〇人以上。
 この空爆で多くの民間人が犠牲になっていることに対して、世界各国で抗議行動が広がっており、日本でも一二月三〇日、東京・千代田区のイスラエル大使館前で抗議行動が行なわれた。
 アジア関係の市民団体などの呼びかけで集まった有志数十人が、一四時すぎにイスラエル大使館前に集合。「Stop the Israeli Bombing of Gaza Now(イスラエルはガザへの爆撃を今すぐやめろ)」などと書かれた手製のプラカードや横断幕を掲げながら、「ガザへの軍事攻撃をやめろ」「ハマス政権と対話しろ」などと抗議の声を上げた。その後、呼びかけ人の田浪亜央江さん(ミーダーン=パレスチナ・対話のための広場)が、「今すぐ空爆を中止し、入植地を撤去して、パレスチナ人と共存していく姿勢を見せてほしい」という主旨のイスラエル政府への申し入れ書を大使館の郵便受けに投函、散会となった。
 参加者は最終的には約一〇〇人に達し、「友だちの呼びかけで来た」という若い女性など日本人だけでなく、中東の人々の姿もあった。在日二〇年のイラン人男性は、「イスラエル人は多くの人を殺している。同じ人間なのにどうしてこんなことをするのか」と憤る。
「年末の忙しい時期で、来たくても来られない人がたくさんいます。この一〇〇人の後ろには、同じ想いの人が大勢いるのです」と語る田浪さんは、イスラエルが空爆をやめるまで、何度でも抗議行動を続けるという。
 一六時からは、アムネスティ・インターナショナル日本などが主催する抗議集会も行なわれ、こちらは約三〇〇人が参加。同様に、空爆の即時停止を求める文書をイスラエル大使館と外務省に提出した。
望月芳子・ライター


コラム



「望」ある年に! アサガヤで年忘れ大討論会



『週刊金曜日』PRESENTS「大“望”年会 世界はどうなる2009」が12月19日、東京のASAGAYA/LoftAで行なわれた。2008年最後のテーマは、年忘れならぬ、年“望”み。会場には本誌常連執筆者ら、多彩な顔ぶれが駆けつけた。第1部は、萱野稔人さん(津田塾大学准教授)と佐藤優さん(起訴休職外務事務官)のスペシャル対談。第2部では、佐高信本誌発行人の司会で、青木理さん(ジャーナリスト)、石川好さん(作家)、石坂啓さん(本誌編集委員)、宇都宮健児さん(本誌編集委員)、鎌田慧さん(ルポライター)、朴慶南さん(作家)が登場。大“望”年会とはいえ、100年に一度といわれる世界恐慌危機で、話はやはり、経済を中心とした新自由主義批判に。「大企業の株主配当や内部留保は5、6倍。経営者は最善の努力をしたのか? 身銭(内部留保)を切ってから、今経営的に厳しいからというならまだわかる」と、宇都宮さんが企業の派遣社員切りを批判すると「昔は、簡単に首を切ることはしなかった」と鎌田さん。企業経営者の「質」の低下も一因とした。「今日は望年会ですから、09年を望み、08年を忘れて下さい」と佐高発行人の一言で、2008年、阿佐ヶ谷Loftでのイベントは閉幕した。         文/写真 ゆげたりえ・編集部


ジェンダー



【民法】無戸籍の子一斉調停、8割の22人認定
1月1日
 民法772条の離婚後300日規定による無戸籍の子の問題で、昨年7月、27人が全国一斉に行なった実父に親子関係を認めさせる「認知調停」のうち、8割の22人の調停が成立し、親子関係が認められたことが、「民法772条による無戸籍児家族の会」の調べでわかった(『読売新聞』1/1、『毎日新聞』1/3、『朝日新聞』1/4)。
 22人のうち18人は、DNA鑑定結果が決め手となったが、鑑定結果を提出しても認められないケースが3件あった(『毎日新聞』『朝日新聞』)。DV問題に取り組む長谷川京子弁護士(兵庫県弁護士会)は、「科学的なDNA型鑑定で血縁関係を認めることは常識的でわかりやすい。離婚や再婚が増えるいま、772条の規定は当事者に困難を強いている。根本的な解決に向けて法改正を急ぐべきだ」と話している(『朝日新聞』同)。


【政府】小渕男女共同参画・少子化担当大臣、少子化対策PT立ち上げ 08年12月24日
 小渕優子男女共同参画・少子化担当大臣は、12月24日の定例閣議後記者会見で、「思い切った少子化対策が必要」として、「少子化社会対策大綱」見直しにからめ、「小渕ビジョン」を、そしてこれを議論していく体制として「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」を立ち上げると発表した。このPTについて、同大臣は、「子育て世代の当事者や利用者の目線で、既存の政策や財源の枠にとらわれず、もう一度、ゼロから少子化対策を考えていくためのチーム」としている。正式開催は今月から月に2回程度、PTでの結論は半年をめどにするという。メンバーは、安藤哲也(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)、勝間和代(経済評論家)、松田茂樹(第一生命経済研究所主任研究員)、宮島香澄(日本テレビ報道局解説委員)、佐藤博樹(東京大学社会科学研究所教授)。


【DV】地裁通知で住所発覚、元夫からDV被害
08年12月25日
 元妻の住所に押しかけ、DV防止法違反に問われた山口県内の元夫の判決公判で、山口地裁が送った共有財産の競売通知で新住所が判明していたことが、元夫の証言でわかった。
 山口地裁は、「(接近禁止の)保護命令と競売決定は異なる手続きで、関連付ける法的根拠や裁判所内で一元管理するシステムもない。いずれの事務も適正に行われた」と主張しているが(『読売新聞』12/26)、お茶の水女子大大学院の戒能民江教授(ジェンダー学)は、「保護命令をした裁判所が秘匿情報を知らせたわけで論外。裁判所の所轄、部署が違っても被害者の安全確保と秘密保持への配慮は当然で、法の趣旨に違反する」と、裁判所の無神経な対応を批判している(『中国新聞』12/25)。


協力/現田正義


国際短信



パレスチナ
「現代のナチス」
イスラエルと米国の犯罪


 1月5日現在、カタールの衛星放送・アルジャジーラによればこの10日間だけでイスラエルの攻撃によるガザ住民の死者は531人にのぼり、地上作戦が開始されて以降の2日間は80人以上が殺害された。現在も進行するパレスチナ人の大量虐殺が改めて示しているのは、イスラエルとそれに加担している米国ともに「現代のナチス」であるという紛れもない事実だ。
 一部の西側のメディアはイスラエルの軍事行動に批判的な見解を示しながらも、一方で「ハマスのロケット攻撃」が問題の一因であるかのように報じている。だが、そもそもこの「ロケット」なるものは中東最強の近代兵器で完全武装したイスラエル軍と対比できないほどの旧式で、基本的に示威的な役割しか持たない。しかも、最も大きな問題はハマスが2006年1月の民主的な選挙で勝利し、さらに腐敗の極にあるPLOのアッバース派を排除してガザ地区の実権を握った07年6月以降、イスラエルがエジプトの「親米大統領」ムバラクと結託して軍による断続的な経済封鎖を実施し、ガザを事実上の「巨大強制収容所」にしている現状にある。
 イスラエルが昨年12月、ガザを視察しようとした国連関係者を留置し、ジュネーブに強制送還したのもこうした実態が国際社会に知られるのを恐れての措置だった。ジュネーブで禁止された「集団的懲罰」にあたる戦争犯罪を繰り返すイスラエルと、軍事的に取るに足らない「ロケット」でしか「対抗」できないハマスを「ケンカ両成敗」のように論ずるのは侵略者と被侵略者を混同し、パレスチナ人の生命に対する冒涜のはずだ。
 一方、4日に緊急招集された国連安保理事会(15カ国で構成)は、リビア提案による即時停戦を求める議長声明案がまたも米国のみの反対によって合意不可能となった。ウルフ米国連次席大使が反対したのは「イスラエルとテロリスト(ハマス)を同列に論じるべきでない」という理由だが、すでに昨年末からの無差別空爆などで子どもも含め3000人以上を死傷させているイスラエルの行為が「テロ」ではないと弁明するのは困難だろう。
 西側メディアに完全に欠落しているのは、このように大量虐殺の継続に加担するのみならず、空爆を実施した戦闘爆撃機も投下された爆弾もすべて米国が供与した事実が示すように、米国こそ真の共犯者であるという認識である。イスラエルと並び、同じようにアフガニスタンとイラク、そしてパキスタンで無差別空爆による民間人殺傷を続けている米国の両国が国際法・協定の最大の侵害者であり、最悪の戦争犯罪国家であるという前提なしにパレスチナ問題と世界の平和を語ることは不可能だ。
編集部


今週の裁判予定



協力/NPJ


1月14日(水)
中津川市議会における発声障がいをもつ議員へのいじめ損害賠償請求事件(小池事件)
10:00~ 岐阜地裁 301号法廷 ※裁判後、岐阜弁護士会館3階ホールで報告集会開催予定
事件内容:声帯を失い、発声が著しく困難になった原告が事実上、議会での発言を封じられ、議員活動に支障をきたした。そのことによって受けた精神的苦痛に対する慰謝料を中津川市及び当時の市議会議員らに求める訴訟
期日裁判の内容:証拠調べ計画の決定
ストップ!ザ八ッ場ダム~誰のための公共事業?
11:00~ さいたま地裁 105号法廷
事件内容:ダム建設を阻止するための住民訴訟
期日裁判の内容:口頭弁論
1月15日(木)
空の安全のために~取材ヘリ墜落事故国賠訴訟
11:00~ 東京高裁 817号法廷
事件内容:2004年3月、信越放送のヘリコプターが取材飛行中に送電線に衝突し、墜落した。搭乗していて死亡した記者の遺族が、ヘリコプターを運航していた中日本航空、送電線に標識を設置させる義務を怠った国、標識を設置する義務を怠った中部電力、また、従業員を安全な環境で勤務させる義務を怠った信越放送に対し、損害賠償を請求する訴訟
期日裁判の内容:口頭弁論


1月16日(金)
牛丼すき家「偽装委託」「名ばかり管理職」事件
13:15~ 東京地裁 619号法廷 ※裁判後、報告集会開催
事件内容:2005年9月から2006年10月分までの期間の残業代相当額合計40万2499円(内訳、原告福岡淳子・金30万7178円、原告A・8万299円、原告B・1万5022円)および労基法114条の付加金請求として同額を支払うこと。さらに、原告福岡淳子について、賠償させた金員56万円の返還を、「すき家」を経営する㈱ゼンショーに対して請求する訴訟
期日裁判の内容:口頭弁論
中国人実習生強制労働事件
13:30~16:30 熊本地裁 101号法廷 ※裁判後、京町会館1階で報告集会開催
事件内容:大手アパレルメーカーの製品を製造する天草市の2つの縫製工場に派遣された外国人実習生が奴隷的労働を強いられたため、未払い賃金と不法行為に基づく損害賠償を求める裁判
期日裁判の内容:第7回口頭弁論
首都圏建設アスベスト訴訟
14:00~ 東京地裁 103号法廷 
事件内容:1960年以降、石綿含有建材を使用する建設作業に従事し、石綿粉じんに曝露したことにより、重症の石綿関連疾患に罹患し、労災または石綿救済法の認定を受けた被災者およびその遺族213名が、国および石綿含有建材製造企業46社に対し、慰謝料として1被災者あたり一律3500万円と弁護士費用350万円、合計3850万円を請求する訴訟
期日裁判の内容:第3回口頭弁論


詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

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