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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2008/12/5)

国籍法改正が参院でストップ
組織による妨害工作の可能性も


 婚姻関係にないフィリピン人女性と日本人男性の間の子どもの国籍確認を求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)は六月四日、父母の婚姻を国籍取得の要件としている国籍法三条の規定は法の下の平等を定めた憲法に違反すると判断し、原告の子ども全員に日本国籍を認めた(本欄六月一三日号で既報)。
 判決の翌日には、鳩山邦夫法務大臣(当時)が国籍法改正の意向を表明し、改正案は一一月四日、閣議決定後に国会に提出された。最高裁の違憲判決を受けたことから改正に与・野党の異論はなく、衆・参それぞれ一日の審議で可決させることが合意されていた。
 ところが、法案が提出された直後から、外国人排斥ともとれるような反対意見が法務委員や政党などへファクスで数多く寄せられた。そのため、一一月一八日の衆議院法務委員会の審議では、自民党や民主党の議員から法改正に慎重な質問が集中した。
 稲田朋美議員(自民)は「最高裁から(判決が)出たんだから変えるのは当然だという無責任な考え方でこの改正をしてもらっては困る」と、驚くべき反対意見を展開。さらに「これは司法権による立法府への介入の恐れがあったのではないか」と続けた。
 民主党の古本伸一郎議員は「真正なる日本人の血統」という言葉を繰り返し、偽装認知防止策を訴えた。質問に立った多くの議員が同様の質問を行なったが、法案は全会一致で可決、参議院へ送付された。
 衆議院で可決されたにもかかわらず、反対派の議員は国会内で反対集会を行なうなど、この法案への反対を訴えていた。その中心メンバーが、平沼赳夫議員や稲田議員、山谷えり子議員ら、歴史修正主義者たちだった。
 参議院では、自民党が強硬に慎重審議を主張し、これに民主党が応じたため、審議日数を二日とし、参考人から意見を聴取することになった。質疑終了後に採決されることになっていたが、自民党と民主党の話し合いで二七日の採決は見送りとなった。公明・共産・社民の議員は、民主党の態度に一斉に反発。二七日の委員会前の理事懇で結論は出ず、話し合いは打ち切られ、参考人質疑が始まった。
 二人の参考人からは、DNA鑑定は人権侵害の恐れがあること、違憲審査が認められている以上立法権を侵害したことにならないなどと、改正反対派の主張に反論した。しかし、この参考人質疑後、参考人の意見を全く蔑ろにする質問が行なわれた。
 新党日本の田中康夫議員は「すべての認知にDNA鑑定を義務付けるべき。偽装認知奨励法にほかならぬと懸念されている本法案は、人身売買促進法、小児性愛黙認法と呼び得る危険性をはらんでいる」とまで言い放った。まるで外国人を見たら犯罪者と思えと言わんばかりだ。田中議員はこの改正に反対し、独自の法改正案を主張。「国民新党の亀井静香代表代行や民主党の鳩山由紀夫幹事長からも法案修正を勝ち取って衆議院に差し戻してほしいと激励を受けた」と述べた。
 この他、質問に立った山谷議員も慎重審議をするべきと、稲田議員と同様の質問をした。審議終了後、社民党の議員は「自民党だけでなく民主党の対応がひどかった」と怒りをあらわにした。
 公明党議員は「過半数の民主党が採決すると言えばすぐにできた。民主党の千葉景子議員は速やかに採決をするよう主張したが、他の民主党議員に反対され孤立した形で気の毒だった」と語った。
今回の国籍法改正法案の審議過程で見えてきたのは、排外主義、歴史修正主義者が自民党だけでなく民主党、さらに市民派と言われる議員にも見られたことだ。
 かつて薬害エイズの原告として闘い、市民派の支持を受けて参議院議員となった川田龍平議員も自身のホームページで反対を表明し、稲田議員らと同様の主張を行なった。
 今回の改正は、胎児認知には国籍を認め、出生後認知にはさらに婚姻要件を課すことが憲法違反とされたのであり、婚姻要件を削除しただけの改正だ。さらに偽装認知の防止策として罰則規定を新たに設けているのだ。なぜ、法案審議が偽装認知の防止に集中するのか理解に苦しむ。
坂本洋子・mネット・民法改正情報ネットワーク共同代表


▼法務委員会に所属する国会議員の各事務所には、国籍法改正反対のファクスが大量に届く現象が起こっているという。ある国会議員秘書は、「連日、事務所には二〇〇通以上のファクス、加えてメールに電話対応と、事務所機能が完全に麻痺してしまい、通常の業務が滞る状態が何日も続いています」と困惑している。
 ファクスの内容は、ほぼ同じ内容をなぞっただけの「コピー&ペースト」で、チェーンメール、組織票と呼べるようなもの。閣僚経験のある別の与党議員事務所秘書は「法案の問題点を精査していない理解の浅さからくる発言ばかり。しかもほとんどが匿名なので対応もできません。内容は『外国人との婚外子に国籍を与えるにはDNA鑑定を』と国籍法の問題と『認知』の定義の問題を混同しているものが多いですね。しかしそもそも現状の認知制度が血縁関係の厳密な認定を求めていません。ならば、外国人との子ばかりではなく、日本人同士の場合を含めて、認知のありかたを議論する必要があるでしょうね。むしろ法案成立の阻止に効果がない空回りした運動ですよ」としている。
 なお、ある議員事務所では「ネットなどで『議員にFAXを送れ』などとしている煽動者を特定してください」と、威力業務妨害で、警視庁麹町警察署に被害届を提出している。
小谷洋之・ジャーナリスト

竹島/独島問題で
国際シンポ開催


 一一月一八日~一九日、韓国・ソウルで「独島・歴史認識と国際法」と題した国際シンポジウム(主催・東北アジア歴史財団/仁荷大学)が開催された。英国、オランダ、ナイジェリア、米国、オーストラリア、韓国、日本、中国の国際法と歴史の研究者やジャーナリスト、市民など一〇〇人以上が参加した。
 日本からは、荒井信一・茨城大学名誉教授が基調講演を担当。発表者として、和田春樹・東京大学名誉教授、朝日新聞コラムニストの若宮啓文氏、柳原正治・九州大学教授、兼原敦子・立教大学教授、齋藤民徒・金城学院大学准教授が参加し、筆者も第一セッションのコメンテーターとして参加した。
 荒井氏は「二〇〇五年の島根県の『竹島の日』制定、〇八年の文科省による学習指導要領・解説書への竹島記載で、八年間に二度も日韓の緊張が高まった。ソウル大学の法学部の学生に対するアンケートによると、韓国の学生の竹島/独島の認知度はきわめて高いが、日本の学生の認知度は低い。国民全体も同様である。日本政府は、国民の認知度が低い中で、竹島は日本の固有の領土ということを押しつけている。竹島/独島問題は、日露戦争と日本の韓国併合の過程と密接に結びついた歴史問題。この問題の対話が理性的な議論の出発点になると思う」などと語った。
 シンポジウムは、(1)「独島問題についての対話:日本の側から」(2)「領土紛争の現実」(3)「島をめぐる領土紛争と国際司法裁判所の最近の判決」(4)「植民地主義と帝国主義、領土紛争および国際法」(5)「独島をめぐる領土紛争解決のための枠組みつくり」の五つのセッションがあり、国際司法裁判所がこれまで行なった島の領有権や排他的水域確定の審判の実例が具体的に紹介されるなど歴史と国際法からの検証や提案が行なわれた。
 欧米の研究者は、日韓両国政府が領有権問題としてだけでなく、包括的な解決の道筋を冷静に話し合うことを主張。韓国の研究者も含め、平和的な解決の方向を見出そうという意見が多く出された。
俵義文・子どもと教科書全国ネット21事務局長

都教委が土肥校長に
「反省を促す」決定


「職員会議での挙手・採決禁止通知」(二〇〇六年)への世論の批判をかわすため、都教育委員会の都立学校教育部高等学校教育課は一一月一三日の都教委定例会に、「通知が、教員や校長の言論の自由に影響を及ぼしていない」が九五%、「影響がある」は〇%、との同教委学校経営支援センター経営支援チーム職員による、校長らのみ対象の調査結果を報告した。
 これに関し同月一八日の都議会文教委員会で、古館和憲議員(共産)は、(1)支援センターの聞き取りという手法では、都教委と異なる意見が言えない。「はい、いいえ」も、校長らが選択しているのでなく、同センター職員が用紙にマルを付けたと聞いている、(2)意見を言い難くなったのは校長より教員なのに、なぜ教員に聞かないのか、(3)学校組織は上司の命令だけでは成り立たないし、通知はお知らせに過ぎない、などと追及。
 都教委の森口純・都立学校教育部長は(1)(無記名の)アンケートでは一方的となり正確でないので、学校訪問し意見交換した、(2)都教委は職員会議は「校長の補助機関」と位置付けており、校長の責任の下で行なわれるので校長に聞いた、(3)地方教育行政法第三三条を受け、「校長権限で決定する」と規則(改定)で定めた、適正にして円滑な学校経営に、校長や教員は努める義務がある――などと正対しない答弁に終始した。
 また古賀俊昭議員(自民)は、「今回の調査に『客観性が薄い』と横槍を入れる人がいる。三鷹高校の土肥信雄校長は、外部の政治勢力と結託し、好き勝手な発言をしている」と放言。傍聴した市民たちが文教委終了後、都教委を訪れるなどし、今回の調査対象から三鷹高校だけ外した理由を質問すると、都教委側は「調査時期(六~九月)に土肥校長はさまざまな意見表明をしており、状況把握をしていたので除いた」と、苦しい回答をした。
 この後、二七日の都教育委員会定例会で竹花豊委員は、土肥校長に対し「都教委という組織に敵対的な態度だ。支援する市民の集会に出席したりしている行動は由々しきこと」などと発言し、「反省を促すこと」を決めてしまった。
永野厚男・教育ライター

全国で急ピッチで進む
国民保護実動訓練


 臨戦態勢の日常化をめざす国民保護法に基づき、国と都道府県と共同の図上・実動訓練が二〇〇八年度末までに一〇県を残すのみとなった。
 一一月一九日には岡山県で初めての実動訓練があった。二〇〇〇~三〇〇〇人がスポーツ観戦中の県総合グラウンドで、国籍不明のテログループがサリンをまき、一八五人の死傷者が発生したという想定で、内閣官房・消防庁・自衛隊・岡山県・市など三八機関約五〇〇人が参加。テログループの逃走経路にあたる四つの学区連合町内会から避難訓練に約一二〇人の住民が動員された。
 今年度まで実施の共同訓練はすべて生物・化学による大型テロを想定したもの(都単独で放射能テロ想定の訓練を実施)。こうした緊急対処事態の訓練は「規模や国民の理解度から最初に取り組みやすく、まず法の仕組みを理解してもらう」(内閣官房危機管理担当)と、国民に拒絶感の強い「武力攻撃事態等」の訓練に先行させている。だが岡山県での図上訓練(今年一月)ではテロは「アジア系外国人」とされ、仮想敵(国)への警戒心を浸透させる工夫も巧妙に仕掛けられていた。
 憲法改悪反対岡山県共同センターは「日本を戦争国家へ導く一里塚」と訓練中止を申し入れた。
上羽修・岡山・十五年戦争資料センター事務局長


▼同月二六日には、長野市内で大規模な国民保護実動訓練が行なわれた。国民保護法に基づく国・県・長野市合同の実動訓練としては初めてで、国際スケート大会会場(ビッグハット)にサリンがまかれて観客多数が被害に遭い、テロリスト(G8粉砕を叫ぶ)は逃走後、長野駅構内に立てこもるというもの。
 当初の計画では、特殊部隊による鎮圧、立ち入り制限、住民や看護学生七〇〇人動員・ボランティアを公募と、国民保護訓練としては「過去最大」と打ち上げられていた。一方、県内の市民運動は「これは戦争訓練だ」と抗議申し入れ・集会・デモなど早くから反対の声を上げ、『信濃毎日新聞』も特集記事を組み社説で懸念を表明するなど問題化。すると訓練規模が直前になって縮小された。
 当日は朝から、「市民の会」や「共同行動」の人たちが駅頭で情宣し、その後、各訓練ポイントで、監視活動や抗議行動を展開した。集約地点の市民ホール前では、化学テロ防備の装甲車など自衛隊車両が並び、自衛隊員が移動車両で炊いたご飯を赤十字の女性たちがおにぎりにして配る。動員された住民たち(三〇〇人強に減)がおにぎりと豚汁を味わうなか、シュプレヒコールが響きわたる。
 学校ぐるみで取り組んだ日赤の看護学生らは、災害救助訓練程度の認識で、素直に楽しんでいた。国民保護訓練が「テロ災害」対策訓練として日常化した光景だが、まぎれもなく有事体制づくりの布石であり、九月五日号本欄で報じた防災訓練の延長上に、戦争協力=動員が図られている。村井仁・長野県知事は「権利の擁護ばかり言って、行動の制約が不十分だ」と、現行法への不満を表明。有事の備えとは何か、今こそ論議される時だろう。
藤田五郎・山谷労働者福祉会館活動委員会

反戦と抵抗の祭<フェスタ>
全国からの参加で賑やかに開催


 二〇〇四年から続けられている「反戦と抵抗の祭<フェスタ>」が今年も一一月二九、三〇の両日、都内で開催された。今年のテーマは「責任者出てこい。これはヤツらの戦争だ」。戦争責任者の追及を掲げた実行委員会の呼びかけに、全国各地から多くの参加者があり盛り上がった。
 初日の屋内集会は、生存や反戦など様々なテーマで活発な議論が交わされた。「恐慌からの脱出は戦争に非ず」のトークイベントでは、一〇月末に廃業に追い込まれた、京品ホテル(東京都港区)の従業員らが加盟する「東京ユニオン」の渡辺秀雄委員長が急遽参加。「組合員は疲れている。しかし、雇用と職場を守るために自主営業を頑張っていきたい」と語ると、会場からは大きな拍手が起きた。
 つづく「麻生邸のリアリティ」では、ジャーナリストで「人権と報道・連絡会」世話人の山口正紀さんが問題提起。一〇月の「麻生首相のお宅拝見ツアー」で三人が逮捕(後、全員不起訴)された際、テレビ各局・新聞各社が警察の報道をそのまま垂れ流したと指摘。「メディア自身が権力の共犯者になっている。それをみなが自覚し、メディアとの戦いを位置づけることが重要になっている」と強調した。
作家の雨宮処凛さんは、「現場に緊張感が走った時だけカメラを回すメディアに不信感を感じました」と発言した。
 三〇日のサウンドデモは、 手作りのプラカードなどを手に、「麻生は辞任しろ!!」「時給をあげろ!!」などとシュプレヒコールを上げながら、渋谷の繁華街をデモ行進した。参加者の一人は、「個人を踏み潰すことや排除することに、何の痛みも罪悪も感じない国や会社、組織などに対して、徹底的に抗っていきたい」と力強く語った。
野村昌二・ジャーナリスト


コラム



知られざるセブン-イレブンの正体 トークライブ



金曜日刊『セブン-イレブンの正体』刊行記念トークライブが11月28日、東京・ASAGAYA/LoftAで行なわれた。ゼブン-イレブン元オーナーHさんは「セブン-イレブンは、冠婚葬祭などでオーナーが不在の場合には営業代理制度があると言っていたので、信頼しきって加盟したが、実際は、実の母親が亡くなった時にさえ、その制度を使わせて貰えなかった」と訴え、別の元オーナー鈴木勝さんは「本部は深夜営業を止めると売り上げが減ると言うが、少なくとも私の住んでいる地域では必要ない。深夜営業ではみんな、自分や家族を犠牲にしている。それがどれだけ人権を無視しているか」と、本部が強要するオーナーへの過酷な労働環境に対し、憤りを隠さなかった。
 また、現役オーナーであるOさんは「一番の問題は、会計システムにある」として、オーナーは独立した自営業者であることをもっと自覚すべきだと話した。セブン-イレブンの問題を長年追及している北野弘久弁護士は「これで暴動が起きないのがおかしい。オーナー100人が集まり、おかしいと表明すること、団結することが必要」と力説した。知られざる大企業セブン-イレブンの正体に、聴衆は真剣に耳を傾けていた。           文/写真 ゆげたりえ・編集部


ジェンダー



【政府】厚労省の自己評価
は甘いと指摘 総務省評価 
委員会 11月26日
 総務省の「政策評価・独
立行政法人評価委員会」(委員長・大橋洋治全日空会長)は11月26日、厚労省など4府省による政策評価の検討結果を答申したが、この中で厚労省による少子化関連施策について厳しい指摘が行なわれていた(『毎日新聞』11/23、『共同通信』11/26)。
 例えば厚労省は、育児休業制度について「育休取得率が02年度の64%から07年度には89%に向上」と説明したが、答申では、出産後も働きながら仕事を続けたいと思いながら退職を余儀なくされた女性の数を把握しておらず「効果を的確に把握することはできない」と指摘(『毎日新聞』同上)、また、「仕事を続ける」としている女性の希望を実現できるような政策展開を求めた(『共同通信』同上)。


【国連】「女性に関する暴力」国際デーでニコール・キッドマンが会見 11月26日
 毎年11月12~25日までの2週間は、国内でも「女性に対する暴力をなくす運動」として政府(男女共同参画推進本部)主唱のキャンペーンが行なわれているが、今年は、国連女性開発基金(UNIFEM)が「女性に対する暴力にノーを」(Say No to Violence against Women)として、女性への暴力根絶を求めるネット署名を募っていた。「女性に対する暴力撤廃国際日」である11月25日、国連本部でのイベントで、同基金の親善大使であるハリウッド俳優ニコール・キッドマン氏が約506万6500人分の署名を潘基文事務総長に手渡した(『時事ドットコム』11/26、『サンケイスポーツ』同)。
 キッドマン氏は、「これは署名であるだけでなく、数百万の人々の希望と期待そのものです」と強調した(『時事ドットコム』)ほか、「目標を大きく超える署名が集まったとお知らせできるのは本当にうれしい」「より多くの署名を集めることは、『女性への暴力根絶』を各国政府の最優先課題に押し上げる力になると考えた」(『サンケイスポーツ』)などと話した。この活動については、内閣府男女共同参画局がウェブサイトで署名のための特設ページを設け、小渕優子少子化担当大臣も同ウェブサイトに設けられたブログで署名を呼びかけており、麻生太郎首相もこれに加わったという。


【地方自治】二人の女性市長誕生 11月30日
 11月30日に行なわれた市長選挙で、二人の女性市長が誕生した。新潟県魚沼市では新人で前市議の大平悦子氏(無所属、52歳)が現職を破り、千葉県白井市では、無所属新人の経営コンサルタント横山久雅子氏(民主・社民推薦、58歳)が2度目の挑戦で当選。いずれも県内初の女性市長となる。

協力/現田正義


国際短信



ベネズエラ
チャベス大統領が
「新たなクーデター」を警告


11月23日の地方選挙で与党・統一社会党の「大勝利」を宣言したベネズエラのウゴ・チャベス大統領だが、2002年に起きたのと同様のクーデターの陰謀が練られつつあるという警告を国民に発した。
 チャベス大統領によれば、首都カラカスに程近いカラボボ州で貧しい市民のための無料診療所が放火され、また西部のタチラ州では反対勢力が牛耳る地方政府によって無料教育施設の撤去が通告された。また同じく富裕層が多く住み、反チャベス派が多数を占めるミランダ州でも政府が維持・推進する住民福祉・教育施設の追い出しが始まっている。
 大統領によると、一点の出来事はかつてのクーデター前に発生した現象と類似し、「暴力の下準備」であると指摘。右翼政権が牛耳るコロンビアと国境を接するスリア・タチラ両州は麻薬取引が盛んでCIAに指導された武装勢力がしばしばカラカス政府を脅かしており、その動きも懸念される。大統領は「残り4年の任期が終わる前に私を倒そうとする企てで、断じて民主主義や人民のためのものではない」と警告した。野党は選挙があった22州のうち首都区を含む5州を治めるだけだが、米国と富裕層の固い支持を受けている。
童子丸開・著述家

米国
「チェンジ」の大ウソを暴露する
オバマ「超タカ派新政権」の人事・人脈


 来年1月20日の大統領就任式を前に、オバマ氏のブッシュ政権との差がないに等しいタカ派・好戦主義の軍事・外交路線が早くも露わになっている。特に次期米政権発足に向けた準備機関である「政権移行チーム」の主要メンバーやブレーン、閣僚の顔ぶれを見れば一目瞭然で、「チェンジ」のウソは明らかだ。
 典型的なのは、諜報関連の同「チーム」を取り仕切っている元CIA高官のジョン・ブレナン氏の存在。2003年3月のイラク開戦前、国連安保理でパウエル国務長官(当時)が行なった前代未聞の「イラクの大量破壊兵器」に関する演説の下敷きになった、CIAによる情報偽造工作を手がけた人物。さらに、CIAによる拷問や「容疑者」の外国への強制拉致・収監といった違法行為や裁判所の許可のない盗聴などを正当化する発言を繰り返しており、オバマ氏のブレーンでもある。
 また中東問題のオバマ氏のブレーンであるデニス・ロス氏は、ユダヤロビーの大物。ワシントンに影響を及ぼすユダヤロビーの最強団体「米・イスラエル公共問題委員会」に今年出席して「イスラエル無条件支持」などとオバマ氏が演説した際の、スピーチライターだ。一時ブッシュ政権の防衛・外交部門を握った極右ネオコンと密接で、現在対イラン攻撃を裏で画策している中心人物の一人だ。
 オバマ氏の閣僚任命第一号で、次期首席補佐官に任命されているラーム・エマニュエル下院議員はイスラエルの二重国籍者で、以前FBIがイスラエル諜報機関・モサドとの関係を内定していたとされる。イラク戦争の積極的支持者で、民主党内で一時米軍の段階的撤退論が出た際、増派を主張。国際的な非難を浴びたイスラエル軍のパレスチナ要人暗殺についても積極的に擁護している。
 国務長官に決定したヒラリー・クリントン上院議員は選挙期間中、「(自分が大統領なら)イランを攻撃する」「イラン人を全部抹殺できる」などと問題発言。イラク開戦前には「大量破壊兵器」や「テロリストとの関係」といったブッシュ政権のデマを自ら繰り返して戦争を煽り、イスラエルによるヨルダン川西岸の不当な「分離壁」についてもわざわざ現地で賛美するほどの、超タカ派の代表格だ。
編集部


今週の裁判予定



協力/NPJ


12月8日(月)
落合川とホトケドジョウを救え!
~川が原告となった初の訴訟
10:30~ 東京地裁 民事45部書記官室 
※傍聴不可だが、裁判終了後説明会あり。希望者は、東京地裁527号法廷へ
事件内容:東京都東久留米市を流れる落合川には、絶滅が危ぶまれているホトケドジョウが生息している。工事により、ホトケドジョウの生育環境が破壊されるなどとして、周辺住民4名が、ホトケドジョウと落合川も原告に加え、東京都に対して起こした、埋め立て工事の差し止めを求める訴訟
期日裁判の内容:進行協議(非公開)


12月11日(木)
責任逃れは許さない!L&G広告塔に対する損害賠償請求事件
13:10~ 東京地裁 415号法廷 
事件内容:経営破綻したL&Gの広告塔として活躍していた細川たかしと大学教授2名及び上部勧誘会員(GA)に対し、L&G詐欺の被害を拡大させたとして、被害者7名らが、詐欺により受けた被害の賠償4584万6900円を請求する訴訟
期日裁判の内容:第4回口頭弁論
ホームレス日本橋公園強制撤去損害賠償請求事件
13:15~ 大阪地裁 1010号法廷 ※裁判後、13:00から弁護士会館で説明会あり
事件内容:公園内の生活者への強制撤去などの行為の違法性と法的責任を明確にし、野宿生活者にも、当然、個人の尊厳、生存権、財産権があることを、司法によって確認してもらうことを目的とした訴訟
期日裁判の内容:判決
詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

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殺すな、殺されないために!
6月21日、戦争立法に反対する学生デモ(京都市)スピーチ集

著者:SEALDs KANSAI シールズ関西:Students Emergency Action for Liberal Democracy – s KANSAI =自由と民主主義のための関西学生緊急行動

殺すな、殺されないために!

【内容紹介】 SEALDs KANSAI(シールズ関西)が 6月21日に京都市内で行なった 「戦争立法」に反対する...


お金のギモン! 何で私に聞くんですか?

著者:斉藤賢爾

お金のギモン! 何で私に聞くんですか?

著者の斉藤賢爾さんはビットコインに代表されるデジタル通貨の専門家。 ですが、本書はビットコインの解説本ではありません。...


貧困なる精神26集
「戦争」か侵略か

著者:本多勝一

貧困なる精神26集

朝日新聞入社以来約六〇年、ジャーナリズムの第一線で書き続ける本多勝一。これまで数多くのルポを記してきたが、ジャーナリスト...


反知性主義とファシズム

著者:佐藤優・斎藤環

反知性主義とファシズム

知の怪物と気鋭の精神科医がカルチャー(AKB、村上春樹、宮崎駿)から 反知性主義がはびこる日本社会を読み解く。振り幅の...