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金曜アンテナ

金曜アンテナ(2008/11/28)

本誌15周年記念の「大集会」
笑いと熱気に溢れた6時間


 本誌創刊一五周年を記念した大集会が二二日、東京・九段会館で開催された。本誌コラム執筆者の松崎菊也さんが総合司会を担当し、風刺と笑いに溢れる六時間になった。
 第一部は筑紫哲也さんと縁があった矢崎泰久さん、田中優子さん、高遠菜穂子さんらがそれぞれの思い出やエピソードを言い交わした。
 この日七七歳の誕生日を迎えた本多勝一さんが改めて「本誌の役割」について語った後、読者からの疑問、提案に佐高信・本誌発行人兼編集委員、北村肇・本誌編集長が回答するコーナーへ。「批判ばかりではなく提言記事も掲載すべきでは?」という意見に対して佐高氏は、「われわれの役目は徹底的に批判をし貫くことだと思う。『批判がぬるい』という批判は受け容れるが、『批判ばかりしている』という批判は受け容れるつもりはない。代案出せ、という土俵に乗っかった時に堕落が始まる」と発言し、会場から拍手が沸き起こった。北村氏は「怒って、闘って、何かを変えた。そういう人たちの運動をこれからも紹介していきたい」と付け加えた。
 第二部は石坂啓さん、“週刊金曜日のお笑い担当” 永六輔さん、松元ヒロさん、そして高遠菜穂子さんが登場。とりわけ歴代・現政権への痛烈な風刺パフォーマンスに、会場はこの日一番の盛り上がりに。
「新帝国主義の時代」と題した佐藤優さんの講演は「最近、いや~な感じがしませんか」という言葉で始まった。集会前の一週間、元事務次官殺傷事件をめぐって「テロ説」報道が連日流されたほか、「田母神論文事件」も起きていた。佐藤さんは、「『週刊金曜日』でこれからしたいことは二つ。社会民主主義の思想をもう一度丁寧に解き明かすこと。そしてテロやクーデターの思想がどういうものであったか、どこに魅力や危険があるのかを、“予防注射”の意味で読み解いていきたい」と提示した。
 ファシズム運動がはじまり国内で排外主義が勃興する――。こんな懸念を象徴するような「麻生ツアー」逮捕事件(本号20ページに関連記事)が、第三部の大きなテーマのひとつになった。不当逮捕された当事者(処分保留中)の「渋谷1号さん」「渋谷2号さん」が舞台に登壇し、「公安刑事と目が合っただけで逮捕された」、その瞬間の生々しい様子を詳言した。
 雨宮処凛さんは「一二日間も勾留されると、不安定雇用の人たちは生活の基盤を破壊されてしまう。向こうにとって、何もできなくさせるためには一番いい方法」。反貧困ネットワーク代表で弁護士の宇都宮健児さんは「運動の広がりに対して公安警察は警戒をしているのだと思う。本当の政治家であれば、苦しんでいる若い人たちを公邸に呼んで、実情に耳を傾けるくらいの度量の深さがあるはず。警察を使って嫌がらせするなんてとんでもない」などと批判した。
 中村うさぎさん×萱野稔人さんによるリアルタイムでの「金曜日の素朴な疑問」コーナーのほか、落合恵子さんは「宿題」と題し「お年寄りの人権をもう一度素手に握りなおしたい」と強く語りかけた。
 集会のラスト、佐高氏は「ホームの温かさ」という言葉を使い、「これから」への支援を呼びかけた。
※筑紫哲也さんの追悼企画部分は、次号特集で掲載します。
山口舞子・編集部


神奈川県教委の
“君が代”不起立
氏名収集で提訴


 卒業式等の “君が代” 斉唱時の、不起立教員の氏名収集を強行している神奈川県教育委員会に対し、県立高の教員一八人が「個人情報収集は憲法と県の条例に違反する」と、氏名収集取消と損害賠償を請求する裁判(一〇月二四日号本欄)を一一月一七日、横浜地裁に提訴し、同日夕、提訴集会を横浜市内で開いた。
 憲法第一九条を具体化した神奈川県個人情報保護条例(以下、条例)六条は、思想・信条に関する個人情報の収集・利用を原則禁じており、県個人情報保護審査会は昨年一〇月、「不起立という行為は当該教員の思想・信条に基づく行為である」と認め、「県教委による氏名収集は違法」とする答申を出している。
 これを受け県教委はいったん、収集した氏名の記録を破棄したが、条例六条但し書きの例外規定を曲解し、今春の卒業・入学式での不起立教員の氏名収集を再開している。
 提訴の法律構成に関し、教員側の阪田勝彦弁護士は、条例六条の禁止規定を例外的に解除できるのは、「選挙に立候補した人が無所属とか政党名等を明らかにしなければならない等、民主的プロセスを通じ、しかも憲法に違反しない有効な法令によって明示等されている場合」など三つのケースに限定されると説明。審査会に続き審議会も今年一月、「不起立教員の氏名収集は不適」と答申していることから、阪田弁護士は「県教委の氏名収集再開は例外規定に該当しない」と強調した。
 また、県教委が校長に不起立教員の氏名を収集させていることについて、阪田弁護士は、憲法第一三条から認められるプライバシー権、条例八条三項が規定している「本人以外からの個人情報収集の禁止」に違反する、と指摘した。
 次に兄弟訴訟と言える「こころの自由裁判」の大川隆司弁護士は、愛媛玉串料訴訟(九七年四月)の尾崎行信裁判官の「大正デモクラシーで人々は自由を享受していたが、わずか数年で国家の意図するままに一変し、信教の自由はもちろん、思想・言論・出版の自由もことごとく制限・禁圧され、有名無実となったのみか、生命身体の自由をも奪われ『今日の滴る細流がたちまち荒れ狂う激流となった』のは、最近のことである」との意見を引用、国家権力による思想統制に警鐘を鳴らした。
永野厚男・教育ライター

「君が代」不起立で
府教委が教諭を
「呼び出し」


 今春の卒業式で、一七〇人の卒業生のほぼ全員が「君が代斉唱」時に起立しなかった大阪・門真市の門真市立第三中学校について、大阪府教委がこのほど、生徒たちに「内心の自由」の視点から「立つか立たないかは自分が考えて」と教えたA教諭に対し、一一月二一日に「事情聴取をする」と呼び出しを通告した。
 だがA教諭は「事情聴取に応じるか否かは現場で判断したい」として「有給休暇を取り出向く」と通告したところ、前日になって府教委側は、「業務としてでなければ困る」という理由で突然呼び出しを中止。今後の対応についても、説明はない。
 これまで門真市教委は他の教諭らにも「事情聴取」と称し何度も呼び出しをかけている。これに対しA教諭は、「同じことを聞かれ、単にプレッシャーをかけているだけ」と、四回目の「事情聴取」を拒否。だが市教委は執拗に呼び出しをかけ、校長も「事情聴取に応じよ」と職務命令。A教諭はこれも拒否していた。A教諭を支援する戸田ひさよし門真市議は、「問題は、生徒の不起立を “組合教師”のせいであるかのように報じた『産経』のデマ記事にある。今後処分が予想されるが、絶対に阻止したい」と語っている。
成澤宗男・編集部


不当労働行為の
救済申立棄却
反リストラ産経労が
国を提訴


 フジサンケイグループの合同労組「反リストラ・マスコミ労働者会議・産経委員会(反リストラ産経労)」は一一月一八日、中央労働委員会(中労委=労使紛争のあっせん、調停、仲裁、不当労働行為の救済などを行なう国の組織)、つまり国を相手取って命令の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に提起した。
 取り消しを求めたのは、不当労働行為救済申立の再審査請求を棄却した命令。反リストラ産経労は、東京都労働委員会(都労委)で不当労働行為救済申し立てが棄却されたことを受け、中労委に再審査請求をしていた。
 同労組は九四年一月、産経新聞グループの「超御用組合」で、スト権を放棄、組合委員長は会社の取締役会に出席し、経営の執行機関・局長会の構成員になること、昇給・賞与は会社側が全額考課査定することを認める産経労組に対抗して結成された。
 会社は結成の翌月、委員長で産経新聞社の子会社、日本工業新聞社(現紙名+フジサンケイ・ビジネス・アイ)の論説委員だった松沢弘さんを千葉支局に配転。松沢さんが管理職だという理屈で二六回におよぶ団体交渉要求にも応じなかった。
 九四年二月、反リストラ産経労が都労委に対し不当労働行為(団体交渉拒否)の救済申し立てを行なうと、その審査の最中の九四年九月に、会社は松沢さんを懲戒解雇してしまう。
 松沢さんは、二〇〇二年五月、東京地裁で解雇無効の地位確認訴訟で勝訴するも、〇三年二月、東京高裁で逆転敗訴。〇五年一二月、最高裁もこれを追認した。裁判の決着を待って審査を引延ばしていた都労委は〇六年一二月、申立てから一三年近くを経て不当労働行為救済申立を棄却。反リストラ産経労は同月、中労委に再審査を申立てたが、〇八年五月、再審査申立を棄却する命令を交付した。
「懲戒解雇も団体交渉拒否も、フジサンケイグループによる労働組合つぶしという不当労働行為だったことを認めさせたい。今、親会社のフジテレビも含めて非正規雇用の労働問題を何とかしなければと主張しているが、会社内部では新しい組合さえ認めない。経営と言論は別というダブルスタンダードを是正しなければならない。不当労働行為を放置した中労委に対し、裁判で私たちの正当性を立証し、私が職場に戻ることによって、非正規労働者の加盟をふやすなどして労組の活動を定着させたい」と松沢さんは語る。
 反リストラ産経労ウェブサイト「フジテレビ・産経新聞の真相」
URL http://www006.upp.so-net.ne.jp/fujisankei/
※31ページに関連記事
清水直子・ライター


京品ホテル廃業問題
売買契約が白紙に


 老舗ホテルをつぶして一等地を売り払う――。リーマンブラザーズの子会社、サンライズファイナンス(民事再生申し立て)が債権を買い占めた京品ホテルの廃業問題で、“荒稼ぎのスキーム” が綻び始めた。一一月二一日午後五時頃、京品ホテルの不動産の買い手だったLCホテルズ(鈴木総一社長)代理人が、従業員らの組合・東京ユニオンに、「本件売買契約を破棄する。(関係者への)通告も終わった」と連絡してきたからだ。
 ホテル廃業・全員解雇の「前提」だった不動産売買契約が白紙に戻ったことで、ホテル廃業の是非は根本から問い直されることになる。
 一方、京品実業は東京地裁に、「東京ユニオン側の当社施設からの退去」を求める仮処分を申請。同月一七日の第一回審尋では結論が出ず、二八日の第二回に持ち越された。
 二一日夕方、京品ホテル屋上で自主営業三〇日に際しての集会が開かれた。本誌の佐高信編集委員が「労働者が自分たちで仕事を続けるのは当然の権利。社長やアメリカの破綻に負けず頑張れ」。衆議院議員の保坂展人さん(社民党)、小島茂連合総合政策部長と激励が続いた。東京ユニオンの渡辺秀雄委員長は「買い手が降り、勝利へのワンステップが刻まれた」と宣言した。
 一〇〇人ほどの参加者は「ウィ・シャル・オーバーカム」を合唱。もし地裁が立ち退きを命じても、座り込んで抵抗する決意を固めた。一二月八日(月)午後六時からは、ホテル前で「強制立ち退き阻止集会」が開かれる。
北健一・ジャーナリスト


兵庫・加古川郵便局の
不当労働行為に提訴


 兵庫県加古川郵便局のJP労組加古川分会教宣部長の江渡積さん(五八歳)が一〇月一〇日、雇用主である郵便事業会社を相手取り労働委員会提訴を行なった。
 江渡さんは前JPU加古川分会長。労働組合が全郵政と合併するにあたり、分会長は支部が任命することになり、全郵政への配慮もあって分会長には任命されなかった。労働組合を御用化するために、現場で闘う人は組合役員にさせないというJP労組の方針によるものだ。
 今回の提訴のきっかけは、分会員への不当な処分と、二〇年間発行されてきた分会機関紙『躍動』の中身に対し、支店長の梅澤信義氏が干渉し、分会掲示板への掲示を禁止したばかりか、梅澤支店長への批判を書き続けるなら分会事務所・分会掲示板の便宜供与をやめて取り上げるという「最後通告」を行なってきたこと。江渡さんはそのような組合活動への介入をやめろと求め、このたび分会員の怒りを代表して郵便事業会社の不当労働行為に対する提訴を行なった。
 この提訴に対し、労働委員会は「郵政事業民営化の始まりの時期なのだから和解してはどうか」と双方に働きかけている。江渡さんは「このような明確な不当労働行為に対して、取りけし命令以外に解決の道はない。和解案がそのような中身のものであることを望む」と話している。
高見元博・ライター

化学物質過敏症を
知ってほしい!
東京・渋谷でイベント


 一一月二二日、一〇〇人を超える化学物質過敏症の発症者とその支援者が東京・渋谷に集まった。「化学物質過敏症知ってね☆うぉーく」。全国にたくさんの発症者が存在していることを、多くの人に知ってもらうために、反対や抗議ではない形のアピール行進として、発症者が立ち上がった。
 地球は化学物質汚染の飽和状態にある。低毒性を謳い文句にあらゆる日常の分野で、化学物質は安易に多用されすぎている。その使用によって苦しめられているのが化学物質過敏症の発症者だ。
 渋谷の街は大気汚染や路上喫煙の害が深刻で、発症者にとって過酷な街。それでも多くの人に化学物質過敏症のことを知ってもらわなければ、いつまでも無理解と偏見で苦しむことになると、参加者は体調の悪化を覚悟で臨んだ。
 参加者は「多くの人が苦しんでいる汚染の深刻さを知っていただきたい」「家からも出られずに苦しんでいる発症者仲間のためにもこの病気を知ってほしい」と話していた。
村田知章・「化学物質過敏症知ってね☆うぉーく」代表


和歌山カレー事件
地元で支援する集い


 和歌山カレー事件の一、二審で死刑判決を受けながら、無実を訴えて上告中の林眞須美被告人(四七歳)を支援する「第四回和歌山カレー事件を考える人々の集い」が一一月一六日、約六○人の参加者を集めて和歌山市で開かれた。同月五日に最高裁が、来年二月二四日に同事件の上告審・口頭弁論を開くと発表したばかりで、緊張感漂う中での開催となった。
 集いでは、本誌一〇月一〇日号で対談した夫の健治さん(六三歳)と友人の田中満さん(五八歳)の二人の「被害者」が被告人の無実を訴えて対談。
 裁判では眞須美被告人が事件以前に保険金目的で人にヒ素や睡眠薬を使用していた疑惑が状況証拠として有罪の認定に使われたが、二人はその疑惑の被害者として検察に法廷に担ぎ出された人物だ。
 しかし、法廷で「ヒ素は自分で飲んでいた」と妻の無実を訴えた健治さんは、今回も「カレー事件以前の被害者とされた人たちのうち、Iさんも自分でヒ素を飲んでいた。Dさんも私ら夫婦と共犯で保険金詐欺をやっていただけなんです」と説明。病の体を押して出席した田中さんも「私は、眞須美さんのことをいっこも疑ったことがない。IさんやDさんも本当のことを言うべきです」と訴えた。
 そんな前代未聞の被害者たちの主張で、一、二審の有罪認定の論理は破綻寸前だ。だが、主任弁護人の安田好弘弁護士は弁論期日の延期を求めた申請が最高裁に退けられたことを明かし、「最高裁が死刑事件で慣例的に開く口頭弁論は、セレモニーにすぎない。その中で最高裁にマトモな判断をしてもらえるように弁護団は今後も新証拠を探し、弁論の内容を練っていく。みなさんにもどうか知恵を貸してほしい」と切実に訴えた。
片岡 健・フリーライター。


コラム



裁判員制度に反対する集会が東京都内で



来年5月に実施が迫る裁判員制度に反対する集会が11月22日、東京都内で開かれた。主催は「裁判員制度はいらない! 大運動」。640人(主催者発表)が集まり、同制度の問題点を論じあった。
 交通ジャーナリストの今井亮一さんが「この8月にはかつて賛成していた社民・共産党が実施延期を求め、民主党も同調。推進派がぐらついてきている」と指摘。続いて高山俊吉さん(呼びかけ人・弁護士)の司会で、漫画家の蛭子能収さん、元小学校教員の森本孝子さん、地域ラジオ放送局パーソナリティの吉沼紀子さん、都内町会会長の藤原隆男さんによるシンポジウムが行なわれた。
 蛭子さんは「賭けマージャン」で警察の取調べを受け、市民からは石を投げられた体験がある。「芸能人は、怒ってキレる市民が恐い。そんな人が裁判員になって人を裁くことは恐ろしい」と語った。
「石原ババァ発言」の原告として裁判を闘う森本さんは、教育基本法改悪以降、教育現場にかけられている攻撃の数々を紹介した。「愛国心教育で子どもたちを戦争に駆り立て、仕事がない若者たちは軍隊へ入隊させ、それ以外の人々は、裁判員制度で戦時司法へ強制動員。殺人に慣らされる」と厳しく批判した。   横山隆英・フォトライター


ジェンダー



【裁判】第2次「ババァ発言」
訴訟の上告棄却 11月11日
石原慎太郎東京都知事が週刊誌上で「女性が生殖能力を失っても生き続けるってのは、無駄で罪です」と発言した、いわゆる「ババァ」発言第2次訴訟で、最高裁判所が11月11日、上告を棄却し、原告の敗訴が確定した。
 石原都知事の発言が女性の名誉を著しく傷つけたとして2002年、119人の女性たちが石原都知事に謝罪と賠償を求めて東京地裁に提訴。裁判は東京地裁、東京高裁ともに原告の請求を棄却したが、知事の発言は憲法、男女共同参画社会基本法、国際条約に反し不適切であると指摘した。
 だが判決後の定例記者会見で知事は原告らを「裁判のための裁判でパフォーマンス」などと非難したため、原告の女性ら92人が2006年、石原氏個人と東京都に対し、謝罪と発言の撤回を求め、第2次訴訟を起こした。東京地裁は2007年7月31日、原告の請求を棄却。原告側が控訴したが、東京高裁は2008年6月11日、控訴を棄却した。


【裁判】岡山地裁、DVで別居中の妻に遺族年金を認める判決 11月18日
 夫の暴力で別居した岡山市の68歳の女性が、夫の遺族厚生年金の受給資格を取り消されたのは違法として、国に不支給処分の取り消しを求めた裁判で、岡山地方裁判所(近下秀明裁判長)は18日、原告の訴えを全面的に認め、国に処分取り消しを命じた。配偶者暴力防止法の趣旨に配慮した画期的な判決。
 女性は夫の暴力が原因で1998年に別居し、夫に生活費を支払うよう岡山家裁に申し立てた。夫が月3万円の生活費を支払う審判が確定していたが、夫は支払わず、2004年9月に死亡。女性は06年10月に遺族厚生年金支給の裁定を受けたが、07年2月に社会保険庁が「夫による生計維持が認められない」として取り消し、2度の審査請求も棄却していた。
 裁判では年金支給の要件の「同一の生計維持」が争点となっていたが、近下裁判長は「夫から生活費が交付されていなかったとしても、支払拒絶が著しく不当な場合は、生計を同じくしていたと評価すべき」と判断し、不支給処分を取り消した。


【インフォメーション】
◆12月7日(日)14:00~18:00▼第4回やより賞贈呈式(やより賞:金美穂さん、やよりジャーナリスト賞:大藪順子さん、山秋真さん)▼会場:早稲田奉仕園AVACO内チャペル(JR高田馬場駅から都バス10分、地下鉄早稲田駅徒歩5分)▼参加費無料▼連絡先:女性人権活動奨励事業(やより賞)事務局(アジア女性資料センター内TEL03・3780・5245URL http://www.wfphr.org/yayori/

協力/mネット・民法改正情報ネットワーク、現田正義


国際短信



フィリピン
国際社会が警告する
アロヨの殺人・テロ


 アジアで最も親米的な政治家とされるフィリピンのアロヨ大統領による反体制活動家や神父、労働組合員、弁護士らを狙った大規模な殺人や拷問が大きな問題になっている。同大統領が就任した2001年以降、少なくともこうした人々の殺害が140人に達し、行方不明者も200人以上とされる。だが有罪判決はごく限られており、関与が指摘されている国軍や警察の捜査も遅れている。
 今年6月に開かれた国連人権理事会の普遍的定期的審査で、フィリップ・アルストン国連特別報告官が提出した『最終調査報告書』では、96人が殺された57事件を対象に「国軍の周到な計画に基づいて、過去6年間に相当数の左派系活動家たちが殺害された」と断定。これに対しフィリピン政府は「偏見に満ちた内容だ」と反論するだけで、意図的に軍人や警官の尋問を回避している。このため、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは今秋から、2010年に予定されている大統領選挙を前に同国の上院議長宛に手紙を送る「グローバル・キャンペーン」を展開中。①殺害・失踪事件の即時かつ公正な捜査②捜査をモニタリングする独立機関の設置――などを要求している。
編集部

パレスチナ
繰り返されるイスラエルの
ナチスに酷似する住民弾圧


 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は11月21日、この数年来かつてないほど住民生活に深刻な事態を及ぼしているイスラエルによる残忍なパレスチナ自治区ガザへの封鎖に強く抗議し、「このままでは人道上の大惨事になる」として、直ちに封鎖を解除するよう要求した。
 UNRWAは、難民と認定された82万人のガザ住民に対し食糧や水など生活必需品を供給している。だが、ナチスの人種迫害に酷似した国際法に反する「集団的懲罰」と呼ばれるイスラエルの封鎖によって、最も影響を受けているのは150万の住民のうち約半数を占める15歳以下の子どもたち。特に栄養失調が懸念されるほか、燃料の搬入も阻止されているため電力供給が滞り、病院の治療に大きな打撃となっており、乳幼児の生命も危ぶまれる「極めて危機的な状況」(地元赤十字関係者)だ。
 こうしたイスラエルの蛮行が繰り返される背景には、今年1月の国連安全保障理事会におけるパレスチナへの人道支援を求めた議長の対イスラエル声明採択の妨害に象徴される米国の公然たる支持がある。米大統領選挙に当選したオバマ氏も、ユダヤロビーの集会で「イスラエル無条件支持」を表明。人権と生命の尊重という国際社会の理念は、米・イスラエルによる挑戦にさらされている。
編集部

ノルウェー
学生がコカ・コーラに「ノー」
インドに連帯して「反道徳的」と批判


 ノルウェーのオスロ大学の学生組織である福祉協議会はこのほど、コカ・コーラを「道徳的に問題がある会社」と断定し、大学構内における「独占的販売」を制限し、「より倫理的で公正な貿易を遵守する会社の飲料製品を供給せよ」とする決議を圧倒的多数で採択した。
 この決議のきっかけとなったのは、インドにおける反コカ・コーラの運動。同社が水資源の枯渇と汚染をもたらしているとして、いくつかの同社の工場が抗議で閉鎖に追い込まれている。福祉協議会の学生は、「今回の議案は、外国で反道徳的な活動をしている企業の製品とは取り引きしないという意思表示」と説明しているが、同趣旨の決議はノルウェーの他の3大学でも採択されている。
編集部


今週の裁判予定



協力/NPJ


12月1日(月)
北海道警不当訴訟名誉毀損事件
13:30~17:00 札幌地裁 5号法廷 ※傍聴券が必要
事件内容:道警の裏金に関する書籍について、元道警総務部長が、執筆した道新記者らに損害賠償を求めた訴訟に対し、共著者である大谷昭宏氏と宮崎学氏が、訴え自体が名誉毀損として提起した訴訟
期日裁判の内容:元道警総務部長の証人尋問


12月3日(水)
神田駅超高架化差止訴訟
10:00~ 東京地裁 103号法廷
事件内容:JR東日本が進めている東北縦貫線計画で、神田駅を中心に1.3kmにわたる高さ約30mの二重高架の建築工事がある。神田住民らが原告となり、建築工事の差止めを求める訴訟
期日裁判の内容:被告の主張に対する反論
横須賀強盗殺人米兵事件
10:00~ 横浜地裁 101号法廷 ※報告集会あり
事件内容:空母キティホークの乗組員の米兵が、現金を奪う目的で通行中の女性を殺害。女性の遺族が、加害米兵と、米兵犯罪撲滅のための措置をとらない国の責任に対して損害賠償を請求する訴訟
期日裁判の内容:口頭弁論


12月5日(金)
えりもの森皆伐事件住民訴訟
10:00~ 札幌地裁 3号法廷(予定)
事件内容:北海道による道有林の皆伐について、森林の公益的機能を侵害したとして損害賠償を求める住民訴訟
期日裁判の内容:口頭弁論
詳細はhttp://www.news-pj.net/npj/npj-cal.html

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著者:佐高信・鈴木邦男著

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左翼と右翼の源流から現在まで。 歴史的な重要人物・事件などを縦横無尽に語る。 「対立」「共感」「爆笑」「苦笑」…… ...