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金曜アンテナ

「原発事故に水俣病の教訓を生かせ」
原田正純さんらが講演(2011/5/13)

 福島原発事故と水俣病事件を考える集いが四月三〇日、熊本県水俣市の公民館で開催された。主催は水俣病被害者互助会。水俣病患者や市民ら、一〇〇人以上が参加した。
 長年、水俣病患者を診てきた医師の原田正純さん(元熊本学園大学教授)が、専門家の責任に言及し、「福島原発事故は天災だから仕方がないというムードがあるが、予想はできたはず。できなければ、科学者や専門家は、なんのために存在するのか」と批判した。また、専門家がいう「安全」は科学的というより、むしろ経済的な判断によることが多いと指摘した上で、原発事故と水俣病事件の共通性を挙げ、科学的根拠にもとづき、補償救済を行なうべきと強調した。
 花田昌宣さん(熊本学園大学教授)は、チッソの第一組合(二〇〇五年三月に最後の組合員が退職)が一九六八年に行なった「恥宣言」を紹介。水俣病について「何もしなかったことを恥とし、水俣病と闘う」と発表し、公害企業の労組が、患者の支援を始めた歴史に触れ、「国やチッソはどうか」と問うた。
 国が決めた水俣病の認定基準の見直しについては、医学的根拠がないと二〇一〇年に大阪地方裁判所が判決を下したが、環境省に見直す気配は微塵もない。「どれほど誤ったことをしてきたのか。基準を見直さないかぎり、問題の解決は進まない」と花田氏は訴えた。
 鹿児島・川内原発の計画段階から一貫して反対している橋爪健郎さん(鹿児島大学非常勤講師)からは、原子力推進政策の問題点について解説があった。
 集会参加者が採択したアピール文では、原発事故の対応に水俣病の教訓が生かされていないことから、子どもや妊婦の予防的避難をはじめとする生命優先の対策や、賠償の仕組みに被害者や当事者を参加させることなどを要求。五月一日、水俣病慰霊式に出席した近藤昭一環境副大臣に手渡し、松本龍防災担当大臣と官邸に伝えるよう要請したほか、東京電力や、原子力安全委員会、保安院にも提出した。
奥田みのり・フリーライター

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